ある看護師の死が中国社会に悲しみと怒りを同時に抱かせている。主人公は今月14日、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)で亡くなった湖北省武漢の武昌医院看護師の柳帆さん(59)だ。
柳帆さんの死から4日後の18日には、同院院長の劉智明さんも新型コロナに感染して51歳という若さで命を失った。院長の死は初めてのことで、中国メディアの注目を浴びた。
しかし、劉智明さんより先に亡くなった柳帆さんの事例のほうに中国ネットユーザーの関心が集まっている。一家4人が亡くなった柳帆さんが、勤務時にちゃんとした保護服も与えられなかったという話が出てきているためだ。
柳帆さんは2016年55歳で退職したが、再び病院の招請を受けて追加で5年勤務に入っていた。武漢医院が経営している梨園地区衛生サービスセンター注射室で働いていた。あと1年勤務すれば完全に退職し、余生を送るところだった。
しかし、新型コロナの病魔が武漢を襲ってから、柳帆さんは押し寄せる患者の対応で悪戦苦闘した。柳帆さんの知人とみられる人物がネット上に書き込んだものによると、柳帆さんは春節(中国の旧正月)連休も返上して先月26日間働き詰めだったという。
問題は、当時柳帆さんが「保護服がなく、丸裸で仕事をしているようだ。その結果、家族が全員感染した」と話していたことだ。柳帆さんは2日まで病院に務めていたが、3日から5日まで3日間休暇をとった。
6日朝、柳帆さんは看護長に電話をかけて、身体が痛くて熱が出始めていると明らかにした。7日、武昌医院で検査を受けたところ、感染が確認された。それから一週間後の14日午前に亡くなった。病院側は柳帆さんが別の病気に罹患していて、新型コロナを克服することができなかったと明らかにした。
ところが柳帆さんの死に先立ち、彼女の親や弟も新型コロナによって感染して亡くなっていたことが伝えられた。
湖北省映画界の要人で、最近亡くなって耳目を集中させた常凱氏が柳帆さんの弟だったという。姓が別だったのは、父母の姓をそれぞれ受け継いだためだ。また、柳帆さんの夫と娘は隔離観察中の状態だ。一家6人のうち4人が死亡する惨劇が広がったのだ。
特に柳帆さんの死去後に出された武昌医院の思慮に欠ける発表が中国人を怒らせた。
武昌医院は柳帆さん死去の便りを伝えながら「柳帆同志は比較的年配だったことを考慮して、計熱のような診療の一線現場に配置しなかった」と説明した。これが中国社会の怒りの火に油を注ぐ結果となった。
「患者に注射をする看護師が一線現場にいるのではないなら、毎日会議だけしている指導者はいったい何線現場にいるというのか」というような非難が殺到している。そのうえ保護服支給問題も、現在俎上に載せられている。
中国当局は調査後に経緯を明らかにすると話しているが、怒った中国の民心を鎮めるには力不足のようだ。「いくら病院を訪ね歩いても、体を横たえる場所を見つけることができない」と絶叫して亡くなった常凱氏や、一線で治療にあたっている中で亡くなった柳帆さんのことが他人事ではないためだ。
柳帆さんの死から4日後の18日には、同院院長の劉智明さんも新型コロナに感染して51歳という若さで命を失った。院長の死は初めてのことで、中国メディアの注目を浴びた。
しかし、劉智明さんより先に亡くなった柳帆さんの事例のほうに中国ネットユーザーの関心が集まっている。一家4人が亡くなった柳帆さんが、勤務時にちゃんとした保護服も与えられなかったという話が出てきているためだ。
柳帆さんは2016年55歳で退職したが、再び病院の招請を受けて追加で5年勤務に入っていた。武漢医院が経営している梨園地区衛生サービスセンター注射室で働いていた。あと1年勤務すれば完全に退職し、余生を送るところだった。
しかし、新型コロナの病魔が武漢を襲ってから、柳帆さんは押し寄せる患者の対応で悪戦苦闘した。柳帆さんの知人とみられる人物がネット上に書き込んだものによると、柳帆さんは春節(中国の旧正月)連休も返上して先月26日間働き詰めだったという。
問題は、当時柳帆さんが「保護服がなく、丸裸で仕事をしているようだ。その結果、家族が全員感染した」と話していたことだ。柳帆さんは2日まで病院に務めていたが、3日から5日まで3日間休暇をとった。
6日朝、柳帆さんは看護長に電話をかけて、身体が痛くて熱が出始めていると明らかにした。7日、武昌医院で検査を受けたところ、感染が確認された。それから一週間後の14日午前に亡くなった。病院側は柳帆さんが別の病気に罹患していて、新型コロナを克服することができなかったと明らかにした。
ところが柳帆さんの死に先立ち、彼女の親や弟も新型コロナによって感染して亡くなっていたことが伝えられた。
湖北省映画界の要人で、最近亡くなって耳目を集中させた常凱氏が柳帆さんの弟だったという。姓が別だったのは、父母の姓をそれぞれ受け継いだためだ。また、柳帆さんの夫と娘は隔離観察中の状態だ。一家6人のうち4人が死亡する惨劇が広がったのだ。
特に柳帆さんの死去後に出された武昌医院の思慮に欠ける発表が中国人を怒らせた。
武昌医院は柳帆さん死去の便りを伝えながら「柳帆同志は比較的年配だったことを考慮して、計熱のような診療の一線現場に配置しなかった」と説明した。これが中国社会の怒りの火に油を注ぐ結果となった。
「患者に注射をする看護師が一線現場にいるのではないなら、毎日会議だけしている指導者はいったい何線現場にいるというのか」というような非難が殺到している。そのうえ保護服支給問題も、現在俎上に載せられている。
中国当局は調査後に経緯を明らかにすると話しているが、怒った中国の民心を鎮めるには力不足のようだ。「いくら病院を訪ね歩いても、体を横たえる場所を見つけることができない」と絶叫して亡くなった常凱氏や、一線で治療にあたっている中で亡くなった柳帆さんのことが他人事ではないためだ。
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