「韓国と中国を結ぶ路線のコンテナ輸送率は普段の50%水準にもなりません。このまま行けば中国依存度が高い中小海運会社は破産するほかありません」。
14日、韓国最大の貿易港である釜山(プサン)新港。コンテナでぎっしり埋まっているべき甲板がガランと空いたまま「フロリダ・ベイ号」が入ってきた。インドネシアを出発し中国・寧波を経て入港したコンテナ船だった。この船は中国で荷物をまともに載せることができず、積載量の3分の1である400TEU(1TEUは6メートルコンテナ1個)だけ載せ釜山新港に到着した。中国の港が事実上まひしたためだ。
空っぽの船舶とは反対に埠頭にはコンテナが幾重にも積み重なった。釜山新港の蔵置率(港湾受け入れ能力に対する積まれたコンテナの割合)は飽和直前である80%を上回った。中国などに送り返さなければならない空のコンテナばかりあふれるためだ。
◇運賃指数4年来の最低水準
新型コロナウイルスによる肺炎が拡散し各国にコンテナ船を運航する海運業界が直撃弾を受けた。コンテナ船だけでなくばら積み船やタンカーも物流量が急減し運賃が下落したためだ。
ブルームバーグが17日に伝えたところによると、海運業況を示す指標のひとつであるバルク貨物運賃指数(BDI、1985年1月=1000ポイント)は10日411に落ち4年ぶりの低水準を記録した。以前のピークだった昨年9月より83.7%急落した。BDIが低いほど海運業況が悪いという意味だ。
13日には超大型貨物船運賃を反映するBDIケープサイズ指数が1999年集計以降初めてマイナスに落ち込んだりもした。「世界の工場」である中国が新型肺炎で動きが止まり、鉄鉱石、原油、穀物などの原材料輸送が急減した影響だ。マースク(デンマーク)、MSC(スイス)、ハパクロイド(ドイツ)の世界海運大手3社は中国路線の船舶数を減らしている。フランスの海運調査機関アルファライナーは1-3月期の欧州~アジア路線の運航回数が昨年1-3月期の半分以下に減ると予想した。
中国から韓国への貨物がなく釜山新港への接岸を取り消す船舶も増える傾向だ。現代商船のチョン・ジェホン釜山地域本部長は「春節連休が終わったが中国港湾の稼動率は20%水準にとどまっている。一部中国工場が再稼働を始めたが工場から港までコンテナを運ぶトラックがまともに運行されていない」と伝えた。
◇「全産業界をまひさせるかも」
韓国の海運企業も輸送量減少と運賃下落で崖っぷちに追いやられた。韓国最大の海運会社である現代商船の中国物流の割合は50%に達する。現代商船は今年「10年ぶりの赤字脱出」を目標に掲げたが、新型肺炎の直撃弾を受けた。ばら積み船を運営するパンオーシャン、近海コンテナ海運の高麗海運、興亜海運、長錦商船なども衝撃波を避けることはできない見通しだ。
デンマークの海運専門コンサルティング会社のシーインテリジェンスは新型肺炎以降に世界のコンテナ物流量が35万個減り、世界の海運業界が毎週3億5000万ドルほどの損失を出していると推定した。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が海運業界に600億ウォン規模の緊急経営資金を支援すると発表したが、業界では実効性がないという指摘が出ている。業界関係者は「米中貿易戦争の傷がまだ癒えていない状況で新型肺炎に襲われた。中小海運会社は破産危機に置かれた」と話した。
海運業界の危機は他の産業界にも連鎖的に影響を与える可能性が大きいと分析される。韓国貿易協会によると昨年韓国が中国から輸入した素材・部品は62兆1550億ウォン規模で、素材・部品輸入額全体の30.5%を占めた。海路がふさがれば中国からの部品・素材調達が途絶え、自動車、機械、航空など韓国の主要工場もまともに稼動できなくなる。
アルファライナーは新型肺炎で1-3月期の中国港湾物流量が600万TEU以上減少するだろうと予想した。中国への輸出割合が全体の27%と高い韓国が大きな打撃を受けるほかない。韓国海洋水産開発院のチェ・ゴンウ専門研究員は「新型肺炎問題が長期化する場合、海運業界が最悪の危機に陥りかねない」と話した。
14日、韓国最大の貿易港である釜山(プサン)新港。コンテナでぎっしり埋まっているべき甲板がガランと空いたまま「フロリダ・ベイ号」が入ってきた。インドネシアを出発し中国・寧波を経て入港したコンテナ船だった。この船は中国で荷物をまともに載せることができず、積載量の3分の1である400TEU(1TEUは6メートルコンテナ1個)だけ載せ釜山新港に到着した。中国の港が事実上まひしたためだ。
空っぽの船舶とは反対に埠頭にはコンテナが幾重にも積み重なった。釜山新港の蔵置率(港湾受け入れ能力に対する積まれたコンテナの割合)は飽和直前である80%を上回った。中国などに送り返さなければならない空のコンテナばかりあふれるためだ。
◇運賃指数4年来の最低水準
新型コロナウイルスによる肺炎が拡散し各国にコンテナ船を運航する海運業界が直撃弾を受けた。コンテナ船だけでなくばら積み船やタンカーも物流量が急減し運賃が下落したためだ。
ブルームバーグが17日に伝えたところによると、海運業況を示す指標のひとつであるバルク貨物運賃指数(BDI、1985年1月=1000ポイント)は10日411に落ち4年ぶりの低水準を記録した。以前のピークだった昨年9月より83.7%急落した。BDIが低いほど海運業況が悪いという意味だ。
13日には超大型貨物船運賃を反映するBDIケープサイズ指数が1999年集計以降初めてマイナスに落ち込んだりもした。「世界の工場」である中国が新型肺炎で動きが止まり、鉄鉱石、原油、穀物などの原材料輸送が急減した影響だ。マースク(デンマーク)、MSC(スイス)、ハパクロイド(ドイツ)の世界海運大手3社は中国路線の船舶数を減らしている。フランスの海運調査機関アルファライナーは1-3月期の欧州~アジア路線の運航回数が昨年1-3月期の半分以下に減ると予想した。
中国から韓国への貨物がなく釜山新港への接岸を取り消す船舶も増える傾向だ。現代商船のチョン・ジェホン釜山地域本部長は「春節連休が終わったが中国港湾の稼動率は20%水準にとどまっている。一部中国工場が再稼働を始めたが工場から港までコンテナを運ぶトラックがまともに運行されていない」と伝えた。
◇「全産業界をまひさせるかも」
韓国の海運企業も輸送量減少と運賃下落で崖っぷちに追いやられた。韓国最大の海運会社である現代商船の中国物流の割合は50%に達する。現代商船は今年「10年ぶりの赤字脱出」を目標に掲げたが、新型肺炎の直撃弾を受けた。ばら積み船を運営するパンオーシャン、近海コンテナ海運の高麗海運、興亜海運、長錦商船なども衝撃波を避けることはできない見通しだ。
デンマークの海運専門コンサルティング会社のシーインテリジェンスは新型肺炎以降に世界のコンテナ物流量が35万個減り、世界の海運業界が毎週3億5000万ドルほどの損失を出していると推定した。洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が海運業界に600億ウォン規模の緊急経営資金を支援すると発表したが、業界では実効性がないという指摘が出ている。業界関係者は「米中貿易戦争の傷がまだ癒えていない状況で新型肺炎に襲われた。中小海運会社は破産危機に置かれた」と話した。
海運業界の危機は他の産業界にも連鎖的に影響を与える可能性が大きいと分析される。韓国貿易協会によると昨年韓国が中国から輸入した素材・部品は62兆1550億ウォン規模で、素材・部品輸入額全体の30.5%を占めた。海路がふさがれば中国からの部品・素材調達が途絶え、自動車、機械、航空など韓国の主要工場もまともに稼動できなくなる。
アルファライナーは新型肺炎で1-3月期の中国港湾物流量が600万TEU以上減少するだろうと予想した。中国への輸出割合が全体の27%と高い韓国が大きな打撃を受けるほかない。韓国海洋水産開発院のチェ・ゴンウ専門研究員は「新型肺炎問題が長期化する場合、海運業界が最悪の危機に陥りかねない」と話した。
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