サムスン電子が１１日（現地時間）に米サンフランシスコで公開したギャラクシーＳ２０シリーズの最も大きな特徴は圧倒的なカメラだ。最上位モデルのギャラクシーＳ２０ウルトラの場合、１億８００万画素カメラに１００倍ズームまで提供する。現存のスマートフォンでこのようなカメラを搭載しているモデルはない。専門家級カメラ（ＤＳＬＲ）を脅かすレベルという評価が出てくる理由だ。

サムスン電子は１２日、公式ユーチューブを通じてギャラクシーＳ２０ウルトラのカメラ性能を公開した。映像には浜辺が登場し、砂浜から遠く離れた子犬に徐々に視線を移していく構図で進行される。１０倍以上の被写体を拡大しても画質は鮮明だった。サムスン電子によると、１０倍ズームまでは画質の低下がなく、最大１００倍まで高倍率ズームが可能だ。

スマートフォンはデジタルカメラを代替してきた。携帯用デジタルカメラ（ミラーレス）を超える製品が次々と登場しながらだ。とはいえ高倍率光学ズームが可能なＤＳＬＲを脅かすほどではなかった。ただ、ＤＳＬＲの場合、１００倍ズームを実現するには別途の高倍率レンズが必要だ。それだけ厚くて重くなるということだ。しかしギャラクシーＳ２０ウルトラは別途のレンズ装着なくＤＳＬＲ並みの性能を具現した。


秘訣は潜望鏡構造で配置したフォルデッド方式だ。高倍率光学ズームを実現するためにはレンズとイメージセンサーとの距離がそれだけ長くなければいけない。レンズを重ねて配列する空間が必要ということだ。この場合、厚くなるしかない。１センチにもならないスマートフォンの厚さを考えると不可能だ。それでギャラクシーＳ２０ウルトラはプリズムを利用してレンズを横に配置するフォルデッド（折りたたみ）方式を採択した。潜望鏡のように光の屈折を利用するのだ。

イメージセンサーの大きさも「１／１．３３インチ」と、前作の「１／２．５５インチ」に比べてはるかに広くなった。カメラはイメージセンサーの面積が広く画素数が高いほど高品質の撮影が可能だ。サムスン電子無線事業部マーケティングチームのキム・スンヨン常務は「ギャラクシーＳ２０とＳ２０プラスはギャラクシーＳ１０に比べ約１．７倍にセンサーを拡大し、ギャラクシーＳ２０ウルトラは約２．９倍大きいセンサーをつけた」とし「」センサーを大きくして効率を高めたうえ、カメラの構造を変えてスマートフォンのアイデンティティーを革新した」と語った。

イメージセンサーの大きさを無制限に拡大できないスマートフォンの特性上、高解像度を具現するには個別画素を減らすしかない。１億８００万画素をきめ細かく入れるということだ。この場合、ピクセル１個に光を取り入れる面積が減り、相対的に写真が暗く撮影される。サムスン電子側はこうした高解像度イメージセンサーの短所を補完するためにピクセル９個を１つのようにして多くの光を取り入れることができる「ノナセル」技術を適用したと明らかにした。サムスンはこのセンサーがＳ２０ウルトラの販売増加だけでなく、李在鎔（イ・ジェヨン）副会長が明らかにした「２０３０システム半導体世界１位」を達成するうえで１つの軸になると期待している。

これに関しザ・ヴァージは「サムスンは問題の解決策を見つけたと主張するが、十分にテストするまで分からない」と判断を保留した。一方、ブルームバーグ・ＣＮＢＣ・フォンアレナなど海外メディアはサムスンが公開したＳ２０シリーズと貝殻のように折りたたむＺフリップを高く評価している。ＣＮＮは「韓国映画『パラサイト』のアカデミー受賞だけが驚くことではない。サムスン電子の新しいフリップフォンは衝撃的」と評価した。