新型コロナウイルス感染症が広がり、経済的な被害が拡大している。中国の景気沈滞で韓国の消費と輸出への影響が避けられない。韓国政府は被害を防ぐための対策を出した。新型コロナ事態が長期化する場合、中国を中心とする世界のサプライチェーンが崩壊し、被害が雪だるま式に増えるという懸念も出ている。
洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は7日、政府ソウル庁舎で経済長官会議を開き、「今回の事態で被害が懸念される中小・中堅企業と自営業者に2兆ウォン(約1840億円)規模の政策金融を追加で供給し、直接・間接的な被害が予想される観光業種などに対する支援案も迅速に用意する」と明らかにした。また支障が生じている自動車部品の需給に関し「中国地方政府と現地工場の早期再稼働のための協議を強化する一方、輸入時には24時間緊急通関を支援する」と述べた。雇用労働部は国内の生産拡大のために企業が週52時間以上の特別延長勤務を申請する場合、迅速に許可する方針だ。
しかし財界はこの程度では十分でないという立場だ。新型コロナ事態は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や2015年の中東呼吸器症候群(MERS)当時より大きな問題を起こす可能性があるということだ。朴容晩(パク・ヨンマン)大韓商工会議所会長はこの日、ソウル中区の大韓商工会議所で洪副首相と金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長が開いた懇談会で、「SARSは主に輸出に、MERSは内需に被害が集中した半面、今回は輸出と内需に複合打撃を与えるだろう」とし、政府の先制的かつ強力な対応策を建議した。
SARSは中国を中心に約8400人が感染し、うち9.5%の約800人の死者を出した。中国の消費と生産が減少し、中国の旅行客が60%、アジア航空乗客が40%減り、中国の国内総生産(GDP)が1%ポイント、アジア地域は0.6-0.8%ポイント減少したと推定される。しかし新型コロナは7日現在、世界で感染者が3万1000人、死者は630人を超えた。致死率は2%程度と低い方だが、感染拡大ペースは速い。さらに中国の経済規模も比較できないほど拡大している。中国GDPが世界経済に占める比率は2003年の4.5%から昨年は16.5%に、中国人旅行者数は2000万人から1億5000万人に増えた。
豪州国立大のマキビン教授は「今回の新型コロナによる世界経済の損失は1600億ドルと、SARS当時(400億ドル)の4倍にのぼる」と推定した。ブルームバーグは今年1-3月期の中国のGDP成長率は4.5%にとどまり、四半期別の集計が始まった1992年以降で最低値になると予想した。これを受け、香港、韓国、日本の順に成長率が低下し、ドイツ、米国、英国も打撃を受けるということだ。英オックスフォード・エコノミクスは「今年は新型コロナのため世界経済成長率の下落幅がSARS当時(0.15%ポイント)を超えて0.25%ポイントに達するかもしれない」という見方を示した。
SARS当時は3カ月で事態が落ちつき、下半期には中国の成長率が10%を超えた。短期の衝撃で終わったのだ。しかし現在は中国の成長率が低下し、負債が増えている状況だ。新型コロナ事態が落ち着いても反騰は容易でないという予想も出ている。事態が長期化して中国を中心とするサプライチェーンが崩れる場合、世界経済にも負担となる。新型コロナの震源地の湖北省は水陸で重慶・上海・広州・北京を東西南北に結ぶ交通の要地だ。中心都市の武漢にはルノー・ホンダ・GMなど世界的な自動車企業の工場がある。
湖北省の南側と東側の広東・浙江・江蘇省は電子・通信など先端産業の中心地だ。武漢から東に700キロ離れた蘇州工業園区は1994年に中国政府がシンガポールと共同で開発した経済特区で、サムスン電子、サムスンディスプレイ、アップルのiPhoneなどを生産する台湾フォックスコンなどの工場がある。近隣の無錫にはSKハイニックス、塩城には起亜車工場がある。1、2時間の距離に携帯電話やコンピューターを生産できる部品工場が集まっているところだ。広東省にはLGディスプレイ(広州)、ファーウェイ(華為技術)などがある。
現在、中国で感染者は一日に3000-4000人ずつ増えている一方、完治者は200-300人にすぎない。完治者が感染者を超えてこそ勢いが弱まったと見ることができる。中国精華大研究チームは16日が、米エール大研究チームは21日が転換点になると予想した。一方、香港大研究チームは「武漢だけでも7万人以上の感染者がいるため、3月末から4月初めが転換点になる」と予想した。
感染者は主に湖北省に集中している。中国政府は先月30日までだった春節(旧正月)連休を9日まで延長した。このため故郷から戻った職員が広東・浙江・江蘇省の工場に復帰する10日から3、4日間ほどが経済への打撃が予想される時期とみている。工場稼働の再開後、追加の感染者が少なければ生産への支障は最小限にとどまる可能性がある。先月23日に武漢を封鎖した後、湖北省の外で確認された感染者は多くない。経済に対する打撃は大きくないという期待のためか、KOSPI(韓国総合株価指数)と為替レートは先月末の水準を回復した。
問題は事態が長期化する場合だ。韓国は昨年基準で素材・部品輸入の30%に相当する520億ドル分を中国から輸入している。南京・青島・天津などに工場があるLGエレクトロニクスの関係者は「来週、中国南東地域に追加の感染者が急増する場合、中国企業からの部品調達や製品の国内外販売に支障が生じるしかない」と懸念を表した。
洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は7日、政府ソウル庁舎で経済長官会議を開き、「今回の事態で被害が懸念される中小・中堅企業と自営業者に2兆ウォン(約1840億円)規模の政策金融を追加で供給し、直接・間接的な被害が予想される観光業種などに対する支援案も迅速に用意する」と明らかにした。また支障が生じている自動車部品の需給に関し「中国地方政府と現地工場の早期再稼働のための協議を強化する一方、輸入時には24時間緊急通関を支援する」と述べた。雇用労働部は国内の生産拡大のために企業が週52時間以上の特別延長勤務を申請する場合、迅速に許可する方針だ。
しかし財界はこの程度では十分でないという立場だ。新型コロナ事態は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や2015年の中東呼吸器症候群(MERS)当時より大きな問題を起こす可能性があるということだ。朴容晩(パク・ヨンマン)大韓商工会議所会長はこの日、ソウル中区の大韓商工会議所で洪副首相と金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長が開いた懇談会で、「SARSは主に輸出に、MERSは内需に被害が集中した半面、今回は輸出と内需に複合打撃を与えるだろう」とし、政府の先制的かつ強力な対応策を建議した。
SARSは中国を中心に約8400人が感染し、うち9.5%の約800人の死者を出した。中国の消費と生産が減少し、中国の旅行客が60%、アジア航空乗客が40%減り、中国の国内総生産(GDP)が1%ポイント、アジア地域は0.6-0.8%ポイント減少したと推定される。しかし新型コロナは7日現在、世界で感染者が3万1000人、死者は630人を超えた。致死率は2%程度と低い方だが、感染拡大ペースは速い。さらに中国の経済規模も比較できないほど拡大している。中国GDPが世界経済に占める比率は2003年の4.5%から昨年は16.5%に、中国人旅行者数は2000万人から1億5000万人に増えた。
豪州国立大のマキビン教授は「今回の新型コロナによる世界経済の損失は1600億ドルと、SARS当時(400億ドル)の4倍にのぼる」と推定した。ブルームバーグは今年1-3月期の中国のGDP成長率は4.5%にとどまり、四半期別の集計が始まった1992年以降で最低値になると予想した。これを受け、香港、韓国、日本の順に成長率が低下し、ドイツ、米国、英国も打撃を受けるということだ。英オックスフォード・エコノミクスは「今年は新型コロナのため世界経済成長率の下落幅がSARS当時(0.15%ポイント)を超えて0.25%ポイントに達するかもしれない」という見方を示した。
SARS当時は3カ月で事態が落ちつき、下半期には中国の成長率が10%を超えた。短期の衝撃で終わったのだ。しかし現在は中国の成長率が低下し、負債が増えている状況だ。新型コロナ事態が落ち着いても反騰は容易でないという予想も出ている。事態が長期化して中国を中心とするサプライチェーンが崩れる場合、世界経済にも負担となる。新型コロナの震源地の湖北省は水陸で重慶・上海・広州・北京を東西南北に結ぶ交通の要地だ。中心都市の武漢にはルノー・ホンダ・GMなど世界的な自動車企業の工場がある。
湖北省の南側と東側の広東・浙江・江蘇省は電子・通信など先端産業の中心地だ。武漢から東に700キロ離れた蘇州工業園区は1994年に中国政府がシンガポールと共同で開発した経済特区で、サムスン電子、サムスンディスプレイ、アップルのiPhoneなどを生産する台湾フォックスコンなどの工場がある。近隣の無錫にはSKハイニックス、塩城には起亜車工場がある。1、2時間の距離に携帯電話やコンピューターを生産できる部品工場が集まっているところだ。広東省にはLGディスプレイ(広州)、ファーウェイ(華為技術)などがある。
現在、中国で感染者は一日に3000-4000人ずつ増えている一方、完治者は200-300人にすぎない。完治者が感染者を超えてこそ勢いが弱まったと見ることができる。中国精華大研究チームは16日が、米エール大研究チームは21日が転換点になると予想した。一方、香港大研究チームは「武漢だけでも7万人以上の感染者がいるため、3月末から4月初めが転換点になる」と予想した。
感染者は主に湖北省に集中している。中国政府は先月30日までだった春節(旧正月)連休を9日まで延長した。このため故郷から戻った職員が広東・浙江・江蘇省の工場に復帰する10日から3、4日間ほどが経済への打撃が予想される時期とみている。工場稼働の再開後、追加の感染者が少なければ生産への支障は最小限にとどまる可能性がある。先月23日に武漢を封鎖した後、湖北省の外で確認された感染者は多くない。経済に対する打撃は大きくないという期待のためか、KOSPI(韓国総合株価指数)と為替レートは先月末の水準を回復した。
問題は事態が長期化する場合だ。韓国は昨年基準で素材・部品輸入の30%に相当する520億ドル分を中国から輸入している。南京・青島・天津などに工場があるLGエレクトロニクスの関係者は「来週、中国南東地域に追加の感染者が急増する場合、中国企業からの部品調達や製品の国内外販売に支障が生じるしかない」と懸念を表した。
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