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【コラム】新型コロナ事態で大しけの韓半島情勢(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナウイルス感染症によって中国社会は「恐怖の伝染」に陥っている。1カ月間マスクと防疫服を脱ぐことができずに死闘を繰り広げている医療スタッフの献身と「外出を控えてマスクを無駄遣いせずに戦線に送ろう」という市民意識にもかかわらず、確定患者の死亡者数が急激に増えている。初動対処が遅れたという嘆きは次第に脆弱な保健医療システムと硬直した党国家体制に向かっている。中国経済も大きく萎縮した。昨年やっとのことで達成した6.1%経済成長率を今年も達成するには力が足りず、今回の件の余波で前年比0.5%ポイントまで下落する可能性もあるとの悲観的な見通しも登場した。ここに慢性的な地方政府の負債やシャドー・バンキング・システムなど「灰色のサイ」(grey rhino)現象が水面上に浮上しながら中国発危機の可能性も高まっている。

このような点で、短期的に中国政府はすべての力を民心離反という後遺症克服に投じて、今年の国家戦略の核心目標である中国版中進国である「全面的小康社会の建設」に集中して、これを中国共産党創党100周年である来年まで政治的動力としようと考えるだろう。たとえ中国外交部報道官の不満のように、今回のコロナウイルス事態に米国がいかなる実質的支援もせずに迅速な撤収を通じて中国の不満を買っているが、米国が中国の核心利益を侵害しない限り、外部の脅威認識を高めて安保化(securitization)するよりも低姿勢で未来に活路を見出す韜光養晦戦略を取る可能性が高い。今年1月15日、中国が米国と第1次貿易交渉に署名する過程で新たに経験した米国覇権の力もこのような対外認識と韓半島(朝鮮半島)政策にも影響を与えるだろう。

◆コロナ事態で韓半島情勢は大しけ


新型コロナによって韓半島情勢も大しけとなっている。伝染病など防疫に脆弱な北朝鮮は観光交易による外貨不足危機にもかかわらず、中国の国境を封じたほか、南北の唯一の通路だった開城(ケソン)連絡事務所も閉鎖した。このような状況で南北関係改善の新たな戦略として企画した離散家族の北朝鮮観光プログラムの推進動力も大きく落ちた。また、新型コロナの余波で中国の製造工場が生産を中断したことは韓国経済にも直撃弾を落とし、やっとのことで回復にこぎつけた民間交流も再び萎縮しつつある。問題は、中国がこの局面を劇的に抜け出したといっても、韓半島情勢の小康状態はもう少し持続する可能性が高いという点だ。

第一、米朝関係と南北関係の二重的膠着局面だ。北朝鮮はハノイ会談の失敗以降、当面の間、非核化の議題を交渉テーブルに上げないまま米国の認識と行動変化を要求してきており、米国も米朝対話の重要性を確認しながらも大統領選挙が近づきながら悪い取り引きよりはいっそノーディール(No deal)を好むなど、きっ抗した綱引きを続けている。このような状況で、北朝鮮は韓国の仲裁者役を期待して頼るのではなく、中国との経済協力の中で息をする空間を探しながら米国との新たな談判を準備するだろう。したがって南北関係の独自性を回復して米朝関係を追求しようと思う韓国の戦略構図にも支障が出る可能性がある。

第二、北朝鮮と中国の戦略協力の強化だ。2018年、北朝鮮が電撃的に韓半島非核化の意志を明らかにしながら5回の中朝首脳会談が開かれて以来、中国は国際制裁の死角地帯で最大限の支援を北朝鮮に提供しながら両国は戦略協力の幅を広げてきた。北朝鮮は新型コロナの局面でも金正恩(キム・ジョンウン)委員長は「肉親が受けた被害のように感じる」という慰労文と支援金を中国に伝達するなど、高まる社会主義連帯をアピールした。昨年末、北朝鮮が「クリスマスプレゼント」という脅迫カードを引っ込めたのも中国の説得が功を奏した。このように見ると、韓中関係を通じて南北関係の膠着を打開するにも相当な制約要因がある。

第三、韓半島をめぐる米中戦略競争の複雑性だ。米中貿易摩擦が本格化すると、米国は韓日米安保協力を強固にして北朝鮮の過度な親中化を防ぎ、中国牽制(けんせい)に力を集中しようとした。中国も米国の対中国牽制に対応して中朝・露間の伝統的北方協力を強化する一方、韓中の戦略的関係を強化してこれを韓米同盟軟性化とつなげようとした。しかし、当面は米中貿易摩擦と新型コロナの後遺症を克服するために米国と鋭く対立する「冷戦」ではなく「ひんやりとした凉戦」を選択しながら攻勢的対外戦略のレベルを下げようとするだろう。


【コラム】新型コロナ事態で大しけの韓半島情勢(2)

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