大韓航空が3億ドル規模の海外永久債(新型資本証券)発行を延期した。新型コロナウイルスによる肺炎が拡散し世界の金融市場で不安心理が大きくなった余波だ。「新型肺炎ショック」が産業現場に続き企業金融市場に広がるのではないかとの懸念が出ている。
投資銀行業界によると、大韓航空は当初今月に予定した海外永久債発行を先送りすることにした。同社は既に発行した永久債(約7000億ウォン)が今年に入り相次ぎ早期償還時期を迎えるのに備え新たな永久債発行を準備してきた。だが新型肺炎拡散で国際金融市場がぐらつき発行環境が悪化したためやむをえず資金調達時期を遅らせることにした。
金融市場では新型肺炎発生後に安全資産選好現象が強まった。これにより比較的信用リスクが高い新興国債券と返済順位が先送りされる永久債と劣後債の投資心理が冷え込んでいる。
格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの日新型肺炎がアジア・太平洋地域の企業の格付け引き下げリスクとして作用する恐れがあると警告した。
産業銀行など今月を目標に海外債券発行を準備しているほとんどの企業が需要予測(機関投資家対象の事前請約)日程すら確定できないまま時期を天秤にかけている。韓国企業が上半期に償還しなくてはならない海外債券規模は135億ドルに達する。
◇企業金融市場襲った「Cの恐怖」で資金調達「薄氷」…安全資産選好で新興国債券・永久債など投資心理「急冷」
大韓航空が海外永久債発行を延期するなど新型コロナウイルスによる肺炎の拡散にともなう衝撃が企業資金調達市場に広がっている。中国製部品の供給支障で製品生産中断が続く産業界には踏んだり蹴ったりだ。新型肺炎が沈静化するまで海外資金調達が厳しくなるだろうという懸念に企業は戦々恐々としている。
◇冷却する海外債券市場
新型肺炎が発生した先月末以降、新興国債券投資心理は急激に冷え込んだ。「新型肺炎ショック」が世界の経済成長を鈍化させるだろうという不安から安全資産選好現象が大きくなったためだ。米国債と金、銀などの安全資産価格が一斉に急騰した。これに対し投資リスクが相対的に大きい新興国債券に対する関心は落ちた。
こうした状況を反映し先月中旬に1.16ポイントまで縮まったアジア投資適格等級(格付けBBB-~AAA)社債と米国債間の金利差(スプレッド)は今月3日には1.26ポイントまで広がった。格付けBB+以下であるハイイールド(高リスク高収益)社債間格差はさらに大幅に拡大した。同じ期間に4.36ポイントから5.21ポイントに大きくなった。投資銀行業界関係者は「信用度が低い企業は国際金融市場で調達ルートそのものがふさがっている」と話した。
大韓航空は新たな永久債発行を準備してきた。早期償還権(コールオプション)を行使しなければ金利が大きく上がる既存の永久債を返すためだ。だが新型肺炎が冷や水を浴びせた。海外市場でハイイールド等級と評価される大韓航空としては上昇する金利が安定を取り戻すまでは永久債発行を再開するのは容易でない見通しだ。新型肺炎が4~5月にも沈静化するだろうという観測から大韓航空の永久債発行時期は2カ月以上延期されるだろうとの予想が出ている。
◇感染リスク拡大する香港市場変数
アジア金融ハブとされる香港が新型肺炎リスクにさらされているのも韓国企業の海外資金調達環境に悪影響を与えている。中国全域にわたり肺炎患者数が急増し、香港の機関投資家は感染を防ぐために役員社員に休暇または在宅勤務を促しているという。ある外資系証券会社の企業金融担当役員は「香港で投資家と会うこと自体が難しくなっている」と話す。
企業公開(IPO)を推進中の会社は相次ぎ香港での企業説明会(IR)を取り消している。来月KOSDAQ市場上場を計画しているKT系列のデジタル広告代理店プレイDと化粧品素材企業のNFCは香港IRをカンファレンスコールに変えることにした。
債券発行を計画中の企業の負担もさらに大きくなった。韓日貿易紛争でサムライ債(外国企業が日本で発行する円建て債券)発行市場がふさがる状況で香港市場まで冷え込んだためだ。代替資金調達先の役割をする日本と違い香港は韓国企業が株式と債券を発行する際に海外投資需要の相当部分を担っている市場だ。
◇株式発行にも赤信号
IPOなど株式発行市場(ECM)にも波紋が広がっている。NFCは公募日程を延期することにした。この会社は10~11日に需要予測(機関投資家対象事前請約)を進め今月KOSDAQ市場上場を終えるという計画だったが、需要予測時期を今月末から2週間ほど延期した。新型肺炎で証券市場が調整を受け全般的な投資心理が萎縮したためだ。
投資銀行業界では主要企業が監査報告書を提出して上場時期を確定する来月末まで事態が続けば株式発行を通じた企業の資金調達に大きな支障が出ると懸念している。投資銀行業界関係者は「新型肺炎が続けば対中輸出や中国の売り上げ比率が高い企業はIPO時期を延期する可能性が大きい」と話した。
投資銀行業界によると、大韓航空は当初今月に予定した海外永久債発行を先送りすることにした。同社は既に発行した永久債(約7000億ウォン)が今年に入り相次ぎ早期償還時期を迎えるのに備え新たな永久債発行を準備してきた。だが新型肺炎拡散で国際金融市場がぐらつき発行環境が悪化したためやむをえず資金調達時期を遅らせることにした。
金融市場では新型肺炎発生後に安全資産選好現象が強まった。これにより比較的信用リスクが高い新興国債券と返済順位が先送りされる永久債と劣後債の投資心理が冷え込んでいる。
格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの日新型肺炎がアジア・太平洋地域の企業の格付け引き下げリスクとして作用する恐れがあると警告した。
産業銀行など今月を目標に海外債券発行を準備しているほとんどの企業が需要予測(機関投資家対象の事前請約)日程すら確定できないまま時期を天秤にかけている。韓国企業が上半期に償還しなくてはならない海外債券規模は135億ドルに達する。
◇企業金融市場襲った「Cの恐怖」で資金調達「薄氷」…安全資産選好で新興国債券・永久債など投資心理「急冷」
大韓航空が海外永久債発行を延期するなど新型コロナウイルスによる肺炎の拡散にともなう衝撃が企業資金調達市場に広がっている。中国製部品の供給支障で製品生産中断が続く産業界には踏んだり蹴ったりだ。新型肺炎が沈静化するまで海外資金調達が厳しくなるだろうという懸念に企業は戦々恐々としている。
◇冷却する海外債券市場
新型肺炎が発生した先月末以降、新興国債券投資心理は急激に冷え込んだ。「新型肺炎ショック」が世界の経済成長を鈍化させるだろうという不安から安全資産選好現象が大きくなったためだ。米国債と金、銀などの安全資産価格が一斉に急騰した。これに対し投資リスクが相対的に大きい新興国債券に対する関心は落ちた。
こうした状況を反映し先月中旬に1.16ポイントまで縮まったアジア投資適格等級(格付けBBB-~AAA)社債と米国債間の金利差(スプレッド)は今月3日には1.26ポイントまで広がった。格付けBB+以下であるハイイールド(高リスク高収益)社債間格差はさらに大幅に拡大した。同じ期間に4.36ポイントから5.21ポイントに大きくなった。投資銀行業界関係者は「信用度が低い企業は国際金融市場で調達ルートそのものがふさがっている」と話した。
大韓航空は新たな永久債発行を準備してきた。早期償還権(コールオプション)を行使しなければ金利が大きく上がる既存の永久債を返すためだ。だが新型肺炎が冷や水を浴びせた。海外市場でハイイールド等級と評価される大韓航空としては上昇する金利が安定を取り戻すまでは永久債発行を再開するのは容易でない見通しだ。新型肺炎が4~5月にも沈静化するだろうという観測から大韓航空の永久債発行時期は2カ月以上延期されるだろうとの予想が出ている。
◇感染リスク拡大する香港市場変数
アジア金融ハブとされる香港が新型肺炎リスクにさらされているのも韓国企業の海外資金調達環境に悪影響を与えている。中国全域にわたり肺炎患者数が急増し、香港の機関投資家は感染を防ぐために役員社員に休暇または在宅勤務を促しているという。ある外資系証券会社の企業金融担当役員は「香港で投資家と会うこと自体が難しくなっている」と話す。
企業公開(IPO)を推進中の会社は相次ぎ香港での企業説明会(IR)を取り消している。来月KOSDAQ市場上場を計画しているKT系列のデジタル広告代理店プレイDと化粧品素材企業のNFCは香港IRをカンファレンスコールに変えることにした。
債券発行を計画中の企業の負担もさらに大きくなった。韓日貿易紛争でサムライ債(外国企業が日本で発行する円建て債券)発行市場がふさがる状況で香港市場まで冷え込んだためだ。代替資金調達先の役割をする日本と違い香港は韓国企業が株式と債券を発行する際に海外投資需要の相当部分を担っている市場だ。
◇株式発行にも赤信号
IPOなど株式発行市場(ECM)にも波紋が広がっている。NFCは公募日程を延期することにした。この会社は10~11日に需要予測(機関投資家対象事前請約)を進め今月KOSDAQ市場上場を終えるという計画だったが、需要予測時期を今月末から2週間ほど延期した。新型肺炎で証券市場が調整を受け全般的な投資心理が萎縮したためだ。
投資銀行業界では主要企業が監査報告書を提出して上場時期を確定する来月末まで事態が続けば株式発行を通じた企業の資金調達に大きな支障が出ると懸念している。投資銀行業界関係者は「新型肺炎が続けば対中輸出や中国の売り上げ比率が高い企業はIPO時期を延期する可能性が大きい」と話した。
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