中国の各地方政府が春節連休を他地域で過ごして戻ってきた中国人と外国人に14日間の自宅隔離を命じた。新型コロナウイルスによる肺炎が武漢と湖北省から中国全域に広がるのを防ぐための措置だ。今回の措置により中国企業だけでなくグローバル企業の中国工場稼動中断が長期化し世界のサプライチェーンへの打撃が長引くだろうとの懸念が出ている。
香港紙の文匯報は5日、上海市が湖北省など新型肺炎が深刻な地域から戻ってくる人に即時自主申告と14日間の隔離措置を取ったと報道した。浙江省杭州、山西省西安、遼寧省瀋陽と大連、吉林省、内モンゴル自治区などは湖北省だけでなくすべての地域から戻ってくる人を14日間隔離するようにした。
これに伴い、10日から正常操業に入る予定だった企業は労働者の正常復帰が難しくなってからも最小2週間は生産支障が避けられない見通しだ。
新型肺炎は拡散速度がますます速まっている。中国国家衛生健康委員会は5日午前0時基準で31の省・市・自治区での新型肺炎患者が2万4324人、死亡者が490人と発表した。前日より患者は3887人、死亡者は65人増えた。
韓国中央防疫対策本部は5日、新型肺炎患者が3人増え19人になったと発表した。この日確定判定を受けた17人目患者(38歳男性)と19人目患者(36歳男性)はシンガポールで感染したと推定される。
18人目の患者は21歳の女性で16人目の患者の娘だ。保健当局は患者の移動経路と接触者を把握する疫学調査をしている。2人目の患者は症状が好転しこの日退院した。教育部は全国の大学に開講延期を勧告した。
◇武漢、世界20大自動車部品メーカー密集:中国成長率マイナスの可能性…イエレン前議長「SARS当時と違う」
中国内の生産拠点が密集する主要地域の地方政府が新型コロナウイルスによる肺炎拡散を防ぐため他地域で春節連休を過ごして戻ってくる人たちに隔離措置を下した。このためすでに亀裂が生じているグローバルサプライチェーンがさらに深刻な打撃を受けるだろうという懸念が大きくなっている。ほとんどの地方政府が春節連休期限を9日以降に延長し、現代自動車が生産中断を決めるなどグローバル企業は部品調達に支障をきたし始めた。専門家らは上半期の中国の経済成長率はマイナスに落ちる可能性があるという分析も出している。
◇揺れるグローバルサプライチェーン
香港紙の文匯報などが5日に伝えたところによると、上海市は湖北省など新型肺炎流行が深刻な地域から戻ってくる人たちに即時申告し14日間隔離することを命じた。最長14日間の潜伏期間に発熱やせきなどの症状がなければ正常出勤できるようにした。協力しない人は法律に基づき処理する方針だ。深セン、香港などがある南部の広東省も患者が多い地域から帰ってくる人は14日間自宅に隔離し医学観察をすると発表した。
さらに厳格な措置を導入した地方政府も多い。北東部吉林省と遼寧省、南東部浙江省、西部山西省の主要都市は外地から復帰したすべての人を14日間隔離することにした。
このように強力な措置を出した地域はほとんどが中国でもグローバル企業の生産拠点が集まっている都市だ。上海にはフォルクスワーゲンとゼネラルモーターズの工場がある。吉林省はフォルクスワーゲンの合弁会社である第一汽車の本拠地であり、広東省にはトヨタ、ホンダ、日産など日系自動車メーカーの工場が位置している。これら3地域は昨年世界の自動車生産量の10%を超える870万台を生産した。浙江省にはLG化学をはじめとする世界の化学企業が工場を運営中で、山西省にはサムスン電子西安工場がある。
今回の新型コロナウイルスの震源地である湖北省は13日まで全面休業を維持する。湖北省武漢は中国最大の工業都市で、ボッシュとヴァレオなど世界20大自動車部品メーカーの大部分が工場を置いている。中国乗用車協会の事務総長は「世界の自動車メーカーが重症急性呼吸器症候群(SARS)当時とは比較にならない部品難に苦しめられるかもしれない」と予想した。コンサルティング会社QIMAのセバスティアン・ブルトー代表は「グローバルサプライチェーンが少なくとも2月末までは動揺があり、3月中旬まで続く可能性もある」と予想する。
◇「過去の伝染病より衝撃大きいだろう」
世界銀行(WB)のマルパス総裁は4日、米ジョージ・ワシントン大学で開かれた討論会で、「新型肺炎により上半期の世界経済成長見通しを下方修正しなければならないだろう」と明らかにした。世界銀行は先月初めに今年の世界経済成長見通しを2.7%から2.5%に0.2ポイント引き下げたが、これをさらに低くする計画を出したのだ。マルパス総裁は「世界の航空会社が中国行き航空便を中断しており、グローバルサプライチェーンに問題が生じているため」と説明した。
ともに討論会に参加したイエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「新型肺炎が世界経済に及ぼす悪影響は短期衝撃にとどまった過去の伝染病問題よりも大きいだろう」と診断した。
上半期に中国の国内総生産(GDP)が落ち込むだろうという予測も出てきた。英市場調査会社エノドエコノミクスのダイアナ・チョイレバ首席エコノミストは「新型コロナウイルスで中国の国内総生産増加率が3四半期連続でマイナスになりかねない」と予想する。
世界最大の原油輸入国である中国の景気低迷への懸念で国際原油価格は下がり続けている。今年初めに1バレル当たり63ドル以上だったウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格はこの日49.61ドルで取引を終えた。
ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)はこの日昨年の業績を発表し、「今年中国の原油需要が1日平均100万バレル減り、世界の原油需要増加率も40%ほど鈍化するだろう」と予想した。
香港紙の文匯報は5日、上海市が湖北省など新型肺炎が深刻な地域から戻ってくる人に即時自主申告と14日間の隔離措置を取ったと報道した。浙江省杭州、山西省西安、遼寧省瀋陽と大連、吉林省、内モンゴル自治区などは湖北省だけでなくすべての地域から戻ってくる人を14日間隔離するようにした。
これに伴い、10日から正常操業に入る予定だった企業は労働者の正常復帰が難しくなってからも最小2週間は生産支障が避けられない見通しだ。
新型肺炎は拡散速度がますます速まっている。中国国家衛生健康委員会は5日午前0時基準で31の省・市・自治区での新型肺炎患者が2万4324人、死亡者が490人と発表した。前日より患者は3887人、死亡者は65人増えた。
韓国中央防疫対策本部は5日、新型肺炎患者が3人増え19人になったと発表した。この日確定判定を受けた17人目患者(38歳男性)と19人目患者(36歳男性)はシンガポールで感染したと推定される。
18人目の患者は21歳の女性で16人目の患者の娘だ。保健当局は患者の移動経路と接触者を把握する疫学調査をしている。2人目の患者は症状が好転しこの日退院した。教育部は全国の大学に開講延期を勧告した。
◇武漢、世界20大自動車部品メーカー密集:中国成長率マイナスの可能性…イエレン前議長「SARS当時と違う」
中国内の生産拠点が密集する主要地域の地方政府が新型コロナウイルスによる肺炎拡散を防ぐため他地域で春節連休を過ごして戻ってくる人たちに隔離措置を下した。このためすでに亀裂が生じているグローバルサプライチェーンがさらに深刻な打撃を受けるだろうという懸念が大きくなっている。ほとんどの地方政府が春節連休期限を9日以降に延長し、現代自動車が生産中断を決めるなどグローバル企業は部品調達に支障をきたし始めた。専門家らは上半期の中国の経済成長率はマイナスに落ちる可能性があるという分析も出している。
◇揺れるグローバルサプライチェーン
香港紙の文匯報などが5日に伝えたところによると、上海市は湖北省など新型肺炎流行が深刻な地域から戻ってくる人たちに即時申告し14日間隔離することを命じた。最長14日間の潜伏期間に発熱やせきなどの症状がなければ正常出勤できるようにした。協力しない人は法律に基づき処理する方針だ。深セン、香港などがある南部の広東省も患者が多い地域から帰ってくる人は14日間自宅に隔離し医学観察をすると発表した。
さらに厳格な措置を導入した地方政府も多い。北東部吉林省と遼寧省、南東部浙江省、西部山西省の主要都市は外地から復帰したすべての人を14日間隔離することにした。
このように強力な措置を出した地域はほとんどが中国でもグローバル企業の生産拠点が集まっている都市だ。上海にはフォルクスワーゲンとゼネラルモーターズの工場がある。吉林省はフォルクスワーゲンの合弁会社である第一汽車の本拠地であり、広東省にはトヨタ、ホンダ、日産など日系自動車メーカーの工場が位置している。これら3地域は昨年世界の自動車生産量の10%を超える870万台を生産した。浙江省にはLG化学をはじめとする世界の化学企業が工場を運営中で、山西省にはサムスン電子西安工場がある。
今回の新型コロナウイルスの震源地である湖北省は13日まで全面休業を維持する。湖北省武漢は中国最大の工業都市で、ボッシュとヴァレオなど世界20大自動車部品メーカーの大部分が工場を置いている。中国乗用車協会の事務総長は「世界の自動車メーカーが重症急性呼吸器症候群(SARS)当時とは比較にならない部品難に苦しめられるかもしれない」と予想した。コンサルティング会社QIMAのセバスティアン・ブルトー代表は「グローバルサプライチェーンが少なくとも2月末までは動揺があり、3月中旬まで続く可能性もある」と予想する。
◇「過去の伝染病より衝撃大きいだろう」
世界銀行(WB)のマルパス総裁は4日、米ジョージ・ワシントン大学で開かれた討論会で、「新型肺炎により上半期の世界経済成長見通しを下方修正しなければならないだろう」と明らかにした。世界銀行は先月初めに今年の世界経済成長見通しを2.7%から2.5%に0.2ポイント引き下げたが、これをさらに低くする計画を出したのだ。マルパス総裁は「世界の航空会社が中国行き航空便を中断しており、グローバルサプライチェーンに問題が生じているため」と説明した。
ともに討論会に参加したイエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「新型肺炎が世界経済に及ぼす悪影響は短期衝撃にとどまった過去の伝染病問題よりも大きいだろう」と診断した。
上半期に中国の国内総生産(GDP)が落ち込むだろうという予測も出てきた。英市場調査会社エノドエコノミクスのダイアナ・チョイレバ首席エコノミストは「新型コロナウイルスで中国の国内総生産増加率が3四半期連続でマイナスになりかねない」と予想する。
世界最大の原油輸入国である中国の景気低迷への懸念で国際原油価格は下がり続けている。今年初めに1バレル当たり63ドル以上だったウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格はこの日49.61ドルで取引を終えた。
ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)はこの日昨年の業績を発表し、「今年中国の原油需要が1日平均100万バレル減り、世界の原油需要増加率も40%ほど鈍化するだろう」と予想した。
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