ジョージ・フリードマン氏(71)は「国際関係学のノストラダムス」と呼ばれる。多くの未来予測が現実になったからだ。2015年1月に出した著書『Flashpoints)』で、フリードマン氏はブレグジット(Brexit=英国の欧州連合離脱)を予測した。当時のキャメロン英首相がブレグジットを国民投票にかけたのは2016年6月。出版当時、ブレグジット実現の可能性を自信を持って予想する人は少数だった。しかしフリードマン氏が予測したように英国国民は2016年にブレグジットに「イエス」を叫び、約3年7カ月後の先月31日、欧州議会の承認を経てブレグジットは現実になった。
フリードマン氏はブレグジット直前の先月30日、中央日報のメールインタビューで「ブレグジットは欧州瓦解の最初のシグナルにすぎない」と断言した。ブレグジットが韓国に与える意味も大きいと強調した。フリードマン氏は「すべての同盟はいつでも瓦解する可能性があることをブレグジットは見せている」とし「他国と結ぶ同盟の基本である『自国の国益』がないと判断されれば、すべての同盟は終わりだ」と話した。70年前の韓国戦争(朝鮮戦争)で結んだ韓米血盟もいつでも終わる可能性があるという警告だ。
フリードマン氏の2015年の著書は最近、韓国語に翻訳され、『近づく欧州の危機と地政学』(キムアンドキムブックス)というタイトルで出版された。韓国語版の特別序文でフリードマン氏は在韓米軍の撤収の可能性に言及した。フリードマン氏は「米軍撤収の可能性を無視してはいけない」とし「米韓同盟は両国に共同利益を与えるが、両国の関係は互いに努力してこそ維持される」と強調した。南北関係については「北朝鮮には政権の維持が焦眉の関心事」とし「北朝鮮が韓国との和解を通じてさらに良い暮らしをすることになれば政権が危うくなり、恒久的な平和は不可能だ」と診断した。
フリードマン氏はハンガリー系米国人でコーネル大政治学博士を取得した。「影のCIA(米中央情報局)」とも呼ばれる米国の国際情勢専門シンクタンク「ストラトフォー」を1996年に設立し、2015年まで会長を務めた。現在はジオポリティカル・フューチャーズの会長を務めている。以下は一問一答の要旨。一部の内容は韓国語版の序文を反映した。
--在韓米軍撤収の可能性に言及したが、実際の可能性はどの程度か。
「今日の韓国は1950年当時の韓国とは違う。自国を守れるほど相当な地上軍兵力を保有している。宇宙軍のような新しい戦場でのみ(米国の)支援が必要だ」
--在韓米軍の撤収はトランプ大統領個人の問題を越えるという主張として聞こえる。
「同盟はこのように進化した現実を反映しなければいけない。1950年代の現実に凍結した同盟は米国には必要でない」
--韓米同盟の現住所に対する診断は。
「韓国の安全保障の土台は、米国が韓国について脅威を与える国として見ていないというところにある。もし米韓両国で世論が否定的に変わる場合、危険に直面する。韓国は特に北朝鮮問題では必ず米国と協調しなければいけない」
--最近、韓国政府が個別金剛山(クムガンサン)観光など南北協力を推進し、米国政府と摩擦が生じたが。
「韓国は北朝鮮問題において必ず米国など同盟関係にある強大国と共に動いてこそ利益がある。南北同士の和解は実現の可能性がない。北朝鮮が選択する可能性がないからだ。北朝鮮には政権の維持が焦眉の関心事だ。ところが韓国と和解をすれば莫大な経済的利益にはなるだろうが、北朝鮮政権の不安定性が強まる。韓国のために北朝鮮が変わるからだ。北朝鮮が韓国を通じてより良い暮らしをすることになれば政権が危うくなる」
--米国は覇権を維持できると思うか。
「そのような質問が出てくること自体が、米国が覇権を握っているという反証だ。すべての強大国は憎しみの対象だ。しかし米国は依然として世界で最も大きな単一経済を保有し、軍事力も最高水準だ。誰が何と言おうと、こうした強大国は気にかけない。滅びるとしても、それまでには非常に長い時間がかかるだろう」
--ブレグジットが韓国にもたらす含意は。
「多国籍連合体が恒久的であるという考えは間違いだ。同盟とは国益に基づく場合に限り有効だ。いかなる同盟であれ経済的な利益と国益なしにはいつでも瓦解することがあるということ、この点がブレグジットが韓国に与える教訓だ」
フリードマン氏はブレグジット直前の先月30日、中央日報のメールインタビューで「ブレグジットは欧州瓦解の最初のシグナルにすぎない」と断言した。ブレグジットが韓国に与える意味も大きいと強調した。フリードマン氏は「すべての同盟はいつでも瓦解する可能性があることをブレグジットは見せている」とし「他国と結ぶ同盟の基本である『自国の国益』がないと判断されれば、すべての同盟は終わりだ」と話した。70年前の韓国戦争(朝鮮戦争)で結んだ韓米血盟もいつでも終わる可能性があるという警告だ。
フリードマン氏の2015年の著書は最近、韓国語に翻訳され、『近づく欧州の危機と地政学』(キムアンドキムブックス)というタイトルで出版された。韓国語版の特別序文でフリードマン氏は在韓米軍の撤収の可能性に言及した。フリードマン氏は「米軍撤収の可能性を無視してはいけない」とし「米韓同盟は両国に共同利益を与えるが、両国の関係は互いに努力してこそ維持される」と強調した。南北関係については「北朝鮮には政権の維持が焦眉の関心事」とし「北朝鮮が韓国との和解を通じてさらに良い暮らしをすることになれば政権が危うくなり、恒久的な平和は不可能だ」と診断した。
フリードマン氏はハンガリー系米国人でコーネル大政治学博士を取得した。「影のCIA(米中央情報局)」とも呼ばれる米国の国際情勢専門シンクタンク「ストラトフォー」を1996年に設立し、2015年まで会長を務めた。現在はジオポリティカル・フューチャーズの会長を務めている。以下は一問一答の要旨。一部の内容は韓国語版の序文を反映した。
--在韓米軍撤収の可能性に言及したが、実際の可能性はどの程度か。
「今日の韓国は1950年当時の韓国とは違う。自国を守れるほど相当な地上軍兵力を保有している。宇宙軍のような新しい戦場でのみ(米国の)支援が必要だ」
--在韓米軍の撤収はトランプ大統領個人の問題を越えるという主張として聞こえる。
「同盟はこのように進化した現実を反映しなければいけない。1950年代の現実に凍結した同盟は米国には必要でない」
--韓米同盟の現住所に対する診断は。
「韓国の安全保障の土台は、米国が韓国について脅威を与える国として見ていないというところにある。もし米韓両国で世論が否定的に変わる場合、危険に直面する。韓国は特に北朝鮮問題では必ず米国と協調しなければいけない」
--最近、韓国政府が個別金剛山(クムガンサン)観光など南北協力を推進し、米国政府と摩擦が生じたが。
「韓国は北朝鮮問題において必ず米国など同盟関係にある強大国と共に動いてこそ利益がある。南北同士の和解は実現の可能性がない。北朝鮮が選択する可能性がないからだ。北朝鮮には政権の維持が焦眉の関心事だ。ところが韓国と和解をすれば莫大な経済的利益にはなるだろうが、北朝鮮政権の不安定性が強まる。韓国のために北朝鮮が変わるからだ。北朝鮮が韓国を通じてより良い暮らしをすることになれば政権が危うくなる」
--米国は覇権を維持できると思うか。
「そのような質問が出てくること自体が、米国が覇権を握っているという反証だ。すべての強大国は憎しみの対象だ。しかし米国は依然として世界で最も大きな単一経済を保有し、軍事力も最高水準だ。誰が何と言おうと、こうした強大国は気にかけない。滅びるとしても、それまでには非常に長い時間がかかるだろう」
--ブレグジットが韓国にもたらす含意は。
「多国籍連合体が恒久的であるという考えは間違いだ。同盟とは国益に基づく場合に限り有効だ。いかなる同盟であれ経済的な利益と国益なしにはいつでも瓦解することがあるということ、この点がブレグジットが韓国に与える教訓だ」
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