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【社説】湖北省旅行の外国人入国禁止、拡大も適正な時期に検討を=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナウイルス感染症が初めて発生した中国湖北省を過去2週間以内に訪問したすべての外国人の入国を4日午前0時から全面的に禁止すると韓国政府が昨日、発表した。中国人の済州道(チェジュド)ノービザ恩恵も一時的に中断される。新型コロナウイルスの国内確定患者は15人に増え、2・3次感染患者が続出するほどウイルスの拡散ペースが速いことを受け、政府が入国禁止という切り札を出したのだ。口蹄疫など家畜伝染病が発生した時も「スタンドスティル(Standstill)」を発令して人・家畜・物資の移動を一時中止したように、ウイルス拡散を統制するための今回の措置は不可避とみられる。

ただし、新型コロナウイルス事態以降、政府の対応ペースが専門家の指摘に比べてどれも一拍子ずつ遅れて国民の不安を大きくしたことは依然として大きな問題だ。今回の措置は済州を訪問した中国人が確定判定を受けたことから、元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州知事が「中国人に対して一時入国禁止措置を取ってほしい」と政府に公式要請した直後に講じられた。これに先立ち、大韓医師協会は先月26日、「政府は最悪のシナリオを仮定して中国から入国する人々に対する全面的な入国禁止措置なども準備するべきだ」と勧告した。最高の専門家が1週間前に対策を建議したが、政府はこれまで決定を下せずためらっていた。

韓国政府は世界保健機関(WHO)が先月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しながらも、移動・交易制限をしなかった点を挙げて、中国を旅行した外国人の入国制限措置に消極的だった。このため、中国の顔色を過度に伺っているのではないかという批判も受けた。中国国家移民管理局によると、今月1日基準で湖北省を含めて中国に訪問経験のある旅行客の入国禁止、ビザ制限、中国行き航空路線の中断措置を講じた国は24カ国にのぼる。実際、日本政府は韓国より2日はやい2日から湖北省に過去2週間滞在したすべての外国人の入国を拒否し、米国政府は入国拒否対象を中国全地域の訪問者に広げた。


湖北省旅行者だけを対象に入れた韓国政府の入国禁止措置が今後の拡散遮断に充分かどうかは未知数だ。新型コロナウイルスの震源地である武漢の人口が1100万人で、すでに500万人以上が中国の他地域と海外に移動した状況だ。韓国の学校に通う中国人留学生も7万人にのぼる。冬休みと春節(中国の旧正月)を機に中国に里帰りしていた人々が続々と韓国に戻ってきている。中国全域(31省・市・自治区)で患者が発生している状況ということで、湖北省以外の地域の確定患者数の増加推移を綿密に注目しながら、追加で入国禁止措置を拡大するかどうかも検討するべきだ。

こうした中、シン海明・駐韓中国大使が韓国政府が外国人の入国禁止措置を発表する前に公開的に反対の立場を明らかにして「内政干渉」という指摘を受けている。言うまでもなく、韓国政府は韓国民の生命と安全のために自主的・独自措置を講じる権利がある。もちろん中国は韓国の最大交易相手国で、昨年の人的交流が1000万人に迫るほど緊密な隣国だ。したがって湖北省に訪問したことのあるすべての外国人の入国禁止措置が中国人嫌悪にへんなふうに飛び火する事態になってはいけない。感情的対応は慎まなくてはならない。政府当局は事前に緻密な防疫対策を用意すると同時に、民族感情の刺激に伴って不必要な韓中葛藤が起きないように状況をうまく管理しなければならない時だ。



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