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【コラム】武漢肺炎で再点火…文在寅外交の中国隷属問題(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆空前絶後の「伝説の10年」

外交はリーダーシップの歴史観を投射する。教条主義理念政権の性向だ。康京和(カン・ギョンファ)長官の外交部は機能的役割にとどまる。文政権の歴史観は386世代(1990年代に30代で、1980年代の民主化運動にかかわった1960年代生まれ)左派運動圏式だ。その中で過去の米国・日本関係は恥ずかしい従属だ。歴代大統領の外交の蓄積は解体される。文大統領の意志は自主だ。「わが民族の運命は自ら決めなければいけない」。その適用は選別的だ。米国・日本に対しては厳格だ。中国には柔軟だ。文大統領は「韓中は運命共同体」と言った。文政権は中華秩序に編入している。在韓米軍撤退論は現実として近づく。

その歴史観の弱点は深刻だ。構成は粗雑だ。文大統領の視点はこうだ。「韓国と中国は近代史の苦難を共に経験して克服した同志だ」。近代は中国にとって悪夢だ。西欧列強は「屈辱の100年」を抱かせた。「共に克服」は日本の侵奪だ。その歴史は大切に共有しなければいけない。しかしその反対の苦痛の場面は明確だ。中国(清国)は腹いせに出た。対象は無力な朝鮮だ。


1882年の壬午軍乱だ。清国は朝鮮に軍隊を送った。大院君(デウォングン)は中国に連れられて行った。朝鮮は属国に転落した。イ・ヤンジャ東義大名誉教授は整理する。「1880年代は朝鮮が自力で近代化できるゴールデンタイムだった。朝鮮に君臨した袁世凱はその黄金の10年の機会を剥奪した」 (『監国大臣 袁世凱』)

痛恨のその状況は高宗(コジョン)のワシントン公使館にある。2018年5月、公館は歴史博物館として開館した。再買収・復元工事から6年後だ。その記念式に文大統領も出席した。公使館(現在の大使館)は悲運の歴史を保管する。乙巳勒約の時だ。日本はその建物を強奪した。公使館は高宗の自主外交を象徴する。自主の最初の叫びは清国に対する抵抗だ。袁世凱は高宗のワシントン外交を妨害した。袁世凱は稚拙な「ヨン約三端(3つの特別約束)」で圧力を加えた。「朝鮮公使は清国公使の下の位置、清国公使の案内と重大懸案の事前協議だ」。初代公使の朴定陽(パク・チョンヤン)は困惑した。しかし賢く屈辱を乗り越えた。

文在寅政権の序盤期だ。THAAD(高高度防衛ミサイル)問題は繕われた。文政権は中国に「3不約束」をした。内容は「THAAD追加配備なし、米ミサイル防衛システム不参加、韓日米軍事同盟不可」だ。安保主権の自主的放棄疑惑が浮上した。しかし中国は限韓令を維持する。中国指導部は北朝鮮の核武装を黙認する。

◆屈辱「THAAD3不」と抵抗「ヨン約三端」

「THAAD3不」と「ヨン約三端」の風景は対照的だ。朝鮮は弱くて貧しかった。しかし高宗は自主の突破口を絶えず模索した。朴定陽は独立国の外交官の気概を守った。21世紀の韓国は富国強兵を成し遂げた。しかし文政権の対中姿勢は小さくて卑屈だ。

中国は経済大国だ。産業化の次は民主化だ。しかし中国はその道を進まない。国政アジェンダの優先順位は違う。中国指導層は切歯腐心する。それは屈辱の100年に対する復讐だ。中国の夢はその目標のスローガンだ。一帯一路と軍事崛起は手段だ。政治的統制と隠蔽は巧妙になった。中国の夢は韓半島に投射される。それは日清戦争前への帰還だ。焦点は中国の独占的影響力の復活だ。

文政権の外交は沼に落ちた。自発的な中国隷属という批判は蓄積された。それは均衡感覚の喪失のせいだ。歴史観から修正する必要がある。中国との交流は緊密でなければいけない。しかし過度な礼節は禁物だ。過度な謙譲も誤りだ。

28日の文大統領の特徴はマスクだ。その姿は徹底的な防疫の意志を表す。しかし国民の不信感と不安は続く。そのような集団心理には「中国意識外交」批判も込められている。外交と内政は絡んで進行する。武漢肺炎事態はその独特の事例として記録される。

パク・ボギュン/論説委員


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