中西寛・京都大教授
中西教授は「安倍首相がトランプ大統領との直接対話を通じて衝撃を緩和するクッションの役割をし、米国の真意を探索した」と伝えた。続いて「トランプ大統領が再選すれば何をしようとするかは誰も予測できない」とし「在韓米軍の撤収を含め、米韓同盟と日米同盟を根本的に変えるという可能性もゼロではない」と憂慮した。
--米国第一主義は続くだろうか。
「トランプ政権が続く限り変化はないだろう。民主党が執権すれば、トランプ大統領のように従来の秩序を正面から壊すことはないが、軍事的な役割縮小、保護貿易の傾向は続くだろう」
--自衛隊を中東に独自派遣した。
「日本は米国主導の連合体には入らなかったが、自衛隊を派遣して米国に誠意を表示し、イランとのチャンネルも維持する妥協点を見いだした」
--国民は日米関係を支持するのか。
「国民の考えは、米中の対立の中では当然、米国と協力すべきだというものだ。米国一辺倒だ。米国大統領が平凡な大統領ではないため、米国との関係維持がさらに重要だという点も知っている」
--韓国は防衛費分担金で圧力を受けている。
「米国が日本に防衛費分担金を4倍、5倍出すよう要求する場合、(法律・制度で)根拠がない部分まで、例えば米軍兵士の給料まで負担することはできない。分担金を4倍に引き上げることはないはずだ。米国産武器の購買を増やし、基地移転費や訓練費用負担を増やす選択をするだろう」
--米中対立の局面で日本の戦略は。
「『米国か中国か』という選択では米国しか答えがない。しかし財界では『中国との関係も安定的に維持していこう』という意見がある。習近平主席の国賓招請もこうした脈絡だ。今まで8対2だったなら、これを7対3に持っていくということだ」
--韓国はどうすべきだろうか。
「日本とは地政学的な位置が異なり『米国一辺倒』は難しい。それでも5対5でバランスを取ろうとすれば、日米双方から圧力を受けやすい。軸を一方(米国)に置いてこそ、ほかの国(中国)との関係でも方向性が出てくる。軸を中国に置けば韓国の戦後アイデンティティーも変わる。中国と同じ政治体制になるのは韓国人も望まないはずだ」
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