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韓国経済、踏み入れたことのない道に入った

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2019年の経済成長率、2.0%。韓国経済が最悪の成績表を受け取った。韓国政府は「市場の心理的マジノ線を守り抜いた」〔洪楠基(ホン・ナムギ)経済副相〕と評価した。しかし、2.0%の中にある含意はそれほど簡単ではない。

以前も年間成長率が2.0%に満たないことはあった。世界的な金融危機直後の2009年に1%未満に下がったし、通貨危機の衝撃を受けた1998年にはマイナス成長も経験した。しかし、昨年の2.0%は大型の悪材料もない状態で取った成績だ。米中貿易紛争、半導体景気の不振が1年を通して負担になったとはいえ通貨危機、金融危機とは比較にならない。

1960年代から90年代まで韓国経済は年に7.3~10.5%ずつ高速成長した。2000年代まで、年平均4.9%を維持した。しかし2010年以降、成長動力が急激に落ちた。高速成長を牽引した主力産業が揺らいだが、これといった代案を見つけることができなかった。少子・高齢化という構造的な難題が本格的に成長の足を引っ張り始めたのがこの頃だ。2010年代の年平均成長率は3.3%だが、金融危機の反動で6.8%成長した2010年を除けば、すでに2%台だ。


最近は更に悪かった。5年のうち4年が2%台だ。そうするうちに、最終的に2.0%になった。漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「短期不振ではなく傾向的下落と解釈するのが自然だ」とし「低成長を懸念していた時期から低成長が当たり前の時期に行くというサインかもしれない」と述べた。韓国としては一度も踏み入れたことのない道に入ったわけだ。

低成長は全く予想できなかったわけではない。現代経済研究院の分析によると、1990年代までに7%台だった韓国の潜在成長率は2016年~2020年に2.5%に下落した。韓国銀行は2019年~2020年の潜在成長率を2.5~2.6%程度とみている。機関別に差はあるが、2026年以降1%台に低下するという点では意見に大きな相違はない。

潜在成長率は国が持っている労働と資本、生産性を総動員して実現できる成長率の最大値だ。これが低くなるということは基礎体力が弱まったことを意味する。潜在成長率を引き上げなければ雇用創出も、収入を増やすことも、ますます高まる福祉の需要を満たすことも不可能だ。しかし、政策は逆行した。延世(ヨンセ)大学経済学科の成太胤(ソン・テユン)教授は「労働市場の非効率性を改善することが重要な課題だが、むしろ一方的な労働時間の短縮、急激な最低賃金の引き上げなど直接労働市場に介入して状況を悪化させた」と指摘した。

短期対策に依存した側面もある。昨年の成長率2.0%のうち1.5%ポイントは政府の役割だった。2009年以来、10年ぶりに政府の成長寄与度が民間の成長寄与度(0.5%ポイント)を超えた。キム教授は「景気循環の観点から、不況の際に政府が支出を増やすのは正しいが、ほとんど福祉に集中して新しい産業や人材を育てる投資が適切に行われなかった」とし「民間の投資意欲を高められるような政策的支えも十分でなかった」と述べた。

急降下する潜在成長率を食い止めるのは容易でない。まず、労働の側面では少子・高齢化が足を引っ張る。少なくとも20年以上韓国経済をむしばむ怪物だ。経済規模が大きくなったせいで、以前のように資本投入が大幅に増えることを期待することも難しい。結局は経済全般の構造改革により生産性を高めなければならないというのが専門家の共通した意見だ。

成教授は「政府の財政で成長率の数値を増加させるのではなく、すぐには目に見えなくても長期的な対策を取ることが、政府が本当にやるべきこと」とし「各種規制と参入の壁を緩和し、新産業育成のための緻密な計画から立てなければならない」と述べた。



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