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太永浩元駐英北朝鮮公使「李容浩氏の解任、金正恩委員長の不安心理が反映」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮開城(ケソン)市板門(パンムン)駅で開かれた南北東西海では鉄道・道路連結および現代化事業着工式に参加した李善勧祖国平和統一委員長が席を離れながら手を振っている。[写真 共同取材団]

北朝鮮の外交を総括する外相が李容浩(イ・ヨンホ)氏から李善勧(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会(祖平統)委員長に交代された中で、太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の不安な心理が反映されたとみられると分析した。戦略的に考えずに即興的に下された決定であり、これは北朝鮮外交はもちろん韓半島(朝鮮半島)の状況にも悪影響を及ぼす可能性があるという評価だ。

太氏は19日、自身のブログに「李容浩外相の更迭からみた金正恩の不安心理」という文章を通じて「今回の人事は具体的な戦略や緻密な打算によるものではない」と主張した。同時に、「遅々と進まない米朝交渉に突破口が作られないから、ひょっとして指令塔でも変えれば奇跡が起こるのではないかと思う金正恩氏の期待感と即興的な決心の結果」と付け加えた。

今回の人事が知らされると専門家らは概して北朝鮮が米朝関係、南北関係の大転換を念頭に置いた「戦略的」人事の措置を取ったとと評価した。だが、太氏は「北朝鮮のある局面転換と見なすような拡大解釈は避けてほしい」と強調した。


太氏は昨年末北朝鮮外務省が一連の脅迫の発言をしたことに触れ「これは北朝鮮外務省の主導的なアイディアにともなう措置というよりは金正恩氏の神経質とうっぷん晴らしをなだめるための『機嫌を取る措置』だった可能性が大きい」とした。

引き続き「金正恩氏としては焦燥感に追われて外務省が米国に可能な脅迫をすべてやってみるように指示したが、実際にすべてをやってみても米国が変わらないから『姑の怒りに犬のわき腹を蹴る』という北朝鮮のことわざのように、うっぷん晴らしを李容浩氏にしたこと」と話した。

太氏は「怒りが収まらなかった金正恩氏はすでに昨年党全員会議を開催して李容浩氏を交代することを決心し、党政治局委員と外相職から解任したようだ」として「今回李善勧氏が不本意に外相についたが、彼にも米国を動かす妙策はないだろう」と明らかにした。

また「今後1~2年内にこれといった対応策を打ち出すことができなければ、彼もやはり更迭されるだろう」とし、「今回北朝鮮外相の更迭を北朝鮮のある局面転換と見なすような拡大解釈は避けてほしい」と強調した。太氏「李容浩氏の更迭を見て驚いた北朝鮮の外交官らはそれぞれ過剰忠誠を見せようとするだろう」としながら「外交が専門性から抜け出して過剰忠誠の競争につながれば、行方が分からなくなるだろう」と主張した。

これに先立ち、北朝鮮専門メディアのNKニュースは18日、李外相の交代事実を伝えて李善勧氏が後任に内定したと報じた。

人民軍大佐出身である李善勧氏は南北軍事実務会談代表を務めたが、2010年代祖平統委員長になって南北高官級会談北側首席代表を引き受けてきた。彼は2018年9月平壌(ピョンヤン)で開かれた南北首脳会談当時、玉流館(オクリュクァン)で午餐会の途中に韓国経済人に「冷麺がのどに通るか」という暴言を吐いて論議を呼んだ。1カ月後には平壌を訪れた趙明均(チョ・ミョンギュン)当時統一部長官が会議場に5分程度遅れると「時計も観念がなければ主人(趙長官)に似てあのようになる」とも話した。



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