北朝鮮の個別観光許容をめぐる論争がますます増幅されている。特にハリー・ハリス駐韓米国大使がこれに対する留保的立場を明らかにしながら、それに対する人身攻撃性の批判まで相次いでいる。韓米同盟にも少なくない傷をつける勢いだ。
韓国政府は、個別観光の場合、国連制裁に抵触しないため、全く問題になるものはないという論理を展開している。個別観光というテコを使って、沈滞に陥った南北交流に活気を吹き込むという腹積もりのようだ。そうしてこそ急に途切れた米朝対話も再開する動力が生まれるという立場だ。我々が北朝鮮問題を主導的に解決していかなくてはならないという「韓半島(朝鮮半島)運転者論」的発想だ。
北朝鮮の個別観光が国連の制裁対象から外れたのは事実だ。中国観光客が群れをなして北朝鮮観光地に集まるのもこのためだ。それでも何の条件もなく個別観光を許すことは慎重に考えるべきだ。2018年初めに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が非核化の用意があると宣言して以降、まだ核兵器やミサイルは一つも廃棄されていない。その間、米国を中心とした国際社会は北朝鮮の非核化を引き出すために強力な経済制裁を推進してきた。たとえ国連制裁には含まれていなくても、個別観光を許可した場合、国際社会の対北朝鮮共助に大きな穴を開くのは明らかだ。個人的旅行費は少なくても、これがちりのように積もれば、日照りの中の恵みの雨のような少なくない収入源になることは明らかだからだ。
このような懸念の中にも、韓国政府が是が非でも個別観光を緩和するというのなら、これに対して少なくとも北朝鮮側から相応の意味ある措置を引き出すべきだ。核実験施設閉鎖にしろ、軍事訓練縮小にしろ、中身のある事案ならば何でもよい。そうではなくて口だけで個別観光を許容するのなら、もう一つの屈辱外交、バラマキ論争から抜け出すことはできない。そのうえ、韓国が個別観光を許容したからといって、北朝鮮がこれを受け入れるかも未知数だ。
もし北朝鮮が鼻でせせら笑ってこれを拒否する場合、このような大きな恥さらしも他にない。たとえ北朝鮮が韓国の観光客を受け入れることにしたとしても、これと観光客の身辺安全をどのように保障するかはまた別の難題だ。私たちには、2008年金剛山(クムガンサン)に行った女性観光客が北朝鮮軍に殺害された悪夢のような記憶がある。韓国観光客が中国団体観光団に間に入って北朝鮮に行って被害に遭った場合、誰がどのように責任を負うのかも明確にしなければならない。
このように少なくない問題で、ハリス大使が「金剛山など北朝鮮の個別観光をするには、韓米ワーキンググループを経なければならない」と明らかにしたことは、全体の脈絡から見たとき十分にありえることだ。軍人出身である彼が、もう少し洗練された外交的話法で我々の感情を刺激しすぎないでいたならもっと事は穏便だったはずだ。だが、それでも「内政干渉」「朝鮮総督」を云々しながらハリス大使を追い詰めることは同盟国外交使節に対する礼儀ではない。政府と与党は北朝鮮の個別観光許容について慎重に検討し、幼稚なハリス大使バッシングを直ちにやめなければならない。
韓国政府は、個別観光の場合、国連制裁に抵触しないため、全く問題になるものはないという論理を展開している。個別観光というテコを使って、沈滞に陥った南北交流に活気を吹き込むという腹積もりのようだ。そうしてこそ急に途切れた米朝対話も再開する動力が生まれるという立場だ。我々が北朝鮮問題を主導的に解決していかなくてはならないという「韓半島(朝鮮半島)運転者論」的発想だ。
北朝鮮の個別観光が国連の制裁対象から外れたのは事実だ。中国観光客が群れをなして北朝鮮観光地に集まるのもこのためだ。それでも何の条件もなく個別観光を許すことは慎重に考えるべきだ。2018年初めに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が非核化の用意があると宣言して以降、まだ核兵器やミサイルは一つも廃棄されていない。その間、米国を中心とした国際社会は北朝鮮の非核化を引き出すために強力な経済制裁を推進してきた。たとえ国連制裁には含まれていなくても、個別観光を許可した場合、国際社会の対北朝鮮共助に大きな穴を開くのは明らかだ。個人的旅行費は少なくても、これがちりのように積もれば、日照りの中の恵みの雨のような少なくない収入源になることは明らかだからだ。
このような懸念の中にも、韓国政府が是が非でも個別観光を緩和するというのなら、これに対して少なくとも北朝鮮側から相応の意味ある措置を引き出すべきだ。核実験施設閉鎖にしろ、軍事訓練縮小にしろ、中身のある事案ならば何でもよい。そうではなくて口だけで個別観光を許容するのなら、もう一つの屈辱外交、バラマキ論争から抜け出すことはできない。そのうえ、韓国が個別観光を許容したからといって、北朝鮮がこれを受け入れるかも未知数だ。
もし北朝鮮が鼻でせせら笑ってこれを拒否する場合、このような大きな恥さらしも他にない。たとえ北朝鮮が韓国の観光客を受け入れることにしたとしても、これと観光客の身辺安全をどのように保障するかはまた別の難題だ。私たちには、2008年金剛山(クムガンサン)に行った女性観光客が北朝鮮軍に殺害された悪夢のような記憶がある。韓国観光客が中国団体観光団に間に入って北朝鮮に行って被害に遭った場合、誰がどのように責任を負うのかも明確にしなければならない。
このように少なくない問題で、ハリス大使が「金剛山など北朝鮮の個別観光をするには、韓米ワーキンググループを経なければならない」と明らかにしたことは、全体の脈絡から見たとき十分にありえることだ。軍人出身である彼が、もう少し洗練された外交的話法で我々の感情を刺激しすぎないでいたならもっと事は穏便だったはずだ。だが、それでも「内政干渉」「朝鮮総督」を云々しながらハリス大使を追い詰めることは同盟国外交使節に対する礼儀ではない。政府と与党は北朝鮮の個別観光許容について慎重に検討し、幼稚なハリス大使バッシングを直ちにやめなければならない。
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