ルノーサムスン自動車が真っ暗なトンネルを抜け出せずにいる。筆頭株主のルノー・日産アライアンスが国内外の悪材料の中でふらついているうえ、数年間続いている労使紛争も生存を脅かしているからだ。労働組合の「ゲリラスト」とこれに対抗する使用者側の部分職場閉鎖で労使双方は激しく対決している。
ルノーサムスン車労働組合は2019年の賃金交渉過程で基本給引き上げをめぐり使用者側と隔たりが埋まらず、先月20日からストライキに入った。新年に入ってストライキをひとまず解除したが、今度は「ゲリラスト」に戦術を変えた。
労働組合がゲリラストをするのは、スト参加率が落ちて「闘争動力」を失っているからだ。スト参加率は先月31日に30.1%に落ち、10日には歴代最低の25.7%となった。
ストの効果を最大化するため労働組合は奇襲的にストを公示し、工程別に操業を拒否するゲリラストを始めた。自動車工程の特性上、特定の工程で支障が発生すれば残りの工程が正常稼働しても生産できないからだ。今回のストでルノーサムスン車は自動車およそ6000台、1200億ウォン(約113億円)の生産損失を出した。
会社側は生産被害を防ぐため10日から夜間組の勤務を中断し、昼間1交代体制に転換した。部分職場閉鎖で労働組合員も出入りできないようにしている。ルノーサムスン車の関係者は「11日の土曜特別勤務で普段の昼間の生産量を回復し、月曜日の13日にも正常に昼間の生産をする方針」と伝えた。
問題はルノーサムスン車の危機状況に解決策がない点だ。ルノーサムスン車は2016年以降、国内生産の新車を出せていない。2012年に労働組合の同意で大規模なリストラをしたルノーサムスン車は2016年の新車販売で業績が一時的に改善したが、その後は販売台数が減り続けている。
輸出の大半を占めていた日産ローグの委託生産も昨年終了した。今年からクロスオーバーモデルのXM3を国内で生産する予定だが、欧州輸出分の配分を受けることができない場合、年間9万台にも達しない国内市場で持ちこたえなければいけない。ルノーサムスン車の釜山(プサン)工場は年間30万台の生産能力を備えているが、この数年間は内需と輸出を合わせて約20万台の生産にとどまった。
大株主のルノー・日産アライアンスも経営の混乱でルノーサムスン車を十分に支援できていない。2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕以降、ルノーと日産の対立が深まって経営が混乱した。ルノー、日産ともに昨年は販売台数と純利益が2けた減少となった。
こうした状況で労使対立と国内販売不振に苦しむルノーサムスン車が危機状況を打開するのは容易でないというのが業界の分析だ。ルノーサムスン車はひとまず今年1-3月期から販売するXM3の欧州輸出を最優先課題としている。
XM3はロシア戦略モデルのルノーアルカナとプラットフォームを共有するが、便宜装備と先端技術はさらに強化した。しかし労使対立が続いて生産コストが増え続ければ、他のグローバル生産拠点に物量を奪われることも懸念される。
今月末にはルノーグループのホセビセンテ・ロス・モソス製造・供給総括副会長が訪韓し、釜山工場の生産現況を点検する予定だ。モソス副会長の訪問は年初のグローバル生産拠点点検だが、XM3の配分にも影響を及ぼすと予想される。近いうちにルノーグループ新会長に選任される可能性もあり、今後の経営判断によってルノーサムスンの命運が決まるとみられる。
ルノーサムスン車労働組合は2019年の賃金交渉過程で基本給引き上げをめぐり使用者側と隔たりが埋まらず、先月20日からストライキに入った。新年に入ってストライキをひとまず解除したが、今度は「ゲリラスト」に戦術を変えた。
労働組合がゲリラストをするのは、スト参加率が落ちて「闘争動力」を失っているからだ。スト参加率は先月31日に30.1%に落ち、10日には歴代最低の25.7%となった。
ストの効果を最大化するため労働組合は奇襲的にストを公示し、工程別に操業を拒否するゲリラストを始めた。自動車工程の特性上、特定の工程で支障が発生すれば残りの工程が正常稼働しても生産できないからだ。今回のストでルノーサムスン車は自動車およそ6000台、1200億ウォン(約113億円)の生産損失を出した。
会社側は生産被害を防ぐため10日から夜間組の勤務を中断し、昼間1交代体制に転換した。部分職場閉鎖で労働組合員も出入りできないようにしている。ルノーサムスン車の関係者は「11日の土曜特別勤務で普段の昼間の生産量を回復し、月曜日の13日にも正常に昼間の生産をする方針」と伝えた。
問題はルノーサムスン車の危機状況に解決策がない点だ。ルノーサムスン車は2016年以降、国内生産の新車を出せていない。2012年に労働組合の同意で大規模なリストラをしたルノーサムスン車は2016年の新車販売で業績が一時的に改善したが、その後は販売台数が減り続けている。
輸出の大半を占めていた日産ローグの委託生産も昨年終了した。今年からクロスオーバーモデルのXM3を国内で生産する予定だが、欧州輸出分の配分を受けることができない場合、年間9万台にも達しない国内市場で持ちこたえなければいけない。ルノーサムスン車の釜山(プサン)工場は年間30万台の生産能力を備えているが、この数年間は内需と輸出を合わせて約20万台の生産にとどまった。
大株主のルノー・日産アライアンスも経営の混乱でルノーサムスン車を十分に支援できていない。2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕以降、ルノーと日産の対立が深まって経営が混乱した。ルノー、日産ともに昨年は販売台数と純利益が2けた減少となった。
こうした状況で労使対立と国内販売不振に苦しむルノーサムスン車が危機状況を打開するのは容易でないというのが業界の分析だ。ルノーサムスン車はひとまず今年1-3月期から販売するXM3の欧州輸出を最優先課題としている。
XM3はロシア戦略モデルのルノーアルカナとプラットフォームを共有するが、便宜装備と先端技術はさらに強化した。しかし労使対立が続いて生産コストが増え続ければ、他のグローバル生産拠点に物量を奪われることも懸念される。
今月末にはルノーグループのホセビセンテ・ロス・モソス製造・供給総括副会長が訪韓し、釜山工場の生産現況を点検する予定だ。モソス副会長の訪問は年初のグローバル生産拠点点検だが、XM3の配分にも影響を及ぼすと予想される。近いうちにルノーグループ新会長に選任される可能性もあり、今後の経営判断によってルノーサムスンの命運が決まるとみられる。
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