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D-200迎えた東京五輪、放射能問題は本当にないのだろうか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2019年上半期の放射能汚染地図。放射能濃度が、東京の北側まで福島周辺地域と同じくらい高まった様子がうかがえる。[資料 ティルマン・ラフ・メルボルン大学教授]

◆97キロの距離のあづま球場、台風が近づけば…

国際オリンピック委員会(IOC)は、日本政府の要請により、野球とソフトボールの一部競技を福島のあづま球場で開くことにした。福島原発から97キロの距離だ。サッカーの試合が開かれる宮城県の宮城スタジアムは約118キロ離れている。事故原発からそれほど離れていないところで人気種目の競技が行われる。

これらスタジアムの近くで測定された放射能数値は公開された資料があまりなかった。あづま球場を管理する福島県都市公園・緑化協会が毎月測定している放射能数値を確認した結果、概ね毎時0.2マイクロシーベルトを超えない水準だった。


だが、環境団体は安心できないと主張した。グリーンピースが昨年10月に原発から約20キロ離れた浪江町を測定した結果、放射能濃度が最高毎時90マイクロシーベルト(高さ10センチ)に達した。立入禁止区域であるここは森の近くにあるが、除染作業をしても、雨が降れば森から除染されていない土砂が流れてきて濃度が高まる。

グリーンピース側は「あづま球場も山に囲まれた地域にあり、五輪期間は台風と雨の多い時期」と懸念した。五輪期間、放射能に汚染された土が競技場周辺にも流れてくる可能性があるという警告だ。実際、昨年台風19号が通過した後、除染作業を終えた場所の放射能数値が2000倍程度高まった事例がある。

◆244キロ離れた東京は毎時1マイクロシーベルト未満

東京五輪は東京新宿の「新国立競技場」とあわせて全国42カ所の競技場で、33種目339個の金メダルをかけて競技が行われる。42カ所の競技場のうち、野球・ソフトボール(あづま球場)、サッカー(宮城スタジアム、札幌ドーム)を除く39カ所は東京メインスタジアムから2時間以内の距離にある。

東京メインスタジアムは福島原発から244キロ離れている。放射能流出地域とはある程度距離があるほうなので比較的放射能の影響が少ないものとみられる。

だが、反核団体のメンバーたちは安心できないと主張する。2017年にノーベル平和賞を受賞した反核団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(iCAN)」のティルマン・ラフ会長(オーストラリア、メルボルン大学教授)は昨年11月、「現在、放射能が千葉・埼玉など福島西側、南西側にのびているだけでなく、東京北側も汚染度が高い」と明らかにした。東京市民が直接採取・測定した土から毎時0.443マイクロシーベルトの線量が測定されたことがある。

◆政府に対する不信感で「セルフ測定」を始めた日本の人々

東京五輪をめぐって放射能論争の絶えない理由の一つは、日本政府の制限された情報公開だ。日本の情報は「福島は安全だ」という言葉を繰り返すだけで福島地域の具体的な放射能データを明らかにしないでいる。

政府に不信感を抱く日本の人々は直接放射能計測器を手にして周辺地域を測定している。原発事故以降、地域別に結成された市民団体が、住民が測定した放射能データの収集や地域保健当局が測定した数値の公開をしている。最も有名な団体「みんなのデータサイト」は食品・土壌・水を測定した資料を集めて地図で提供している。

国際環境団体も日本政府の情報公開と積極的な対策を促している。グリーンピースのチャン・マリ・キャンペーナーは「日本政府は依然として放射能に対して十分な対応をしていないのに、オリンピックを福島再建に利用しようとしている」と批判した。


D-200迎えた東京五輪、放射能問題は本当にないのだろうか(1)

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