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韓国政府、イランに支払う750億ウォン「ISD敗訴金」…米国の制裁のため方法なし

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が先月、イランのダヤニ一族が提起した国家・投資家訴訟(ISD)で敗訴した後、750億ウォン(約69億円)を支払う方法がなく悩んでいる。消息筋によると、米国の制裁を回避すると同時にイランとの関係も考慮し、政府は海外送金の代わりに賠償金を国内投資に回す案を模索している。

◆開始も終わりもイラン制裁が障害

米国とイランの間に挟まれた韓国政府の事情はこうだ。イランのダヤニ一族は2010年に大宇エレクトロニクス買収を進めた。しかし同年、米国のイラン制裁施行などの影響でダヤニ側が買収額を引き下げようとすると、韓国の債権団はこれを根拠に契約を破棄し、契約金(578億ウォン)も返さなかった。これに対しダヤニ一族は韓国政府を相手にISD訴訟を提起し、仲裁裁判を経て先月、韓国側の敗訴が最終的に確定した。その間の遅延利子200億ウォンを含めて韓国が支払うべき金額は約750億ウォンとなった。


問題は適当な支払い方法がないという点だ。2018年5月に米国はイラン核合意(JCPOA、包括的共同行動計画)を離脱し、同じ年に「イラン金融制裁規定(IFSR)」を全面的に復元した。イラン中央銀行および50の銀行・金融機関を制裁対象とし、外国金融機関が米国の金融機関を通じてイランと金融取引をしてはならないというのが核心だ。

◆「ワンポイント」イラン制裁免除を申請したが

韓国外交部は先月、ユン・ガンヒョン経済外交調整官を米国に派遣し、この件に関連して「ワンポイント」制裁免除を米国政府に要請した。賠償金を支払っても米財務省外国資産管理局(OFAC)レベルで問題はないという保証を受けるためだった。また外交部は昨年5月から凍結された国内都市銀行のイラン中央銀行韓国ウォン決済口座のうち人道的支援など特定項目への制裁も免除してほしいという要請もしたことが分かった。

しかしこの1カ月間に米国とイランの関係は軍事的衝突にまで拡大した。このため「米財務省の保証」は難しい雰囲気だ。「OFACの免除を期待するのは最後の手段」という声が出ている。米政権は対北朝鮮制裁関連の特別免除をしたことはあるが、イランに対しては非常に強硬な立場という。

◆ドルのう回路を模索

イランのダヤニ一族は米国の直接制裁リストに含まれていない。直接制裁よりも怖いのが金融機関の「セカンダリーボイコット」だ。イラン制裁上「米国の金融機関を通すな」という言葉は、イランとドルベースの取引をできないということだ。韓国は為替取引で韓国ウォンをイラン貨幣リヤルで送金するためには「韓国ウォン→ドル→リヤル」とドルを通じて送金しなければいけない。この過程で必ず米国の銀行や金融機関を経由することになる。

米国の金融機関を経由する過程でダヤニ側が受けた金額の一部でも後にイラン本国に流れれば、問題になるおそれがある。国内都市銀行の立場では米国のセカンダリーボイコットを懸念するしかない。最悪の場合、2005年のバンコ・デルタ・アジアの場合のように銀行が閉鎖に追い込まれるケースもある。韓国政府は唯一ドルを通さず直接両替が可能な「韓国ウォン・中国人民元取引市場」も検討したが、活性化していないため排除したという。

◆韓国の「イラン制裁例外国」は昨年終了

韓国は米国がイラン制裁を復元する過程で財務部に6カ月間の例外国適用を受けたことがある。ドル取引がふさがる場合、イランに原油の輸入を依存する韓国としては経済的に大きな打撃を受けるおそれがあったからだ。当時、韓国や中国など8カ国が一時的にイラン制裁例外国となった。

ここで核心的なのが「韓国ウォン決済口座」だった。韓国の都市銀行にイラン中央銀行名義の口座を開き、石油輸入代金をイランに送金する代わりに韓国企業のスマートフォン・家電など輸出代金を相殺する方式で韓国ウォン決済ができるようにしたのだ。しかし昨年5月から米財務省はこれも認めていない。米国はポンペオ国務長官が「イランの原油輸入をゼロにする」と公言するなど、イランに対する圧力を最大限に強めた。米国は昨年11月からイラン中央銀行を制裁リストに含めた。

◆韓国、イラン資金の国内消化を誘導

苦肉の策として韓国はダヤニ側に韓国ウォン口座を開設し、子会社がこれを国内で消化する方式を提案する計画という。イランの資金が韓国の外に出ていかないのが最も安全だが、とはいえ国際仲裁裁判の決定を無制限に先延ばしすることもできないからだ。政府当局者は「韓国としては米国も重要だが、イランとの関係も重要だ」とし「ダヤニ側に(賠償金を)できる限り早期に支払わなければいけないという共感がある」と述べた。



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