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金正恩氏、新年の辞だけしなかった? …謎の行動は一つや二つだけではなかった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
執権以降、正常国家イメージを追求してきた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による年末年始の「破格」な行動が続いている。1日、毎年行ってきた肉声の新年の辞を労働党全員会議(第7期5次)の報告を要約した内容に代えたことに続き、慣行を破る行動が相次いでいる。韓国政府当局者は2日、「北朝鮮が新年の辞を出さなかったり(1957年)、最高人民会議の施政演説(86年12月30日)を新年の辞に代えたことはあるが、党関連行事の報告を新年の辞に代えたのは今回が初めて」と説明した。

◆写真のない金委員長の公開活動報道

金委員長の破格の行動は2日にも続いた。金委員長は金日成(キム・イルソン)主席(4月15日)・金正日(キム・ジョンイル)総書記(2月16日)の誕生日や忌日、国家記念日などに錦繻山(クムスサン)太陽宮殿を参拝してきた。特に新年初日に金日成主席・金正日総書記の遺体が安置されている錦繻山太陽宮殿参拝を新年最初の公式日程にして、これを当日に北朝鮮メディアを通じて知らせてきた。


ところが今年は一日遅れた2日に労働新聞や朝鮮中央通信などを通して関連のニュースを伝えた。参拝日を明らかにしなかった。加えて2日午後現在、写真さえ公開していない。韓国政府当局者はこれについて「北朝鮮は金委員長の公開活動はいつも写真と一緒に報道してきた」とし「この日、関連するニュースを伝えながらも写真を省略した背景を把握中」と伝えた。

◆超憲法的全員会議決定

何より先月31日に断行した人事は超憲法的な措置だという指摘がある。労働党規約は「全員会議は該当時期、党の前に立ち向かう重要な問題を討議決定し、党中央委員会政治局と政治局常務委員を選挙し、党中央委員会副委員長を選挙し、政務局を組織し、党中央軍事委員会を組織し、党中央委員会検閲委員会を選挙する」と規定している(第26条)。全員会議を通じて党高位職の人事を断行するということだ。

ところがこの日の人事では党政治局委員など党の主要職務だけでなく、国家計画委員長(キム・イルチョル)、石炭工業相(チョン・ハクチョル)、文化相(チョン・ミョンシク)、国家科学院長(キム・スンジン)ら国家機関の幹部を新たな人物として交代した。北朝鮮の憲法(第91条10項)によると、内閣副首相や委員長、相、その他の内閣成員は最高人民会議で任命するよう規定している。全員会議で超憲法的な「措置」を取ったといえる。

韓国国家安保戦略研究院のイ・ギドン首席研究委員は「北朝鮮は党優位国家ではあるが党の規約や憲法により国を運営している」としながら「党の規約・憲法を修正しないで全員会議で国家機関の幹部を任命したのは異常」と分析した。

◆老・壮・青の調和はない?

自身のスイス留学時期の後見人だった李洙ヨン(イ・スヨン)氏(80)をはじめ、太鍾守(テ・ジョンス)氏(84)、金平海(キム・ピョンヘ)氏(79)、脳卒中を患っている朴光浩(パク・グァンホ)氏(出生年度不詳)ら80歳前後の元老を退陣させたのも特徴だ。韓国国民大学の全賢俊(チョン・ヒョンジュン)兼任教授は「北朝鮮は老・壮・青の調和を重要視し、老将の経験と壮年の判断、青年の意欲をバランスよく活用してきた」と話した。全教授は続いて「そうしてみると金日成、金正日ら最高指導者の側近は死ぬまで現職を維持したが、金委員長が今回の人事を通じて老将を後に置いたのは以前とは異なる姿」と説明した。彼らが完全に退いたのか、それとも水面下の役割を果たしているのかはまだ把握されていないが、延亨黙(ヨン・ヒョンムク)総理のようにがん闘病生活を続けながらも死ぬまで現職を維持するという慣習が消えたということだ。

一方、昨年4月に統一戦線部長に任命されたチャン・グムチョルが今回の会議に現れなかった。代わりに日本通の李虎林(イ・ホリム)朝鮮赤十字社書記長が統一戦線部長に任命されたと、国家情報院傘下の国家安保戦略研究院はみている。これは南北関係よりは日朝首脳会談などを念頭に置いた措置ではないかとみられる。



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