◆観光収支改善の真実
「観光収支赤字、昨年比約50億ドル(約4億7100万円)以上減少するものと予想」。12日の国家観光戦略会議の資料に出てくる一節だ。政府は訪韓外来客の歴代最高展望値の効果を説明しながら観光収支改善に言及した。しかし、観光収支は外来観光客が増加したからといってすぐに増加するものではない。今年は観光支出、すなわち韓国人が海外で使ったお金も大幅に減った。急激な上昇の勢いに乗っていた出国者数が今年一気に少なくなった。
昨年の韓国人出国者は2869万5983人だった。今年は11月までに2637万1937人が出国した。昨年12月の出国者245万人を加えても今年の出国者は2900万人に達しない。出国者は2016年2238万3190人で、2017年2649万6447人だった。2016年から2018年まで3年間、年に200万人余りずつ計630万人が増加した。しかし、今年だけ昨年とほぼ同じ水準だ。毎年200万人以上増加した海外旅行市場が昨年水準なら、現場で感じる衝撃は大きい。海外旅行業界は今年のような不景気はなかったと口をそろえる。
政府は26日の資料で「外来客1750万人を時間に換算すれば、約1.80秒ごとに1人の割合で訪韓していることになる」と明らかにした。この計算に従えば、2019年韓国人海外旅行者(約2800万人)を時間で換算すれば約1.2秒に1人の割合で韓国人が外国に出ていることになる。いくらインバウンド(外来訪問客)市場が善戦してアウトバウンド(韓国人出国)市場が停滞したといっても、外来客より出国者が1000万人以上多い。観光市場に対する政府の狭い視線が残念だ。
◆外国人1人あたりの支出額は減った
韓国政府は26日、外来客1750万人誘致によって約25兆1000億ウォンの観光収入が予想されると明らかにした。今年1~10月1人あたりの観光収入が1233.5ドルという根拠も提示した。この部分で政府は不利な統計を公開しなかった。
「訪韓外来観光客の1人平均支出経費は、相対的に支出規模が大きかった中国人(1887.4ドル)の比重減少と支出経費が相対的に少ない日本人(791.1ドル)の比重増加などの影響で、前年に比べ139.2ドル減となる1341.4ドルであることが分かった」。
5月8日に発表された「2018外来観光客実態調査」から引用した。ということは、韓国に入国した外国人は2017年から毎年100ドル以上、前年より少なく使っているということだ。2年間で外国人1人あたりの支出経費は約240ドルも減った。しかし、この事実に対して政府は口を閉じている。増えた総額だけを前面に出す。インバウンド市場が高付加価値の創出どころか安モノ市場に墜落している今日、政府は歴代最多外来観光客誘致を祝ったのだ。
文在寅(ムン・ジェイン)政府は「休符がある暮らし、人がいる観光」を叫んだ。発足初年の2017年に発表した観光振興基本計画で、政府は「訪韓市場の高付加化・高品格化」を核心課題として前面に掲げて次のように明らかにした。
「これまでの量的・経済的成果中心から、人中心の質的政策に方向を転換し…(中略)…訪韓市場を高付加化して韓国観光の品格を高める」
私は文政府の観光政策が過去の2つの政府とは違うものになると思っていた。過去の政府のように、訪韓外国人の数を数えているばかりではないと思っていた。前後でちぐはぐなことを言うとも思っていなかった。今からはそんなことではだめだ。
ソン・ミノ/レジャーチーム長
【コラム】最多外来観光客記録の不都合な真実=韓国(1)
「観光収支赤字、昨年比約50億ドル(約4億7100万円)以上減少するものと予想」。12日の国家観光戦略会議の資料に出てくる一節だ。政府は訪韓外来客の歴代最高展望値の効果を説明しながら観光収支改善に言及した。しかし、観光収支は外来観光客が増加したからといってすぐに増加するものではない。今年は観光支出、すなわち韓国人が海外で使ったお金も大幅に減った。急激な上昇の勢いに乗っていた出国者数が今年一気に少なくなった。
昨年の韓国人出国者は2869万5983人だった。今年は11月までに2637万1937人が出国した。昨年12月の出国者245万人を加えても今年の出国者は2900万人に達しない。出国者は2016年2238万3190人で、2017年2649万6447人だった。2016年から2018年まで3年間、年に200万人余りずつ計630万人が増加した。しかし、今年だけ昨年とほぼ同じ水準だ。毎年200万人以上増加した海外旅行市場が昨年水準なら、現場で感じる衝撃は大きい。海外旅行業界は今年のような不景気はなかったと口をそろえる。
政府は26日の資料で「外来客1750万人を時間に換算すれば、約1.80秒ごとに1人の割合で訪韓していることになる」と明らかにした。この計算に従えば、2019年韓国人海外旅行者(約2800万人)を時間で換算すれば約1.2秒に1人の割合で韓国人が外国に出ていることになる。いくらインバウンド(外来訪問客)市場が善戦してアウトバウンド(韓国人出国)市場が停滞したといっても、外来客より出国者が1000万人以上多い。観光市場に対する政府の狭い視線が残念だ。
◆外国人1人あたりの支出額は減った
韓国政府は26日、外来客1750万人誘致によって約25兆1000億ウォンの観光収入が予想されると明らかにした。今年1~10月1人あたりの観光収入が1233.5ドルという根拠も提示した。この部分で政府は不利な統計を公開しなかった。
「訪韓外来観光客の1人平均支出経費は、相対的に支出規模が大きかった中国人(1887.4ドル)の比重減少と支出経費が相対的に少ない日本人(791.1ドル)の比重増加などの影響で、前年に比べ139.2ドル減となる1341.4ドルであることが分かった」。
5月8日に発表された「2018外来観光客実態調査」から引用した。ということは、韓国に入国した外国人は2017年から毎年100ドル以上、前年より少なく使っているということだ。2年間で外国人1人あたりの支出経費は約240ドルも減った。しかし、この事実に対して政府は口を閉じている。増えた総額だけを前面に出す。インバウンド市場が高付加価値の創出どころか安モノ市場に墜落している今日、政府は歴代最多外来観光客誘致を祝ったのだ。
文在寅(ムン・ジェイン)政府は「休符がある暮らし、人がいる観光」を叫んだ。発足初年の2017年に発表した観光振興基本計画で、政府は「訪韓市場の高付加化・高品格化」を核心課題として前面に掲げて次のように明らかにした。
「これまでの量的・経済的成果中心から、人中心の質的政策に方向を転換し…(中略)…訪韓市場を高付加化して韓国観光の品格を高める」
私は文政府の観光政策が過去の2つの政府とは違うものになると思っていた。過去の政府のように、訪韓外国人の数を数えているばかりではないと思っていた。前後でちぐはぐなことを言うとも思っていなかった。今からはそんなことではだめだ。
ソン・ミノ/レジャーチーム長
【コラム】最多外来観光客記録の不都合な真実=韓国(1)
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