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【時視各角】これほどになれば前後見境なく進もうということか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本を旅していて一番最初に感じるのは道にはゴミなどが落ちておらず人々が親切だという点だ。繁華街から離れた場所も例外ではない。全体的には店でのやり取りも快適だ。封建時代の侍は納品された物に欠陥が多ければ一種の詐欺罪として業者に刀を振るうこともできたという。納品業者は当然最善を尽くして品物を作ったが、代わりに封建領主は品物の代金は言われるまま払ったという。値下げを要求すれば体面が汚れると考えたからだ。そのような伝統が少しばかり残っている。

韓国を訪れる中国の人々が同じような印象を持つというアンケートの調査結果がある。道がきれいで人々が親切なのに驚くという回答だ。北京でもあふれるほどある、同じブランドの物を大量に持ち帰ることは中国人の「中国の店」に対する不信が根底にあった。韓国も一時そうだった。知らず知らずに染み付いたこのような印象のためなのか、韓日中3国が時差を置いて同じ道にたどっているという主張や研究は多い。三菱総合研究所は約30年という計算まで出した。

日本の失われた20年に対する論争も脈絡がよく似ている。アジア全体が日本モデルに従ったので、成長軌跡が似ていることという前提が出発点だ。もちろん反論もある。特に政治がそうだ。日本は当時、約10年の間に15回も首相が変わった。何かあれば議会が解散し、選挙さえすればポピュリズム公約が火を吹いた。帝王的大統領制とは、真逆だった。まだある。韓国は米国博士の影響力が強大な国だ。米国式思考と決定方式は日本式の浮沈とセットではない。


ところが、物事の進み具合を見ると、日本とは違うとばかりは言えないようだ。まさにポピュリズムのバラマキが、その時の日本政治の顔をも青ざめさせる勢いだ。まさに政府の予算バラマキの手並みが、超雲が長槍を振るうが如く手慣れている水準だ。現金福祉だけで50兆ウォン(約4兆7100億円)前後もあるというのに、来年は全世帯の半分が国庫の支援によって生活する。表面上は政府が出していることになるが、これは国の借金で、納税者がいてこそできることだ。これを防ぐべき国会はさらに最悪の植物国会記録を更新するべく静観を決め込んだ。一方は政治不安が政府の失敗を呼んだ。もう一方は政府の失敗が政治不安を大きくする。順序が違うだけで「デジャヴュ」だ。

今、日本は違う。「その時の間違いから学んだ」という安倍2次内閣は沈滞から脱するところだ。だが、韓国は日本が迷走していた政治にさらに丈夫な擁壁を築いている。新しい選挙法では、今の構造を選挙で壊すことがさらに難しくなりそうだ。選挙に勝とうが負けようが、過半数の与党を作るというのが選挙法を変えようとする側の考えだ。死票防止というスローガンは遠く向こうに消えた。あっちを破ってこっちにくっつけて作った乱数表なので、頭のいい有権者も、なぜ何を変えるのか、ちょっと見ただけでは分からない。野党は気にさえ留めない。自分たちにだけ有利な競技規則を、公然と自分たちだけで強行しようとする。これほどになれば前後見境なく進んでやれ、というような雰囲気だ。

さらに戸惑いあきれるのは、選挙法がまとまると同時に手を付けた高位公職者犯罪捜査処(公捜処)法だ。生きている権力を捜査するといって始めたが、同じようにあさっての方向に向かっている。大統領の家族と側近を捜査するという公捜処長は大統領が任命する。捜査官には草緑同色の人々を大挙任命することができるように大きな道筋をつけた。政権不正捜査はおろか大統領空輸部隊になりそうな雰囲気だ。分権型大統領とはもちろん相性が合わない。帝王的を越えて皇帝的大統領にでも必要な機構だ。実際、習近平皇帝には無所不為の監察委員会がある。

不義は我慢できても不利益は我慢できないのが中国だ。韓国は違う。礼儀と廉恥が優先だ。西洋のジェントルマンシップと様相は違うだけで両班(ヤンバン)の国だ。少なくとも国民はそうだ。だが政治はそうではない。前職国会議長は行政府首長の下に就こうと、執権党の代表を務めた人は長官の席へとメンツを捨てた。国会は議席保全用のつぎはぎ工事で忙しいクリスマスだ。経済は失敗した日本に徐々に似てきていて、解決すべき政治は中国のほうを向いている。ここで疑問が沸き起こる。私たちは本当に大丈夫なのか。このように東に西にめちゃくちゃに突き進んでもかまわないのか。

チェ・サンヨン/論説委員



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