チェジュ航空がイースター航空の筆頭株主になる。写真はチェジュ航空に投じられたベトナム人乗務員。[写真 チェジュ航空]
愛敬(エギョン)グループ系列のチェジュ航空は18日に格安航空会社(LCC)イースター航空の大株主であるイースターホールディングスと株式売買契約に向けた了解覚書(MOU)を締結した。イースターホールディングスはイースター航空の株式39.6%を保有している。
チェジュ航空はこれに伴い、イースター航空の経営権買収に向けた手続きに入った。イースターホールディングスが保有する株式全量を含めその他株主2人(未公開)が保有するイースター航空の普通株51.17%を取得する内容が骨子だ。
資産査定調査過程で多少の変動もありうるがが、売却予定金額は695億ウォン(約65億円)だ。今回の交渉が順調に進む場合、チェジュ航空は今月末までにイースター航空と株式売買契約(SPA)を締結する予定だ。
◇アシアナ航空買収代金4%の調達に多様な方法
愛敬グループは各種金融技法を動員してイースター航空買収代金をどうにか調達した。ひとまずチェジュ航空は18日に100億ウォン規模の転換社債を発行することに決めた。転換社債は今後株式に転換できる選択権を持つ社債だ。
こうして発行した転換社債は全量をイースターホールディングスが取得する。この債券は2025年4月6日に1株当たり2万5520ウォンでチェジュ航空株式(1.46%)に転換できる権利を持つ。簡単に言えば買収する側の懐事情が心許ないため、ひとまず売却する側が買収する側の株式と引き換えに資金を貸し付ける概念だ。
これとは別にイースター航空も同日100億ウォン規模の転換社債発行を決めた。やはりイースターホールディングスがすべて取得する。この転換社債はイースター航空の株式200万株に転換できる権利を含んでいる。社債発行直後に株式転換が可能だという。もしイースターホールディングスがこの権限を行使すればイースター航空は株式全量をチェジュ航空に渡した後も、別にイースター航空の株式17%を確保できる。
結局「実弾」が不足するチェジュ航空がイースター航空を買収できるように、イースター航空を売却するイースターホールディングスが自身の財布をはたいて買収を支援する様相だ。愛敬グループの買収余力に対する議論が改めてふくらむ背景だ。
投資銀行業界関係者は、「愛敬グループは先月アシアナ航空を買収するために本入札で1兆7000億ウォンほどを提示した。当時資金のわずか4%(695億ウォン)を調達しようとイースターホールディングスを経て複雑な方式で買収資金を用意した」と指摘した。
これに対し愛敬グループは「チェジュ航空が保有する短期金融資産と現金性資産は合わせて3000億ウォンほど。イースター航空買収資金を用意するには問題がない」と反論した。
◇格安航空会社の構造調整信号弾
イースター航空大株主がこのようにしながらあえてイースター航空を売却しようとする理由は航空業界の不況が当分続くとみられるためだ。未上場企業であるイースター航空は四半期業績を公開していないが、航空業界はイースター航空が4-6月期に続き7-9月期にも数百億ウォン台の営業損失を記録したと推定する。
これに伴い、イースター航空は先月無給休職・長期休暇を実施し、全社的に不必要な夜勤自制を命令したり、定時退社と年次休暇使用を促している。コスト削減に向けたタスクフォースチームを稼動したりもした。
チェジュ航空も今年7-9月期に174億ウォンの営業損失を記録した。チェジュ航空のパイロットは燃料削減兼環境保護プロジェクトである「ホッキョクグマプロジェクト」に乗り出している。
業績悪化は米中貿易紛争とグローバル景気低迷で航空機を利用する乗客が減少したためだ。
決定的な影響を及ぼしたのは韓日対立だ。先月韓国系航空会社の日本路線旅客数は89万1851人で前年同期比43.7%減少した。
航空業界最大の繁忙期である7-9月期も旅行客数と貨物輸送量が急減した。ここに香港で反中デモが激化し香港旅行客も減った。
来年にはエアロK、エアプレミアの2社のLCCが新規就航する。競争がさらに激しくなるという意味だ。
ハンファ投資証券アナリストのキム・ユヒョク氏は「韓国の航空会社が路線供給過剰という構造的な問題に直面した。10-12月期の業績も大きく反騰するのは難しいだろう」と予想する。
この記事を読んで…