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<チャイナインサイト>「3不」約束を守ったという韓国…「1限」まで履行しろという中国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国の習近平国家主席が来年上半期の韓国訪問を考慮していると、邱国洪・駐韓中国大使が最近明らかにした。習主席の訪問が実現すれば、2014年以来7年ぶりの訪韓となる。高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備後、国交正常化以降で最悪という評価を聞く韓中関係が、習主席の訪韓を機に回復するのではという期待が高まっている。果たしてTHAAD報復は習主席の訪韓をきっかけに終わるのだろうか。

1992年の韓中国交正常化から27年間に13人が駐中韓国大使を務めた。このうち最も活躍したのは第2代の黄秉泰(ファン・ビョンテ)大使だ。江沢民国家主席ら中国権力序列1-3位の訪韓をすべて実現させ、韓中を蜜月関係に導いたからだ。

外交で最も効果があるのは招請外交という。それで首脳招請には大きな意味がある。手厚くもてなして好感を与え、自国の国益を実現させる良い機会だ。これに関するおもしろいエピソードとして、金大中(キム・デジュン)大統領の朱鎔基首相招請事例を挙げることができる。1998年11月に訪中した金大中大統領の最大の任務は、中国との経済協力拡大で通貨危機を一日も早く克服することだった。そのためには中国経済の「ツァー」と呼ばれる朱首相の歓心を買う必要があった。晩餐会でそのチャンスが訪れた。


朱首相が金大中大統領の長い収監生活に言及しながら「監獄ではどのように耐え抜いたのか」と尋ねた。金大中大統領は今だと思った。「ハエをつかまえて過ごした」と答えた。飛び回るハエを手でつかまえるが、適切な力調節でハエを気絶させ、目覚めればまたつかまえることを繰り返したと話した。朱鎔基首相は爆笑した。「本当にそんなことができるのか」と信じられないような表情を見せると、金大中大統領は真剣な表情で「韓国に来れば見せることができる」と話した。朱首相はこの時に気づいたという。金大中大統領が自分を韓国に招待するという強いメッセージを発信していることをだ。朱首相は2年後、韓国を訪れた。もちろん手ぶらではなかった。サムスン火災が中国で営業できるよう許可を出し、現代自動車の中国進出の土台も用意した。首脳招請外交が成功したのだ。

◆中国は「適切な処理」を話しながら微温的

現在、韓国では習近平主席の訪韓に対する期待が大きい。韓中はいわゆる「3不協議」と呼ばれる2017年10月の「韓中関係改善関連2国間協議の結果」や2カ月後の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中などTHAADの波風から抜け出すために少なからず努力した。しかし韓国国内の認識では中国のTHAAD報復は現在進行形だ。韓流スターの中国公演はまだ許可されず、中国人の韓国観光も制限的だ。来年3、4月に習主席が訪韓すればこのような鎖が解けるのではという希望を韓国側は抱いている。

ところが、そのようには考えにくく心配だ。北京の雰囲気を見ると2つの点が気にかかる。一つは韓国が考えるほどTHAAD報復の撤回はないという点だ。もう一つは、撤回どころか第2のTHAAD事態を引き起こす禍根が生じるのではという懸念が消えない。

まず、中国のTHAAD報復解除の可能性を見てみよう。今月初め中国の王毅国務委員兼外相が韓国を訪問したが、THAAD関連の中国の立場に変化の兆しは全くなかった。王外相は「米国がTHAADを韓国に配備して韓中関係に影響を与えた」と米国を批判した。米国の同盟である韓国の大統領の面前で米国と韓国をまとめて批判したのと変わらない。中国外務省の華春瑩報道官も同じ時期、「THAAD問題の適切な処理」の必要性を強調した。何を適切に処理しようということなのか。

これに関する韓中間の認識は大きく異なる。韓国は「3不協議」でTHAAD問題が解決したのではと考えている。韓国の主権的事項を中国に約束したことで論議を呼んだが、とにかくそのようにする見返りに中国のTHAAD報復取り消しを期待した。しかし報復が続くと、韓国では中国が約束を守らないという声が出ている。10月に在中大使館の国政監査をした国会議員も「韓国は3不約束を守ったが、中国は約束を破った」として中国を批判した。これが韓国内な一般的な見方だ。

中国の考えは違う。約束は韓国が守っていないとみている。なぜか。「3不協議」を見ると、「韓中は両国軍事当局間チャンネルを通じて中国が懸念するTHAAD問題について意思疎通をしていくことで合意した」という内容がある。これが意味することは、遮断壁の設置であれ何であれ軍事的措置を通じてTHAADに対する中国の懸念を解消するということだ。THAADの使用に制限を加えるということだ。それで中国では「3不」だけでなく「3不1限」という言葉を使う。韓国は「3不」を守っているというのに中国は「1限」も守れということだ。

問題はTHAADの運用を在韓米軍がするため韓国の力は及ばないという点だ。これが足かせとなってTHAAD問題の解決は進展が見えない。その結果、中国はTHAAD問題を当時の水準にした状態だ。さらに縛ることもないが解くこともない。THAAD報復を完全には解除しない理由だ。何が問題だったのか。

「3不協議」の作成を誤った結果だ。当時、文大統領の訪中実現のために急いだ結果、我々ができないことを中国に約束してしまったと考えられる。中国が現在話す「適切な処理」とはまさにTHAAD運用を制限する「1限」も実行しろということだ。中国がこうした立場を守る限り、THAAD報復の撤回はないとみられる。それどころか、習主席の訪韓でさらなる火種が生じないか心配だ。


<チャイナインサイト>「3不」約束を守ったという韓国…「1限」まで履行しろという中国(2)

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