韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が１６日、「我々の経済の主力である４０代の雇用不振が続いていることに心が痛む」とし「４０代向けの雇用支援政策」を準備すべきだと注文した。

文大統領はこの日午後、青瓦台で開いた首席補佐官会議の冒頭発言で、青年雇用率と失業率が改善した点に言及し、「政府が雇用創出と雇用安定網拡充に力点を置いて根気強く推進した結果が表れた非常に意味のある成果」とし「しかしまだ雇用の質については依然として不足する点が多い」と述べた。

文大統領は「政府が２０、３０代の青年層と５０代の中年層、６０代以上の高齢層の雇用政策に心血を注いできたことに比べ、４０代に対してはどれほど努力したかを振り返らざるを得ない」とし「４０代の雇用問題は製造業の不振が主な原因だが、それでも製造業の回復だけを待つことはできない」と話した。続いて「第４次産業革命が本格化する場合、産業構造の変化は４０代の雇用にさらに激変をもたらすかもしれない」とし「これからも続く産業現場のスマート化と自動化が４０代の雇用をさらに難しくさせることもある」と懸念を表した。


文大統領は「その間、産業構造の変化に対応して雇用安全網を強化してきたが、４０代の雇用に対する特別な対策が必要だ」とし「青年と高齢者に対して集中的に雇用支援をしてきたように、４０代の雇用対策を別の主要な政策領域としなければいけない」と述べた。また「政府は４０代の経済・社会的な立場を深く考慮し、多角度から適切な雇用支援政策を用意することを望む」と注文した。

文大統領は７－９月期の家計所得動向を見ると国民の家計所得と分配がともに改善したと評価し、こうした変化を確信させるには福祉の死角地帯まで徹底的に目を向けて政策を推進すべきだと指摘した。そして家計所得動向調査に含まれない１人世帯に対して特別な点検と対策が必要だと強調した。文大統領は１３日、洪楠基（ホン・ナムギ）経済副総理兼企画財政部長官から２０２０年の経済政策方向の主な内容について報告を受け、１人世帯のための政策総合パッケージを準備するよう指示した。

また、文大統領は革新成長分野での成果について韓国の未来の経済の大きな希望だとし、特に現政権に入って「ユニコーン企業」の増加ペースが速くなっていることを評価した。文大統領は「わが政府の発足当時は３社だったユニコーン企業が１１社へと大きく増え、特に今年だけで５つのユニコーン企業が誕生し、成長ペースがよりいっそう速くなっている」とし「ユニコーン企業の拡散は革新成長政策の成功の象徴だ。政府は特別な関心と集中支援政策でユニコーン企業育成に最善を尽くすことを願う」と述べた。

このため文大統領はファンドを通じて成長の可能性が高い予備ユニコーン企業に集中投資するなど、政府の政策を支障なく推進し、システム半導体、未来型自動車、生命工学など第４次産業革命分野と素材・部品・装備分野ユニコーン候補企業を積極的に発掘して支援を強化していくべきだと主張した。

この日、文大統領は「仁川（インチョン）ジャン・バルジャン親子」にも言及した。文大統領は「快く許した店の経営者、親子を送り帰す前にクッパを買って渡しながら涙を流した警察官、その後の市民の温情は我々の社会が希望のある温かい社会であることを見せた」とし「政府と自治体は市民の温情に頼るのではなく、福祉制度を通じて制度的に支援する道がないか積極的に検討してほしい」と話した。