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1時間に5件の「弾丸出前」に惚れた…ドイツDHが韓国「出前の民族」を選んだ理由(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

食品配達サービス「出前の民族」の広告コピー。「我々はいかなる民族か」というキャッチコピーが目に入る。[中央フォト]

ドイツ食品配達サービス専門企業「デリバリー・ヒーロー(Delivery Hero)」(以下、DH)が韓国の同業種アプリ1位「出前の民族」の運営会社ウーワブラザーズ(Woowa Brothers、以下、ウーワ)を買収した。DHは韓国で同種サービス「ヨギヨ」「出前箱」を運営中のデリバリー・ヒーロー・コリアの親企業だ。

今回の買収が話題を集めたのは、DHがウーワの企業価値を40億ドル(約4375億円)と見積もったためだ。韓国インターネット企業のM&A(合併・買収)史上最大規模だ。これは「出前の民族」が世界食品配達市場に通用する競争力を備えていると判断したためと分析される。

◆本音はアジア経営のノウハウ・人材確保


DHは現在のグローバル配達サービス市場で1位だが、ライバル会社の強い挑戦に直面している。欧州市場ではオランダのテークアウェードットコム(takeaway.com)と英国ジャストイート(just eat)が合併を推進中だ。両社が合併すれば欧州シェア1位になる。

ここに配車サービス企業が食品配達市場に参入してきた。これら企業は配車アプリに配達まで付けた、いわゆる「メガアプリ」を目指している。GrabFood(グラブフード)、Uber Eats(ウーバーイーツ)、GO FOOD(ゴーフード)などが代表的だ。それぞれGrab・Uber・Gojek(ゴジェック)という自社の配車プラットホームを利用して食品を配達する。実際、ベトナムなど一部市場でDHはGrabFoodなどライバル社の影響力拡大に苦戦している様相だ。GojekにはテンセントとJD.com、Grabには孫正義会長のソフトバンクとビジョンファンドが投資するなど、食品配達が加わったメガアプリ競争に巨額の資金が投入されている。

このような状況で、DHは急成長しているアジア市場を掌握できなければグローバル1位を維持できないと判断したとみられる。そのため競争が激しい韓国市場で不動の1位に君臨しているライバル会社ウーワに注目した。

このような観点で見れば、今回の買収に伴うDHの持株構造の変化も一括的に説明が可能だ。両社はアジア11カ国の事業を総括する別途企業(ウーワDHアジア)を設立し、ウーワのキム・ボンジン代表は同社の会長に就任する。

市場評価よりも高い価格で株を買収する代わりに、アジア市場で確固たる1位の座を守っているノウハウを手に入れ、これを開発した経営陣までまとめてスカウトしたのだ。DHが最高経営陣の持株13%まで譲渡しながらウーワの企業価値を異例の高さで策定した背景だ。


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