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【時視各角】在韓米軍の撤収、このままでは避けられない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
いま我々は国運がかかる重大な問題の前に立っている。「防衛費分担(SMA)交渉の結果に満足しなければ米国は在韓米軍を抜くのだろうか」。

これに対する米高官の言葉は終始一貫している。「防衛費分担金交渉と在韓米軍撤収は別」ということだ。韓国が分担金5倍引き上げ要求を受け入れなければ在韓米軍1個旅団を抜く案を検討中という国内の報道が先月出ると、エスパー米国防長官はすぐに反応した。エスパー長官は「フェイクニュース」だとし、「我々はそういうこと(米軍撤収)で同盟を脅迫することはない」と否認した。

続く米高官らの発言も同じだった。5日にはルード国防次官が放送に出演して「(米軍撤収は)計画していない」と強調し、米統合参謀本部のアンダーソン海軍少将はその前日に「国防総省内でそのような議論はない」と一線を画した。韓国側でも米国の主張を後押しする発表が繰り返された。鄭恩甫(チョン・ウンボ)SMA交渉大使は3日、「防衛費交渉過程で米軍撤収の話は出たことがない」と明らかにした。米国が撤収カードで圧力を加えることはないというニュアンスだ。


米外交官が好んで使う表現の中にこういうものがある。「米政府は嘘をつかない」。一時的な利益のために一度でも嘘をつけば誰も米国の話を信じないという論理だ。なら、彼らの主張をそのまま信じてもよいのだろうか。残念ながらこれまでの歴史と韓米専門家の意見をまとめると、決してそうではない。過去を見てみよう。昨年初め、トランプ米大統領がシリア軍撤収方針を示唆すると、最側近の参謀らは一斉にこれを否認した。同年9月、マティス国防長官は「シリアからでテロリストがいなくなるまで米軍は残る」と述べた。マティス長官と対立していたボルトン補佐官(国家安全保障問題担当)までも「イラン軍が国境に存在する限りシリア撤収はない」と語った。しかし結果はどうか。参謀の相次ぐ公言をあざ笑うかのように、2カ月後にトランプ大統領はシリアからの完全撤収を発表した。

トランプ大統領は考えをすぐに変えると批判する人たちが多い。しかし長い視点で見ると、トランプ大統領の政策は恐ろしいほど一貫している。数多くの反対を押し切ってメキシコとの国境に障壁を築いたのが代表的な例だ。在韓米軍の撤収も同じはずだ。トランプ大統領は過去30年間、「在韓米軍は米国の国益にそれほどプラスにならない」と114回も主張したという。さらに参謀の相次ぐ否認にもかかわらず、トランプ大統領は3日、ロンドンで「(在韓米軍を維持するには)韓国が防衛費をさらに公正に分担すべきだ」と明らかにした。したがってトランプ大統領が再選に成功すれば時間の問題にすぎず、在韓米軍の撤収または縮小は既成事実として対応するのが賢明だ。

米軍の韓国駐留を支持する米国内の世論が弱まっている点も問題だ。9月の米シカゴ国際問題協議会の調査の結果、駐留支持率は昨年の74%から今年は69%へと5ポイント低下した。さらに重要なのは文在寅(ムン・ジェイン)政権が米軍撤収を深く考えていないような雰囲気だ。1976年当時、民主党有力大統領候補だったジミー・カーターが在韓米軍を撤収するという公約を掲げると、朴正熙(パク・ジョンヒ)政権は大騒ぎした。機密解除された外交文書によると、中央情報部は北朝鮮との対峙状況に関する文書を作成してカーター候補陣営に伝え、駐日大使はカーター候補の政治参謀が日本に来るという情報を得るとすぐに会って軍撤収の危険性を訴えた。撤収阻止のための総力戦を見せたのだ。

しかし、現政権は完全に違う状況だ。さらに核心の外交策士という文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は25日、「(在韓米軍を)5000-6000人縮小しても韓米同盟や対北朝鮮抑止力に大きな変化はない」と主張した。出て行くなら出て行けという言葉として聞こえる。このような状況で在韓米軍が残るだろうか。むしろ在韓米軍の撤収を避けられない「限界状況」と考えてプランBを準備するのが現実的で賢明な対応だ。

ナム・ジョンホ/論説委員



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