ルノーサムスン
業界によると、しばらく落ち着いていたルノーサムスンの労働組合がまたストを準備しているという。同社の労働組合は先月29日、釜山(プサン)地方労働委員会に争議調停申請をした。10日間で調停が成立せず「調停中止」決定を下せば、労働組合は直ちに賛否投票を経て合法的なスト権を握る可能性がある。
ルノーサムスンの労使は先月28日、5回目の賃金団体交渉をしたが、合意点を見いだせなかった。基本給12万ウォン(約1万1140円)引き上げなどを要求する労働組合は直ちに交渉決裂を宣言した。業界関係者は「ストが現実になれば今年に入って生産台数が半減したルノーサムスン釜山工場はかつてない危機を迎えるはず」と話した。
ルノーサムスン自動車がまたストの危機に直面している。同社の労働組合はスト権を確保するための手続きを踏み始めた。業界関係者は「ルノーサムスンは昨年10月から8カ月間続いたストで、日産キャシュカイ受託生産物量を逃した」とし「またストをする場合、XM3輸出量まで失う可能性が高い」と懸念を表した。この場合、ルノーサムスン釜山工場の年間生産台数は20万台から10万台に減少する。
自動車業界によると、ルノーサムスンの労働組合は先月28日の5回目の交渉直後に決裂を宣言した。労働組合は翌日の29日、釜山地方労働委員会に争議調停を申請した。
労働組合は基本給12万ウォン引き上げを要求している。現代自動車など他の自動車会社より賃金水準が低いという点を主張している。会社側の関係者は「釜山工場の1人あたりの人件費は世界ルノーグループ工場の中で最も高く、フランス工場と比較すると時間あたり3ユーロ(約3900ウォン)ほど多い」と説明した。
輸出物量の配分を控えた状況で他の工場より人件費が過度に高いのはマイナスというのが会社側の説明だ。ルノーサムスンの年間生産台数のうち半分(約10万台)が日産のSUVローグだ。ルノーサムスン受託契約は来年3月に終了する。
仏ルノー本社は今年初めにローグの後続物量を配分する計画だったが、労働組合がストを続けたことで決定を延期した。この過程でルノーサムスンが最も望んだ日産のSUVキャシュカイの配分は水の泡となった。ルノーサムスンは代案としてクロスオーバー車XM3の欧州輸出量を確保しようとしたが、ルノー本社はこれも決定していない。労使関係が不安定で人件費など固定費が多くかかる釜山工場に任せるのは負担という理由だ。
労使対立が続けばQM6など他の輸出物量までも失うという見方もある。ルノーサムスンがXM3輸出物量を確保できず、QM6輸出物量も他の工場に移れば、大規模な構造調整が避けられなくなる。
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