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「金正恩、トランプに送った親書で韓国戦争の終戦望んだ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

トランプ大統領の公式伝記を書いたダグ・ウィードは23日、バージニア州の自宅でのインタビューで「金正恩委員長が親書で『韓国戦争を公式に終戦したい』という熱望を見せた」と話した。チョン・ヒョシク特派員

今年初めの1月24日、トランプ米大統領がホワイトハウスの執務室オーバルオフィスで、キャンディで子どもをからかうように1束の書類を頭の上で振って見せた。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長がトランプ大統領に送った親書の実物だった。金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長がホワイトハウスを訪問して6日後だった。大統領の伝記を書くことを約束してホワイトハウスを訪れトランプ大統領のこうした姿を見た作家のダグ・ウィードは「まるで骨でいたずらをする彼の前で子犬のように感じられた」とした。23日の中央日報とのインタビューでだ。

トランプ大統領は彼に「これを見た人はだれもいない。補佐陣は反対したが、本を書くのに助けになるだろう」としながら親書を渡した。ただ「あなたが持つことはできず、記録したり写真を撮影してもならない」と頼んだ。ウィードは「金委員長は親書でトランプ大統領とともに韓国戦争(朝鮮戦争)を公式に終戦することを望むという熱望を表現した」と紹介した。「金委員長は親書でトランプ大統領と会い終戦を議論する用意があるとし、続けて交わした書信でもそれが可能だという考えを表わした」と説明した。

中央日報が26日の刊行に先立ち入手したウィードのトランプ伝記である『トランプのホワイトハウスの中で(Inside Trump’s White House)』には親書のうち1文が書かれている。金委員長は「北朝鮮と米国の間に新しい未来を開くため大統領閣下と私の強い意志、心のこもった努力と独創的な努力が必ず実を結ぶだろう」とした。


◇「トランプ、金正恩の親書持ち振って見せた」

Q:親書と関連した内容は覚えているか。

A:「親書を読み大統領と話して私は彼と金委員長がともに歴史を作ることを望んでいるという印象を受けた。彼らともに核戦争に近かった状況を変化させ、何かを成し遂げることを望む。そしてその時期も正しかった」

◇トランプ、金正恩の親書にドレッシングが飛ばないか心配

トランプ大統領は金委員長の親書を個人の収集品のように大切に扱った。ウィードと昼食をともにしながらそばに置いた親書にサラダのドレッシングでも飛ばないかと心配した。結局彼はオーバルオフィスとつながった小さな個人執務室で静かに読んで出てくるようサンダース報道官を通じて部屋をまるごと明け渡したという。

トランプ大統領は6月12日のシンガポールでの首脳会談で金委員長に会って驚いたかに対し「ある程度(some)」とし、「本当に核戦争の脅威に解決策を見つけることがわれわれにかかっており、(北朝鮮に抑留され植物人間となって解放後2017年に死亡した)オットー・ワームビア氏の命が無駄になってはならないということを肝に銘じて会談場に行ったが、金正恩も事態を解決すべきという熱望を持っていることに驚いた」と答えた。「メラニアと2011年アカデミー賞授賞式でカメラの前に立ってみたが世界の多くのカメラは完全に予想できなかったし金委員長も同じだっただろう。本当に驚いた(amazing)」とも話した。

Q:トランプ大統領は金委員長が核兵器を放棄すると信じているのか。

A:「彼は純真ではなく、難しいことということをわかっている。彼は直接話していないが、娘婿であるホワイトハウスのクシュナー上級顧問は『金正恩の頭の中には父と祖父から核を放棄してはならないという言葉が刻まれているということをわかっている。それが彼の唯一の安保だ。金正恩もリビアのカダフィが核を放棄した後にどんなことが起きたか知っている』と話した。トランプはビジネスマンだ。北朝鮮が韓日とともに世界で最も裕福な国になることができ、金正恩がこれを熱望しているということもわかっている。結局2つの現実のうち何が勝利するかが問題だ」

クシュナーはトランプとのインタビューの数日後にウィードと会い、これを「父の問題」と話した。「金委員長の親書を通じトランプと親しく過ごしたいというのを見たが、彼の父(金正日)は息子に絶対に核兵器をあきらめるなと話した。トランプは新しい父のような存在だ。そのためこれは容易ではない移行だ」と述べた。

Q:北朝鮮との核戦争の危険が実際にあったのか。

A:「トランプ大統領は私に『われわれがどれだけ北朝鮮と戦争に近づいたのかあなたはわからないだろう』『米軍がすぐに行動に出る準備までしたほど信じ難いほど近づいた』と何度も話した。『戦争の危険は実在し、それは核戦争だった』と話した。当選直後に当時のオバマ統領と会った時に『あなたが世界で直面した最も大きい問題が北朝鮮であり、北朝鮮と核戦争をすることもできる』と警告した。トランプ大統領はその時『任期中に核戦争は防がなければならない』と決心した」

ウィードは本の最初の章の見出しを「私の任期中に核戦争はない」にした。トランプの頭の中に経済実績やイスラム国撃退より最も重要なことは核戦争の危険を避け北朝鮮との緊張緩和と書いた。公式伝記の始めに北朝鮮を取り上げたのは、トランプ大統領本人の考えだった。トランプ大統領は2017年9月に国連総会演説の「北朝鮮焦土化」発言が脅しではないとも明確にした。「任期中に米国がただひとつの核ミサイルであれ攻撃を受けることを許容しないだろう」と話したという。

「ソウルは3000万人が暮らす。金正恩は1万個の大砲を持っている。彼は歴史上最大の惨事を起こすのに核兵器が最初から必要もない。核戦争はひとつの国を破壊するのに数百個の核ミサイルが必要なのではない。核弾頭がたったひとつでも落ちる場合、われわれが米国の都市の中に放棄できる所があるか。1カ所もない。それで私が就任した時に金正恩と極度に険悪な話をしたのだ」。

トランプ大統領は昨年1月初め、「私は君よりもっと大きな核ボタンを持っており、さらに作動もすると書いたのは、われわれが北朝鮮にできることとできないことをわかっているという意味」と説明した。ウィードはこれに対し北朝鮮のミサイル開発にある程度限界があるという印象を受けたと書いた。そしてトランプ大統領の前には大きく、分厚い、真っ赤なボタンが置かれており、トランプがある瞬間にボタンを押すとすぐ男性スタッフが魔法のようにダイエットコーラを差し出したと話した。

Q:ハノイ会談はなぜ失敗したか。

A:「トランプ大統領がハノイにいる時に全国のテレビは画面を正確に半分に分け、片方は金正恩と会うトランプを、もう一方は大統領の個人弁護士だったマイケル・コーエンが議会聴聞会でトランプを『詐欺師』と非難するのを見せた。金正恩にわれわれの大統領が好きでないから彼と合意するなというメッセージを送るということだった。核戦争の途轍もない災難を考えるとそれは悲劇だった」

ウィードはジェラルド・フォード、ジミー・カーター、ロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュ大統領父子ら6人の大統領とのインタビューを出版したベストセラー作家だ。彼は2016年からトランプ大統領と2~3回会い、1次インタビューを通じて歴史の記録を残すとして伝記執筆の承諾を受けた。だがケリー秘書室長が反対し、ケリーが離任した直後から作業を始めることができたと明らかにした。

Q:6人の米国大統領に会ったがトランプ大統領はどのように違っているか。

A:「トランプは他のすべての大統領と違う。彼らのひとつの共通点はだれもが偉大な傾聴者(great listeners)という点だ。大部分は外交官のようだった。ジョージ・W・ブッシュ大統領は一気に決定を下す決断力があるが父親は長く熟考して決定を下すスタイルだ。ジェラルド・フォードは広く見回して慎重だったし、知的で本当に政策業務に明るかった。ジミー・カーターはとても原則的だが外交的だった。トランプは外交官とは正反対に非常に自身満々でおもしろい人だ」

ウィードはトランプを一言で表現すればビジネスマンかという質問に「大思想家」と言った。「彼は常に大きな解決策を追う」としてだ。元大統領が約束だけして守らなかったイスラエルの米国大使館のエルサレム移転を例に挙げた。



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