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韓日のIT大物、李海珍・孫正義はなぜ手を組んだのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

孫正義ソフトバンク会長(右)と李在鎔サムスン電子副会長(左)が7月4日にソウルの韓国家具博物館を訪れた。この日李副会長と鄭義宣現代自動車首席副会長、具光謨LG代表、金沢辰NCソフト代表と李海珍ネイバーグローバル最高投資責任者(GIO)が会った。オ・ジョンテク記者

◇キーワードで見る李海珍・孫正義の構想

「越えられない4次元の壁を越えるものだ」。

LINEとヤフージャパンの経営統合推進のニュースが流れた直後に通話した元ネイバー高位関係者の評価だ。日本のインターネット市場で絶対強者として君臨してきたヤフージャパンとモバイル強者のLINEの統合はそれだけ既存秩序を根本から揺るがす大きな事案という意味だ。読売新聞は16日、早ければ両社が来週にも公式合意を終え記者会見を行うだろうと報じたりもした。会社側では「現段階では公示内容以外に公開できることはない」として言葉を控えているが、結論が迫っているという状況だけは確実な状況だ。


ネイバー創業者の李海珍(イ・ヘジン)グローバル投資責任者(GIO)と孫正義ソフトバンク会長は両社の経営統合を通じどのような大きなビジョンを描いているのか。2人のIT業界リーダーの公式席上でした発言と両社の事業内容を総合してキーワード別に分析した。

◇地域プラットフォームを超えグローバルプラットフォームに

(1)帝国主義

「帝国主義に抵抗して生き残った会社として記憶されたい」。6月に韓国社会学会・経営学会共同シンポジウムで李海珍GIOがした話だ。ネイバーがどんな会社として人々の記憶に残ったら良いかという質問に対する返事だった。彼はグーグル、アマゾン、テンセント、アリババなど米国と中国の巨大プラットフォーム企業との戦いで「1人で戦うのではなく連合軍が必要な時期」と強調した。

ヤフージャパンとの統合はこうした「連合軍」結集の始まりになるかもしれないという評価だ。LINEは日本だけで8200万人のユーザーを持っており、ヤフージャパンは5000万人が使うポータル1位だ。LINEはメッセンジャー・コンテンツ事業で、ヤフージャパンは電子商取引(eコマース)で強みを持つ。漢陽大学経営学科のシン・ミンス教授は「もうグローバルプラットフォーム市場で『地域プラットフォーム』だけでは生き残ることができないことを認めたもの。結合を通じてグローバルプラットフォーム企業が持つコンテンツ-プラットフォーム-商取引の好循環構造を備えることになるだろう」と説明した。

◇ポータルとメッセンジャーの結合

(2)オンラインとモバイル

「検索から始めたが徹底して失敗し、10年ぶりにLINEというメッセンジャーで成功した」(6月18日、韓国社会学会・経営学会共同シンポジウムでの李海珍GIOの発言)。

ネイバーは2001年4月にネイバージャパンのサイトをオープンするなど早くから日本市場に積極的に進出した。だがヤフーが検索市場の80%以上を占める状況で活路はなかなか見られなかった。一時は事業をたたむほどだった。だが粘り強く努力し、結局モバイルで成功の糸口が開かれた。2011年の東日本大震災後に電話の代替手段としてモバイルメッセンジャーに対する需要が急増した時期にリリースしたメッセンジャーアプリの「LINE」は日本でシェア1位のモバイルメッセンジャーになった。

専門家らはLINEとヤフージャパンの統合推進をオンラインとモバイルの「化学的結合」と解釈する。2014年にダウムコミュニケーションとカカオがそうしたように、巨大プラットフォームに対抗する自活力を得るためには必要不可欠な作業ではないのかと分析される。4000万人を超えるユーザーを持つカカオトークは、保険や旅行業などオンラインでさまざまな事業をやってきたダウムコミュニケーションと合わさりながら多様な収益モデルを作っていっている。

日本でLINEとヤフージャパンの統合も市場支配力を強化する決定的な「一発」になれるとの評価だ。NH投資証券のアン・ジェミン研究員は「日本のメッセンジャー1位(LINE)と検索ポータル1位(ヤフー)が結合することでダウム・カカオより力があるだろう。ヤフージャパンの後にはソフトバンクという通信会社があるため通信会社の加入者まで組み合わせれば肯定的効果は拡大するだろう」と説明した。

ダウム創業者である李在雄(イ・ジェウン)ソカー代表もフェイスブックに関連記事をリンクして期待感を示した。李代表は「この10年以内に韓国と日本の間で起きた経済協力のうち最も意味が大きい事例。(統合会社が)日本で1位のインターネット会社になるだけでなく東南アジアをともに攻略することになりそうだ」と話した。続けて「ポータル、メッセンジャー、eコマース、簡便決済など一緒にできることは多いが、そうした会社をソフトバンクとネイバーが50対50で所有し共同経営をするということは意味が大きい。今後もこうしたビジョンが多く出てきたら良いだろう」と付け加えた。

◇人工知能ベルトの核心部

(3)人工知能(AI)

「今後、韓国が集中しなければならないのは一にも人工知能(AI)、二にもAI、三にもAIだ」。(7月4日、文在寅大統領と会った孫正義会長の発言)

孫会長は7月の訪韓時に李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長ら大企業オーナー3人と李海珍GIO、金沢辰(キム・テクチン)NCソフト代表ら5人と個別に会った。企業家らとの対話でもAIが主要な主題に出て、この過程で李海珍GIOとも交感があったというのが業界内外の分析だ。日経など日本メディアは両社の経営統合議論が昨年夏の両社首脳部会合を契機に本格化したと報道した。

ネイバーはかなり以前からAI研究に努めてきた。韓国、日本、フランス、ベトナムを含んだ東南アジア地域を中心に「グローバルAI研究ベルト」の構築を計画するほどだ。統合法人を通じ良質のビッグデータが確保されれば米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)と対抗できるという構想だ。キウム証券のキム・ハクチュン研究員は「LINEとヤフージャパンのシナジーは(AI研究の本質となる)日本最高のデータを確保することになるだろう」と強調した。



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