韓米国防当局が米国の要請で「域内海上交通路(SLOC)の安全を保障する」という内容が盛り込まれた「未来韓米同盟国防ビジョン(未来ビジョン)」をまとめたことが分かった。未来ビジョンは15日にソウルの国防部で開かれる第51回韓米定例安保協議(SCM)で鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官とエスパー米国防部長官に報告された後、公開される予定だ。「海上交通路の安全」が明示されたことで、今後、米国が主導する「航行の自由作戦(FONOP)」が韓米間の敏感懸案に浮上すると予想される。また海上交通路の安全は50億ドルにのぼる米国側の防衛費分担金引き上げ要求と重なり、米国が韓国に対して寄与を要求する分野になる見通しだ。
複数の政府筋によると、韓国国防研究院(KIDA)と米国防大学(NDU)傘下の国家戦略研究所(INSS)はこの1年間、共同研究を通じて未来ビジョンを完成させた。未来ビジョンは昨年の第50回定例安保協議(SCM)で韓米が「韓米同盟に基づく防衛協力をよりいっそう強化していくための共同のビジョン」を作ることで合意したことを受け、推進された。
ある情報筋は「米国側は当初、インド太平洋戦略を未来ビジョンに盛り込むことを望んだが、韓国側が負担を感じると、代わりに域内海上交通路を強く要求した」とし「これも東シナ海・南シナ海で中国の領有権主張に対抗して米国が進めている航行の自由作戦に直接参加するように映り、韓国側がためらった」と伝えた。域内海上交通路とは、韓国が中東産原油を輸入する際、輸送路のマラッカ海峡を含むアジア太平洋海域を意味する。
両国国防部は9月26、27日にソウルで開催された第16回韓米統合国防協議体(KIDO)で未来ビジョンについて議論したが、結論を出せなかった。しかし結局、韓国側が政府の新南方政策と接点があるという判断から域内海上交通路安全保障を受け入れた。これに先立ち韓米外交当局は2日、「韓国の新南方政策と米国のインド太平洋の間の協力」を明示した「共同説明書」を発表した。続いて米国防総省のホフマン報道官は7日の記者会見で、エスパー長官の訪韓計画を発表し、「南シナ海の軍事化と略奪的な中国の経済活動のような共通の挑戦課題を同盟国と議論する」と伝えた。峨山政策研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)安保統一センター長は「米国は韓国が韓半島(朝鮮半島)を越えて全世界でも役割を果たすよう注文してきた」とし「域内海上交通路安全保障はその一環」と説明した。
しかし域内海上交通路安全保障をめぐり今後、韓米間に隔たりが発生することも考えられる。域内海上交通路が具体的にどこかについて韓米双方の考えが異なるかもしれないからだ。また韓国が安全保障にどのようにどれほど寄与するかについても決まっていない。韓国軍事問題研究院のキム・ヨルス安保戦略室長は「韓国は開放性・包容性・透明性のような米国のインド太平洋戦略の価値に共感したのであり、インド太平洋戦略に積極的に参加する意図はないようだ」とし「近いうちに韓米間で域内海上交通路安全保障の解釈をめぐり葛藤が生じることも考えられる」という見方を示した。
また韓米は未来ビジョンに「韓半島平和プロセス(北朝鮮非核化)が進展して北朝鮮の脅威が減っても在韓米軍は駐留を続ける」という趣旨を盛り込むのに同意した。防衛費分担金交渉などで韓国内で在韓米軍の縮小・撤収に対する不安感が高まる中、これを緩和するためと解釈される。しかし在韓米軍縮小・撤収のような重大決定はトランプ大統領の意志に左右されるだけに限界があるという指摘だ。
これに先立ち2009年当時、李明博(イ・ミョンバク)大統領とオバマ米大統領は韓米同盟の領域を軍事・安保から政治・経済・社会・文化に拡大する「韓米同盟未来ビジョン」を採択している。
複数の政府筋によると、韓国国防研究院(KIDA)と米国防大学(NDU)傘下の国家戦略研究所(INSS)はこの1年間、共同研究を通じて未来ビジョンを完成させた。未来ビジョンは昨年の第50回定例安保協議(SCM)で韓米が「韓米同盟に基づく防衛協力をよりいっそう強化していくための共同のビジョン」を作ることで合意したことを受け、推進された。
ある情報筋は「米国側は当初、インド太平洋戦略を未来ビジョンに盛り込むことを望んだが、韓国側が負担を感じると、代わりに域内海上交通路を強く要求した」とし「これも東シナ海・南シナ海で中国の領有権主張に対抗して米国が進めている航行の自由作戦に直接参加するように映り、韓国側がためらった」と伝えた。域内海上交通路とは、韓国が中東産原油を輸入する際、輸送路のマラッカ海峡を含むアジア太平洋海域を意味する。
両国国防部は9月26、27日にソウルで開催された第16回韓米統合国防協議体(KIDO)で未来ビジョンについて議論したが、結論を出せなかった。しかし結局、韓国側が政府の新南方政策と接点があるという判断から域内海上交通路安全保障を受け入れた。これに先立ち韓米外交当局は2日、「韓国の新南方政策と米国のインド太平洋の間の協力」を明示した「共同説明書」を発表した。続いて米国防総省のホフマン報道官は7日の記者会見で、エスパー長官の訪韓計画を発表し、「南シナ海の軍事化と略奪的な中国の経済活動のような共通の挑戦課題を同盟国と議論する」と伝えた。峨山政策研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)安保統一センター長は「米国は韓国が韓半島(朝鮮半島)を越えて全世界でも役割を果たすよう注文してきた」とし「域内海上交通路安全保障はその一環」と説明した。
しかし域内海上交通路安全保障をめぐり今後、韓米間に隔たりが発生することも考えられる。域内海上交通路が具体的にどこかについて韓米双方の考えが異なるかもしれないからだ。また韓国が安全保障にどのようにどれほど寄与するかについても決まっていない。韓国軍事問題研究院のキム・ヨルス安保戦略室長は「韓国は開放性・包容性・透明性のような米国のインド太平洋戦略の価値に共感したのであり、インド太平洋戦略に積極的に参加する意図はないようだ」とし「近いうちに韓米間で域内海上交通路安全保障の解釈をめぐり葛藤が生じることも考えられる」という見方を示した。
また韓米は未来ビジョンに「韓半島平和プロセス(北朝鮮非核化)が進展して北朝鮮の脅威が減っても在韓米軍は駐留を続ける」という趣旨を盛り込むのに同意した。防衛費分担金交渉などで韓国内で在韓米軍の縮小・撤収に対する不安感が高まる中、これを緩和するためと解釈される。しかし在韓米軍縮小・撤収のような重大決定はトランプ大統領の意志に左右されるだけに限界があるという指摘だ。
これに先立ち2009年当時、李明博(イ・ミョンバク)大統領とオバマ米大統領は韓米同盟の領域を軍事・安保から政治・経済・社会・文化に拡大する「韓米同盟未来ビジョン」を採択している。
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