ユ・スンジュンさん[写真 SBS]
10日の法曹界によると、ソウル高裁は15日にユさんが駐ロサンゼルス韓国総領事館を相手取り起こした査証発給拒否処分取り消し差し戻し審を進める。
韓国で歌手として活動しながら「国防の義務を果たす」と明らかにしていたユさんは2002年1月に出国して米国市民権を取得し、韓国国籍を放棄したことで兵役が免除された。
その後ユさんに対する非難の世論が起きると法務部は同年2月にユさんの入国禁止を決めた。ユさんは2015年9月に在外同胞ビザ(F-4)で入国できるようにしてほしいと申請して拒否され、これを取り消してほしいという訴訟を提起した。
1審と2審は韓国政府のビザ発給拒否は適法だったと判断した。
ユさんが韓国に入国し放送・芸能活動をする場合、兵役義務を遂行する国軍将兵の士気を低下させ、兵役義務履行の意志を弱めて兵役忌避の風潮を生み出す恐れがあるという趣旨だ。
しかし大法院(最高裁)の判断は違った。8月に大法院は「『ロサンゼルス総領事は法務部長官の入国禁止決定に拘束される』という理由からこの事件の査証発給拒否処分は適法だとする原審の判断が誤っていた」として事件を原告勝訴趣旨でソウル高裁に差し戻した。
ユさん側は差し戻し審で大法院判決趣旨に基づいて判決を下してほしいとしている。
その上で、ユさんが韓国国籍を放棄したのが兵役義務を免れる目的だったと法的評価を下せないと主張した。また、兵役忌避を目的とした外国国籍取得事例が毎年発生しているのに自身にだけ過度な処分が下され憲法上の平等の原則にも外れると主張した。
今回の差し戻し審でユさんが最終勝訴することになれば17年ぶりに韓国の土を踏むことができるようになる。
その場合、ロサンゼルス総領事館はユさんが申請したビザ発給の可否を改めて判断しなくてはならないが、ユさんは兵役義務が解除される38歳をすでに過ぎているだけに在外同胞ビザ発給を拒否するのは厳しい見通しだ。
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