韓半島(朝鮮半島)の安保を担う米国高官が異例の大挙訪韓中だ。彼らの訪問は非常に重要だ。韓米同盟を以前のように維持するか、あるいは在韓米軍の大幅削減または撤退にも影響を与える見通しだ。現在、米国の同盟基準は中国を牽制するインド・太平洋戦略への貢献だが、韓国の戦略的価値は低下している。米国は韓国が口だけで同盟を叫びながら、目は北朝鮮を見て、足は中国に向けているのではないかと疑問を抱いている。防衛費分担金交渉と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄は韓米同盟の亀裂のリトマス試験紙だ。このような状態で、戦時作戦統制権(戦作権)まで転換(返還)すれば韓米同盟は事実上、外側だけが残る。そのため歴代連合司令官と国防長官出身者が戦作権転換に懸念の声を高めている。
合同参謀議長を務めたチョン・スンジョ韓米同盟財団理事長は「現在『鉄桶の韓米同盟』という表現はレトリック(言語的修辞)と言えるほど、懸念が大きいのが事実だ」と述べた。チョン理事長は「政府は戦作権転換を韓国軍の『能力条件』ではなく『政治的時期』に執着している」と指摘した。チョン理事は韓国軍が戦作権を遂行する能力も備えていない状態で、先に戦作権を持つことで韓米同盟が弱体化する可能性を心配していた。先月中旬の韓米同盟セミナーでの発言だ。同セミナーでヴィンセント・ブルックス元連合司令官は「韓国は『同盟』と『自主』のジレンマに陥っている」とし「今の問題は自主国防ではない」と指摘した。バーウェル・ベル元連合司令官も先月末に韓米クラブに送った書簡で「北核への対応は米軍指揮部のみ可能」とし「(今の状態で)戦作権転換実現の可能性はない」と言い切った。
当初、韓米は韓国軍が戦作権を実行する能力を備えれば、その時に転換するということで2014年に合意した。ところが、文大統領は任期末の2022年までに転換するとしている。そして今年から3年間で3回の検証を経ることにした。8月に乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習に代わる韓米連合指揮所訓練での1次検証について、軍当局は「成功」と発表した。しかし、発表を信じる予備役将軍はほぼいない。昨年戦作権早期転換に合意したブルックス元司令官さえ退役後、批判に転じた。なぜだろうか。ある予備役将軍は「1次評価は文書手続きによる機械的操作レベル」と述べた。戦作権遂行の本質的な問題は排除するからだ。
韓米合意戦作権転換の条件として韓国軍が備えるべき能力は3つだ。▼対北朝鮮核・ミサイルへの初期必須対応能力▼戦作権転換後の連合防衛を主導する核心軍事能力▼安定戦作権転換のための韓半島および地域安保環境管理能力だ。しかし、どれ1つとっても容易ではない。詳しく見てみよう。
最初の条件である北朝鮮の核・ミサイルへの韓国軍の初期対応能力。国防部は当初、北朝鮮の核・ミサイル対応のためキルチェーン(Kill Chain:北朝鮮の弾道ミサイルの先制的除去)と韓国型ミサイル防衛(KAMD:北朝鮮のミサイルの空中迎撃)、大量膺懲報復(KMPR:北朝鮮が挑発した時、戦争指導部を除去)など3軸体制を構築することにした。しかし、現政府になってから北朝鮮を意識して、この用語の使用を避けたため、有名無実になった。
キルチェーンはF-35A戦闘機やミサイルなどで北朝鮮の移動式弾道ミサイルを打撃しなければならない。しかし、韓国軍の偵察・探知能力は非常に脆弱で、米軍に依存している。国防部は5つの偵察衛星を2023年頃になってから確保する計画だ。KAMD用中高度迎撃ミサイルは2026年に開発される。結局、政府は北朝鮮の核・ミサイル対応能力を備えていない状態で戦作権から先に2022年に持つということだ。KMPR予算はほとんど反映されていない。北朝鮮は9・19軍事合意を挙げ、韓国軍のハイテク兵器の確保を事あるごとに非難している。
<Mr.ミリタリー>国民の命かかった戦作権転換、北核解消まで留保すべき=韓国(2)
合同参謀議長を務めたチョン・スンジョ韓米同盟財団理事長は「現在『鉄桶の韓米同盟』という表現はレトリック(言語的修辞)と言えるほど、懸念が大きいのが事実だ」と述べた。チョン理事長は「政府は戦作権転換を韓国軍の『能力条件』ではなく『政治的時期』に執着している」と指摘した。チョン理事は韓国軍が戦作権を遂行する能力も備えていない状態で、先に戦作権を持つことで韓米同盟が弱体化する可能性を心配していた。先月中旬の韓米同盟セミナーでの発言だ。同セミナーでヴィンセント・ブルックス元連合司令官は「韓国は『同盟』と『自主』のジレンマに陥っている」とし「今の問題は自主国防ではない」と指摘した。バーウェル・ベル元連合司令官も先月末に韓米クラブに送った書簡で「北核への対応は米軍指揮部のみ可能」とし「(今の状態で)戦作権転換実現の可能性はない」と言い切った。
当初、韓米は韓国軍が戦作権を実行する能力を備えれば、その時に転換するということで2014年に合意した。ところが、文大統領は任期末の2022年までに転換するとしている。そして今年から3年間で3回の検証を経ることにした。8月に乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習に代わる韓米連合指揮所訓練での1次検証について、軍当局は「成功」と発表した。しかし、発表を信じる予備役将軍はほぼいない。昨年戦作権早期転換に合意したブルックス元司令官さえ退役後、批判に転じた。なぜだろうか。ある予備役将軍は「1次評価は文書手続きによる機械的操作レベル」と述べた。戦作権遂行の本質的な問題は排除するからだ。
韓米合意戦作権転換の条件として韓国軍が備えるべき能力は3つだ。▼対北朝鮮核・ミサイルへの初期必須対応能力▼戦作権転換後の連合防衛を主導する核心軍事能力▼安定戦作権転換のための韓半島および地域安保環境管理能力だ。しかし、どれ1つとっても容易ではない。詳しく見てみよう。
最初の条件である北朝鮮の核・ミサイルへの韓国軍の初期対応能力。国防部は当初、北朝鮮の核・ミサイル対応のためキルチェーン(Kill Chain:北朝鮮の弾道ミサイルの先制的除去)と韓国型ミサイル防衛(KAMD:北朝鮮のミサイルの空中迎撃)、大量膺懲報復(KMPR:北朝鮮が挑発した時、戦争指導部を除去)など3軸体制を構築することにした。しかし、現政府になってから北朝鮮を意識して、この用語の使用を避けたため、有名無実になった。
キルチェーンはF-35A戦闘機やミサイルなどで北朝鮮の移動式弾道ミサイルを打撃しなければならない。しかし、韓国軍の偵察・探知能力は非常に脆弱で、米軍に依存している。国防部は5つの偵察衛星を2023年頃になってから確保する計画だ。KAMD用中高度迎撃ミサイルは2026年に開発される。結局、政府は北朝鮮の核・ミサイル対応能力を備えていない状態で戦作権から先に2022年に持つということだ。KMPR予算はほとんど反映されていない。北朝鮮は9・19軍事合意を挙げ、韓国軍のハイテク兵器の確保を事あるごとに非難している。
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