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【コラム】韓国は北核仲裁者でない…果敢なプレーヤーになるべき(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1989年8月、フランスの商業衛星スポット(SPOT)が撮影した寧辺(ヨンビョン)核施設の写真が公開された。北朝鮮の核開発が浮き彫りになると、韓国政府・国民は驚いた。寧辺を局部攻撃するか、韓国も核兵器を開発すべきだという世論が強まった。

当時のジェームズ・ベイカー米国務長官は崔浩中(チェ・ホジュン)外交部長官に急いで親書を送った。米国があらゆる手段を動員して北朝鮮の核を阻止するので韓国は一方的な行動を自制してほしいということだった。しかし米国の約束は守られず、2017年末に北朝鮮は事実上、世界9番目の核保有国として登場した。

今日、北朝鮮は米国大統領を太平洋の向こうから呼び出して「北核廃棄」でなく「軍縮」交渉をしている。30年前に北核問題が登場した当時に筆者と共に悩んでいた米国の高官と学者は最近、「韓国はすでに北朝鮮の核兵器の脅威のもとで暮らしている。米国を打撃できる長距離核ミサイル(ICBM)は少なくとも2回ほど追加で実験する必要があるが、これを防ぐことが急がれる」とためらいもなく語った。


ワシントンがソウルを説得してきた長い歴史を知る友人から覚醒剤注射を打たれたようだった。彼らが想定するように、核で武装した北朝鮮と米国の核の傘で保護を受ける韓国が共存できるのか。韓国は核の傘の費用をどこまで支払う準備ができているのか。また、いつ傘をたたむか分からないという不安の中に暮らせるのか。韓国が北朝鮮はもちろん周辺国に対して「乙」として暮らしてもよいのか。

◆北朝鮮、核廃棄でなく軍縮交渉

この問いに対し、一部の人たちは、核交渉と南北関係が進展すれば南北が友好共存する中で核問題も解決されると希望している。また、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が人民の生活向上を政権の基盤とするため、制裁で圧力を加えれば結局は核を放棄するしかないという期待もある。

しかし失敗の記録を希望と期待で覆うことができる時間はすでに過ぎてしまった。北朝鮮は過去にフランスが追求した道を進んでいるところだ。1959年、ドゴール大統領は米国と英国の強い反対にもかかわらず、「核兵器だけが永遠の差をつくる」とし、フランスを核保有国として登場させた。欧州の秩序でフランスの地位も変わった。

ところが韓国と米国は「核兵器保有前の北朝鮮」を相手にした観点で交渉に臨んでいる。核保有前には核列車をまず停止させることに合意した後、段階的に戻していくという構図で交渉した。しかし今の核列車停止の合意は、事実上の無期限核保有に進む門を開くことだ。戻すための対価も支払えないほど高まっている。

ただ、わずかに交渉進展の機会が見えたりもした。今年2月のハノイ会談に登場した寧辺核施設廃棄と5つの対北朝鮮制裁の解除を交換する案だった。第1段階の行動で価値があるものだった。制裁はまた加えることができる。しかしたとえ寧辺地域の核に限定されても、ひとまず廃棄された施設と物質を検証すれば、北朝鮮の核の過去と現在はもちろん、未来までより具体的に表れる。

当時の交渉決裂には米国の国内政治が決定的に作用した。トランプ大統領は米民主党が時期を合わせて自身に不利な証言する元弁護人を議会に呼んでハノイ交渉をつぶしたと公開的に非難した。自身のスキャンダルをごまかすために北朝鮮との取引を無理に決めたという批判を受けたくなかったという意味だった。


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