日本が韓国に対する輸出規制を強化してから11日で100日となる。日本は7月4日、半導体・ディスプレー核心素材3品目の韓国輸出を規制すると発表した。8月28日には韓国をホワイト国(輸出優遇国)から除外する措置も強行した。
「経済大国」日本の予想外の一撃で、韓国の脆弱な素材・部品・装備分野の素顔がそのまま表れた。このため官民はようやく弱点を悟って競争力の向上に動き出した。「長期戦」の入り口に立った日本輸出規制措置の余波と今後の課題を見てみよう。
◆被害なしも不確実性の「暗雲」
韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が2日の国政監査で「現在まで半導体・ディスプレー素材3品目に対する日本の対韓国輸出許可承認件数は7件にすぎない」と明らかにした。それでも懸念された素材確保問題は避けている。国内の半導体業界がう回輸入ルートを見つけ、核心素材の国産化に乗り出したおかげだ。
産業部は10日、「実際に生産上の被害が生じたという報告事例はない」と明らかにした。そのためか、政府の認識が安易だという指摘も出ている。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長は7日、日本の輸出規制に関し「3品目に対する直接的な規制、ホワイト国除外措置などが韓国経済に直接もたらした被害は一つも確認されていない」と強調した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も8日、「政府・企業が迅速に全方向から対応し、今までよく対処してきた」とし「産業構造を根本的に変える転換点になれば、我々の経済体質と競争力を強化するのに大きく役立つだろう」と述べた。
しかし現場の声は違う。目の前の火は消えたのかもしれないが、事態が長期化する場合の不確実性のためだ。国内5大グループのある役員は「企業側が最も嫌うのが不確実性だが、今は不確実性がいくつも重なっている」と述べた。ある半導体業界関係者は「何とか工程を維持している状況だが、あたかも脱日本に成功したという形で伝えられているところがある」とし「安定的に事業を継続するには依然として素材供給網が十分でない」と語った。
何よりも韓国は素材・部品・装備の基本技術を日本に依存するケースが多い。1965年の韓日国交正常化から54年間、一度も経常黒字を出していない。日本が素材3品目を規制しただけで大騒ぎする理由だ。戦線が半導体・ディスプレーを越えて機械・石油化学・二次電池などの分野に拡散する場合は対応できなくなる。
金道然(キム・ドヨン)元ポステック(浦項工科大学)総長(現ソウル大名誉教授)は「いわゆるヒドゥンチャンピオンと呼ばれる強小企業は世界で3000社ほどだが、ドイツが1300社、日本が220社、韓国は22社」とし「韓国は特に中小企業の素材・部品・装備競争力が脆弱だ」と指摘した。最近取引先を確認しに日本を訪問したある中小企業代表は「短期間ではとうてい追いつくことができないという劣等感を抱いて帰ってきた」とし「日本がその気になって我々を規制しようとすれば、いくらでも手段はある」と話した。
◆官民が総力対応も、外交で解決すべき
中長期的には素材・部品・装備の重要性を悟って関連競争力を育成する契機になった。政府は関連分野の研究開発(R&D)予算を毎年1兆ウォン(約900億円)以上投資して関連支援法を出し、20大品目は1年以内に、80大品目は5年以内に供給を安定させるという目標を設定した。関連規制も緩和する。部品・素材企業を悩ませている化学物質の登録および評価等に関する法律、化学物質管理法の許認可手続きに「ファストトラック」を導入する。政府の「素材・部品・装備競争力委員会」も11日から稼働する。
「直撃弾」を受けたサムスンとSKは「非常経営」を掲げ、輸入先多角化、部品素材国産化など半導体発の脱日本戦略に入った。日本産バッテリーセパレータを輸入してきたLG化学は日本産を減らして国産と中国産輸入量を増やしたという。航空業界は日本路線を減らす代わりに中国・東南アジアなどに路線を多角化している。
尹暢賢(ユン・チャンヒョン)ソウル市立大経営学部教授は「政府よりも機敏に対応する民間、特に大企業が活発に動いているだけに、政府が中小企業まで素材・部品・装備競争力を確保できるよう支援し、規制の障害は減らす必要がある」と助言した。LG経済研究院の李地平(イ・ジピョン)常勤諮問委員は「世界サプライチェーンの核心の日本からすべての素材を国産化するのは不可能」とし「外交葛藤で生じた問題であるだけに、政府が外交で解決するのが最善の方法」と述べた。
「経済大国」日本の予想外の一撃で、韓国の脆弱な素材・部品・装備分野の素顔がそのまま表れた。このため官民はようやく弱点を悟って競争力の向上に動き出した。「長期戦」の入り口に立った日本輸出規制措置の余波と今後の課題を見てみよう。
◆被害なしも不確実性の「暗雲」
韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が2日の国政監査で「現在まで半導体・ディスプレー素材3品目に対する日本の対韓国輸出許可承認件数は7件にすぎない」と明らかにした。それでも懸念された素材確保問題は避けている。国内の半導体業界がう回輸入ルートを見つけ、核心素材の国産化に乗り出したおかげだ。
産業部は10日、「実際に生産上の被害が生じたという報告事例はない」と明らかにした。そのためか、政府の認識が安易だという指摘も出ている。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長は7日、日本の輸出規制に関し「3品目に対する直接的な規制、ホワイト国除外措置などが韓国経済に直接もたらした被害は一つも確認されていない」と強調した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も8日、「政府・企業が迅速に全方向から対応し、今までよく対処してきた」とし「産業構造を根本的に変える転換点になれば、我々の経済体質と競争力を強化するのに大きく役立つだろう」と述べた。
しかし現場の声は違う。目の前の火は消えたのかもしれないが、事態が長期化する場合の不確実性のためだ。国内5大グループのある役員は「企業側が最も嫌うのが不確実性だが、今は不確実性がいくつも重なっている」と述べた。ある半導体業界関係者は「何とか工程を維持している状況だが、あたかも脱日本に成功したという形で伝えられているところがある」とし「安定的に事業を継続するには依然として素材供給網が十分でない」と語った。
何よりも韓国は素材・部品・装備の基本技術を日本に依存するケースが多い。1965年の韓日国交正常化から54年間、一度も経常黒字を出していない。日本が素材3品目を規制しただけで大騒ぎする理由だ。戦線が半導体・ディスプレーを越えて機械・石油化学・二次電池などの分野に拡散する場合は対応できなくなる。
金道然(キム・ドヨン)元ポステック(浦項工科大学)総長(現ソウル大名誉教授)は「いわゆるヒドゥンチャンピオンと呼ばれる強小企業は世界で3000社ほどだが、ドイツが1300社、日本が220社、韓国は22社」とし「韓国は特に中小企業の素材・部品・装備競争力が脆弱だ」と指摘した。最近取引先を確認しに日本を訪問したある中小企業代表は「短期間ではとうてい追いつくことができないという劣等感を抱いて帰ってきた」とし「日本がその気になって我々を規制しようとすれば、いくらでも手段はある」と話した。
◆官民が総力対応も、外交で解決すべき
中長期的には素材・部品・装備の重要性を悟って関連競争力を育成する契機になった。政府は関連分野の研究開発(R&D)予算を毎年1兆ウォン(約900億円)以上投資して関連支援法を出し、20大品目は1年以内に、80大品目は5年以内に供給を安定させるという目標を設定した。関連規制も緩和する。部品・素材企業を悩ませている化学物質の登録および評価等に関する法律、化学物質管理法の許認可手続きに「ファストトラック」を導入する。政府の「素材・部品・装備競争力委員会」も11日から稼働する。
「直撃弾」を受けたサムスンとSKは「非常経営」を掲げ、輸入先多角化、部品素材国産化など半導体発の脱日本戦略に入った。日本産バッテリーセパレータを輸入してきたLG化学は日本産を減らして国産と中国産輸入量を増やしたという。航空業界は日本路線を減らす代わりに中国・東南アジアなどに路線を多角化している。
尹暢賢(ユン・チャンヒョン)ソウル市立大経営学部教授は「政府よりも機敏に対応する民間、特に大企業が活発に動いているだけに、政府が中小企業まで素材・部品・装備競争力を確保できるよう支援し、規制の障害は減らす必要がある」と助言した。LG経済研究院の李地平(イ・ジピョン)常勤諮問委員は「世界サプライチェーンの核心の日本からすべての素材を国産化するのは不可能」とし「外交葛藤で生じた問題であるだけに、政府が外交で解決するのが最善の方法」と述べた。
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