北朝鮮が28日に米ニューヨークのコロンビア大学で開かれた国際フォーラムで北朝鮮制裁を改めて取り上げた。
イ・ギホ駐国連北朝鮮代表部参事官はこの日、「6・12朝米共同声明の意義と見通し」と題する演説を通じ、「米国は信頼造成と対立する制裁維持発言を公然と日常的にしている。依然としてわれわれに対する敵対感を維持している限り非核化の実現はますます遠くなるだろう」と主張した。イ参事官は「わが共和国の公式立場」としながら「米国は熟慮し真正性と大胆な決断を持って誠実な姿勢で朝米共同声明の履行に出なければならない」ともした。
米国の対北朝鮮制裁が米朝対話に向けた信頼造成を妨げる要因であり、北朝鮮敵対視政策の代表的な例という主張を繰り返したものだ。イ参事官はこれに対し北側の信頼構築措置として大陸間弾道ミサイル(ICMB)の発射試験中断と豊渓里(プンゲリ)核実験場閉鎖、米軍遺骨送還措置などを挙げた。
イ参事官のこうした発言は米朝実務交渉が迫り米国に具体的な相応措置を圧迫する次元とみられる。米朝交渉が近づくほど対北朝鮮制裁と関連した言及頻度を増やしている点も目に付く。北朝鮮は4月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最高人民会議での施政演説を通じ「制裁解除にこれ以上こだわらない」とした後に制裁解除と関連した要求は自制してきた。代わりに北朝鮮が軍事・政治的な「体制安全保障」を優先視するだろうという見通しが出てきた。
しかし今月16日に北朝鮮は外務省米国担当局長の談話を通じ米朝実務交渉再開の前提条件として「制度安全を不安にし、発展を妨害する威嚇と障害物が除去されなければならない」という趣旨で話した。「発展を妨害する威嚇と障害物」とは対北朝鮮制裁を遠回しに表現したものと解釈された。
27日には金桂官(キム・ゲグァン)外務省顧問の談話文で「米国は大統領が直接中止を公約した合同軍事演習を再開し、対朝鮮制裁圧迫をさらに強化して朝米関係を退歩させた」と言及し、2日後の29日には党機関紙の労働新聞が国連総会期間に非同盟グループ外相会議出席を伝える記事で「敵対勢力の制裁と圧迫を自立自力ではき捨てる」と主張し制裁と関連した不満を露骨化している。
◇表れた本心? 非核化段階増やす?
結局米朝実務交渉が差し迫ると北朝鮮が制裁解除の本性を表わすのではないかという分析が出ている。世宗(セジョン)研究所米国研究センター長のウ・ジョンヨプ氏は「制度の安全保障というものは最初からあいまいで難しいということを北朝鮮も知っているので、高いもの(安全保障)から提示し低い段階(制裁解除)へ要求していく戦略を駆使するものとみる」と分析した。今後の交渉で北側の要求が「制度安全(体制保障)→制裁解除」へと帰結されるという見通しだ。
ただ金委員長が肉声で制裁解除にこだわらないと述べただけに、これを公式立場として掲げはしないものとみられる。金桂官顧問が「ワシントンの政界で制裁がわれわれを対話に引き出したものと錯覚する見解が乱舞している」と主張したのもこのためということだ。
韓米外交当局は北朝鮮が今回の交渉で「制度安全」ないしは体制保障の概念を具体的に提示していない点も注目している。米国は「交渉テーブルで望むものが何か話すべき」という立場だが、実際に北側は積極的でない。
韓国国防研究院安保戦略研究センターのイ・チュング専任研究員はこれに対し「北朝鮮はクリントン政権からブッシュ政権に政権が交替した時、2002年12月に外務省談話を通じ『不可侵協定』のような具体的な安全保障要求をしたことがある。トランプ・金正恩時代の交渉でこうした要求をせずあいまいにしている理由は、実際に非核化するための条件を最大限開けておくためだとみる」と分析した。金委員長の執権目標である「経済発展」に向けては国連安保理の制裁解除という具体的で明確な要求を提示し、非核化段階を最大限増やすために軍事・政治的安全保障問題はさまざまに解釈が可能なように開いておくということだ。
◇7月→9月末→10月、ずれ込む実務交渉
米朝実務交渉は10月にずれ込む雰囲気だ。これで金正恩委員長が6月30日に板門店(パンムンジョム)での会合でトランプ大統領に約束した「2~3週間以内の再開」と崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が今月初めに言及した「9月中~下旬」いずれも守られないことになった。外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官はただ、28日に米ブルームバーグとのインタビューで「北朝鮮が対話に戻ろうとするシグナルがますます具体化されているため実務交渉は数週間以内に行われるとみる」と明らかにした。
北側の鈍い反応をめぐり「寧辺(ヨンビョン)閉鎖以上」を持ち出さなければならない現実的な悩みと、米国の国内政治状況考慮など複合的な要因が作用したという分析が出ている。特に最近起きているトランプ大統領弾劾問題は北朝鮮が今回の交渉でどこまで出すべきかためらわせかねないと指摘される。一方で北朝鮮外務省の典型的な遅延戦略という見方もある。
イ・ギホ駐国連北朝鮮代表部参事官はこの日、「6・12朝米共同声明の意義と見通し」と題する演説を通じ、「米国は信頼造成と対立する制裁維持発言を公然と日常的にしている。依然としてわれわれに対する敵対感を維持している限り非核化の実現はますます遠くなるだろう」と主張した。イ参事官は「わが共和国の公式立場」としながら「米国は熟慮し真正性と大胆な決断を持って誠実な姿勢で朝米共同声明の履行に出なければならない」ともした。
米国の対北朝鮮制裁が米朝対話に向けた信頼造成を妨げる要因であり、北朝鮮敵対視政策の代表的な例という主張を繰り返したものだ。イ参事官はこれに対し北側の信頼構築措置として大陸間弾道ミサイル(ICMB)の発射試験中断と豊渓里(プンゲリ)核実験場閉鎖、米軍遺骨送還措置などを挙げた。
イ参事官のこうした発言は米朝実務交渉が迫り米国に具体的な相応措置を圧迫する次元とみられる。米朝交渉が近づくほど対北朝鮮制裁と関連した言及頻度を増やしている点も目に付く。北朝鮮は4月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最高人民会議での施政演説を通じ「制裁解除にこれ以上こだわらない」とした後に制裁解除と関連した要求は自制してきた。代わりに北朝鮮が軍事・政治的な「体制安全保障」を優先視するだろうという見通しが出てきた。
しかし今月16日に北朝鮮は外務省米国担当局長の談話を通じ米朝実務交渉再開の前提条件として「制度安全を不安にし、発展を妨害する威嚇と障害物が除去されなければならない」という趣旨で話した。「発展を妨害する威嚇と障害物」とは対北朝鮮制裁を遠回しに表現したものと解釈された。
27日には金桂官(キム・ゲグァン)外務省顧問の談話文で「米国は大統領が直接中止を公約した合同軍事演習を再開し、対朝鮮制裁圧迫をさらに強化して朝米関係を退歩させた」と言及し、2日後の29日には党機関紙の労働新聞が国連総会期間に非同盟グループ外相会議出席を伝える記事で「敵対勢力の制裁と圧迫を自立自力ではき捨てる」と主張し制裁と関連した不満を露骨化している。
◇表れた本心? 非核化段階増やす?
結局米朝実務交渉が差し迫ると北朝鮮が制裁解除の本性を表わすのではないかという分析が出ている。世宗(セジョン)研究所米国研究センター長のウ・ジョンヨプ氏は「制度の安全保障というものは最初からあいまいで難しいということを北朝鮮も知っているので、高いもの(安全保障)から提示し低い段階(制裁解除)へ要求していく戦略を駆使するものとみる」と分析した。今後の交渉で北側の要求が「制度安全(体制保障)→制裁解除」へと帰結されるという見通しだ。
ただ金委員長が肉声で制裁解除にこだわらないと述べただけに、これを公式立場として掲げはしないものとみられる。金桂官顧問が「ワシントンの政界で制裁がわれわれを対話に引き出したものと錯覚する見解が乱舞している」と主張したのもこのためということだ。
韓米外交当局は北朝鮮が今回の交渉で「制度安全」ないしは体制保障の概念を具体的に提示していない点も注目している。米国は「交渉テーブルで望むものが何か話すべき」という立場だが、実際に北側は積極的でない。
韓国国防研究院安保戦略研究センターのイ・チュング専任研究員はこれに対し「北朝鮮はクリントン政権からブッシュ政権に政権が交替した時、2002年12月に外務省談話を通じ『不可侵協定』のような具体的な安全保障要求をしたことがある。トランプ・金正恩時代の交渉でこうした要求をせずあいまいにしている理由は、実際に非核化するための条件を最大限開けておくためだとみる」と分析した。金委員長の執権目標である「経済発展」に向けては国連安保理の制裁解除という具体的で明確な要求を提示し、非核化段階を最大限増やすために軍事・政治的安全保障問題はさまざまに解釈が可能なように開いておくということだ。
◇7月→9月末→10月、ずれ込む実務交渉
米朝実務交渉は10月にずれ込む雰囲気だ。これで金正恩委員長が6月30日に板門店(パンムンジョム)での会合でトランプ大統領に約束した「2~3週間以内の再開」と崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が今月初めに言及した「9月中~下旬」いずれも守られないことになった。外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官はただ、28日に米ブルームバーグとのインタビューで「北朝鮮が対話に戻ろうとするシグナルがますます具体化されているため実務交渉は数週間以内に行われるとみる」と明らかにした。
北側の鈍い反応をめぐり「寧辺(ヨンビョン)閉鎖以上」を持ち出さなければならない現実的な悩みと、米国の国内政治状況考慮など複合的な要因が作用したという分析が出ている。特に最近起きているトランプ大統領弾劾問題は北朝鮮が今回の交渉でどこまで出すべきかためらわせかねないと指摘される。一方で北朝鮮外務省の典型的な遅延戦略という見方もある。
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