韓日葛藤の解決方法を模索するために両国の専門家が25日、韓国プレスセンターで開かれた韓日共同セミナー(韓半島平和作り主催)で額を突き合わせた。
「葛藤を越え共生のための韓日関係に向かって」を主題とした今回のセミナーは、両国関係を診断する韓国専門家の集まりである韓日ビジョンフォーラムが今年4月から13回にわたって行ってきた議論を決算する場だ。
韓半島平和作りの洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)理事長は基調演説で「両国の関係が最悪の状態に陥っているのはあまりにも残念」とし「ここにたった一つの葛藤要因でも加われば、『ラクダの背中を折る最後のわら』にもなる危険な状態」と述べた。
洪理事長は両国政府に格別の対策を提案した。韓国政府には「日本に対して強制徴用被害者賠償を要求しないと宣言してほしい」とし「『日本が難しいと考えているなら敢えて受け取らない』というところで整理しようということ」と述べた。日本政府には「不法な植民支配と強制徴用に対して謝罪し、反省する立場をはっきりと明らかにしなければならない」として「金大中‐小渕韓日パートナーシップ宣言のように政府間合意という形で『韓国人』に対する明確なメッセージを送らなければならない」と指摘した。
東アジア財団の孔魯明(コン・ノミョン)理事長は祝辞で「未来志向の関係のために、韓国は日本の歴史的な過ちに対してもう少し寛大でなければならない」とし「日本も今のように韓国を大陸勢力に追い詰めるような姿勢を維持するのは日本の利益のためにならない」と指摘した。
<洪錫ヒョン・韓半島平和作り理事長の基調演説全文>
タイトル:迷路に閉じ込められた韓日関係、指導者の決断が必要だ
尊敬する韓日両国の知識人と専門家の皆さん。
今日、私たちは真っ暗な迷路に閉じ込められた両国関係に一筋の光を当てようとの切実な心情でこの場に集まりました。厳しい環境にもかかわらず、快くご臨席くださった長嶺大使、小倉元大使をはじめとする日本の知識人の方々に格別の友情と感謝の気持ちを伝えます。韓国の孔魯明(コン・ノミョン)・韓昇洲(ハン・スンジュ)・柳明桓(ユ・ミョンファン)元長官、崔相龍(チェ・サンリョン)、申ガク秀(シン・ガクス)、安豪栄(アン・ホヨン)元大使をはじめとする韓国側参加者の皆様にも感謝申し上げます。
私は順調だった韓日関係の回復に向け、微力ながら力添えしたいとの一心で、今年4月、ここにおられる韓国最高の専門家の皆様と共に韓日ビジョンフォーラムを立ち上げました。政府次元で提起しにくい問題について共に悩み、解決方法を模索しようとの趣旨でした。当時は目に見える動きもなく、誰も警告音を出しませんでしたが、不幸な事態を防ごうという切迫した心情で立ち上がった次第です。
韓日ビジョンフォーラムは今まで13回の討論会を開催し、歴史・経済・外交・安保のほぼすべての懸案を扱いました。幸いにも両国双方から知恵のある方々の熱い声援と支持がありました。結果的に両国の関係改善に向けた大妥協が必要だという雰囲気を作るのに寄与したという評価を耳にすることができました。ご参加くださったすべての方々に心から感謝の言葉を申し上げます。
皆さん、韓国と日本は2500年という間、絶えず相手の長所を学び、それぞれの文明を一段階高い水準へと引き上げてきました。両国は互いに大切な師匠であり、身近な友でした。第2次世界大戦以降は民主主義と市場経済の価値を共有・拡散しながら、異なるあらゆる国々の模範となりました。
特に、1965年の国交正常化以降、両国は歴史上最高の相互利益を実現しました。躍動的な世界経済のグローバルバリューチェーンで有機的かつ相互依存的な関係を結びました。日本は韓国を主要市場の一つとしてグローバルバリューチェーンの最上段に位置しました。1965年の韓日国交正常化から今までの累積貿易黒字は6046億ドル(約64兆9000億円)、約798兆ウォンになります。韓国は日本の資本と技術をベースに急成長しました。日本から材料・部品・装備を輸入し、年間1267億ドル、約150兆ウォン規模の半導体輸出を達成しています。
両国はこのようにあまりにも相性がよく合い、二人三脚の分業体制で互いにウィンウィンの成果を収めてきました。それだけではありません。韓国製造業はマーケティング能力が卓越し、日本は資本と技術に優れています。そのため第三国の市場を切り開く際には強力なシナジーを発揮してきました。これほどになれば、韓日両国は事実上の自然的経済共同体を構築してきたといわなければならないでしょう。
このような両国の関係が最悪の状態に陥っているのはあまりにも残念なことです。最初は歴史をめぐってぶつかっていましたが、ついに経済と安保でも衝突しています。強制徴用被害者に日本企業が賠償することを命じた昨年10月の韓国大法院の判決によって触発された葛藤は、半導体・ディスプレー核心材料の輸出手続きの強化、韓国企業に対する日本政府のホワイトリスト除外、韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄へと悪化の一路をたどっています。
特に、GSOMIA破棄は韓国政府が米国の介入を引き出すために下した決定だといいますが、結果的に「韓国が中国に傾いた」という疑いだけを大きくしてしまいました。日増しに高まる北核脅威に備える韓米同盟と韓米日三角安保共助の土台になる相互信頼に亀裂をもたらしてしまいました。このように韓日両国が互いに頼り合うようにしておきながら、不意をつく相互依存性の武器化(Weaponization of interdependence)はアジアを代表する文明国家の品格に全く釣り合いません。
渦巻く国内政治での有利・不利を計算して、理性ではなく感情に訴える時代錯誤的な過剰民族主義の亡霊が21世紀の北東アジアで見え隠れしています。ここにたった一つの葛藤要因でも加われば、「ラクダの背中を折る最後のわら」になりえます。非常に危険な状態です。これからは反日と嫌韓で支持者を結集させようとする指導者の激しい言葉は中断しなければなりません。「政治は国境ラインで止まらなければならない」という外交世界の知恵が発揮されるべきです。
<韓日共同セミナー>「韓国は徴用賠償要求せず日本ははっきりとした謝罪を」(2)
<韓日共同セミナー>「韓国は徴用賠償要求せず日本ははっきりとした謝罪を」(3)
「葛藤を越え共生のための韓日関係に向かって」を主題とした今回のセミナーは、両国関係を診断する韓国専門家の集まりである韓日ビジョンフォーラムが今年4月から13回にわたって行ってきた議論を決算する場だ。
韓半島平和作りの洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)理事長は基調演説で「両国の関係が最悪の状態に陥っているのはあまりにも残念」とし「ここにたった一つの葛藤要因でも加われば、『ラクダの背中を折る最後のわら』にもなる危険な状態」と述べた。
洪理事長は両国政府に格別の対策を提案した。韓国政府には「日本に対して強制徴用被害者賠償を要求しないと宣言してほしい」とし「『日本が難しいと考えているなら敢えて受け取らない』というところで整理しようということ」と述べた。日本政府には「不法な植民支配と強制徴用に対して謝罪し、反省する立場をはっきりと明らかにしなければならない」として「金大中‐小渕韓日パートナーシップ宣言のように政府間合意という形で『韓国人』に対する明確なメッセージを送らなければならない」と指摘した。
東アジア財団の孔魯明(コン・ノミョン)理事長は祝辞で「未来志向の関係のために、韓国は日本の歴史的な過ちに対してもう少し寛大でなければならない」とし「日本も今のように韓国を大陸勢力に追い詰めるような姿勢を維持するのは日本の利益のためにならない」と指摘した。
<洪錫ヒョン・韓半島平和作り理事長の基調演説全文>
タイトル:迷路に閉じ込められた韓日関係、指導者の決断が必要だ
尊敬する韓日両国の知識人と専門家の皆さん。
今日、私たちは真っ暗な迷路に閉じ込められた両国関係に一筋の光を当てようとの切実な心情でこの場に集まりました。厳しい環境にもかかわらず、快くご臨席くださった長嶺大使、小倉元大使をはじめとする日本の知識人の方々に格別の友情と感謝の気持ちを伝えます。韓国の孔魯明(コン・ノミョン)・韓昇洲(ハン・スンジュ)・柳明桓(ユ・ミョンファン)元長官、崔相龍(チェ・サンリョン)、申ガク秀(シン・ガクス)、安豪栄(アン・ホヨン)元大使をはじめとする韓国側参加者の皆様にも感謝申し上げます。
私は順調だった韓日関係の回復に向け、微力ながら力添えしたいとの一心で、今年4月、ここにおられる韓国最高の専門家の皆様と共に韓日ビジョンフォーラムを立ち上げました。政府次元で提起しにくい問題について共に悩み、解決方法を模索しようとの趣旨でした。当時は目に見える動きもなく、誰も警告音を出しませんでしたが、不幸な事態を防ごうという切迫した心情で立ち上がった次第です。
韓日ビジョンフォーラムは今まで13回の討論会を開催し、歴史・経済・外交・安保のほぼすべての懸案を扱いました。幸いにも両国双方から知恵のある方々の熱い声援と支持がありました。結果的に両国の関係改善に向けた大妥協が必要だという雰囲気を作るのに寄与したという評価を耳にすることができました。ご参加くださったすべての方々に心から感謝の言葉を申し上げます。
皆さん、韓国と日本は2500年という間、絶えず相手の長所を学び、それぞれの文明を一段階高い水準へと引き上げてきました。両国は互いに大切な師匠であり、身近な友でした。第2次世界大戦以降は民主主義と市場経済の価値を共有・拡散しながら、異なるあらゆる国々の模範となりました。
特に、1965年の国交正常化以降、両国は歴史上最高の相互利益を実現しました。躍動的な世界経済のグローバルバリューチェーンで有機的かつ相互依存的な関係を結びました。日本は韓国を主要市場の一つとしてグローバルバリューチェーンの最上段に位置しました。1965年の韓日国交正常化から今までの累積貿易黒字は6046億ドル(約64兆9000億円)、約798兆ウォンになります。韓国は日本の資本と技術をベースに急成長しました。日本から材料・部品・装備を輸入し、年間1267億ドル、約150兆ウォン規模の半導体輸出を達成しています。
両国はこのようにあまりにも相性がよく合い、二人三脚の分業体制で互いにウィンウィンの成果を収めてきました。それだけではありません。韓国製造業はマーケティング能力が卓越し、日本は資本と技術に優れています。そのため第三国の市場を切り開く際には強力なシナジーを発揮してきました。これほどになれば、韓日両国は事実上の自然的経済共同体を構築してきたといわなければならないでしょう。
このような両国の関係が最悪の状態に陥っているのはあまりにも残念なことです。最初は歴史をめぐってぶつかっていましたが、ついに経済と安保でも衝突しています。強制徴用被害者に日本企業が賠償することを命じた昨年10月の韓国大法院の判決によって触発された葛藤は、半導体・ディスプレー核心材料の輸出手続きの強化、韓国企業に対する日本政府のホワイトリスト除外、韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄へと悪化の一路をたどっています。
特に、GSOMIA破棄は韓国政府が米国の介入を引き出すために下した決定だといいますが、結果的に「韓国が中国に傾いた」という疑いだけを大きくしてしまいました。日増しに高まる北核脅威に備える韓米同盟と韓米日三角安保共助の土台になる相互信頼に亀裂をもたらしてしまいました。このように韓日両国が互いに頼り合うようにしておきながら、不意をつく相互依存性の武器化(Weaponization of interdependence)はアジアを代表する文明国家の品格に全く釣り合いません。
渦巻く国内政治での有利・不利を計算して、理性ではなく感情に訴える時代錯誤的な過剰民族主義の亡霊が21世紀の北東アジアで見え隠れしています。ここにたった一つの葛藤要因でも加われば、「ラクダの背中を折る最後のわら」になりえます。非常に危険な状態です。これからは反日と嫌韓で支持者を結集させようとする指導者の激しい言葉は中断しなければなりません。「政治は国境ラインで止まらなければならない」という外交世界の知恵が発揮されるべきです。
<韓日共同セミナー>「韓国は徴用賠償要求せず日本ははっきりとした謝罪を」(2)
<韓日共同セミナー>「韓国は徴用賠償要求せず日本ははっきりとした謝罪を」(3)
この記事を読んで…