◆「陣営戦争」規定する戦略的な誤判断
チョ・グク事態は青瓦台と民主党がこの戦いから退くことはできない「陣営戦争」として規定する戦略的な誤判断を犯し、むしろ自らを危険を陥れる危機へと拡大している。危険な戦略だ。現在の局面は保守陣営、自由韓国党、検察との戦いではない。青瓦台と民主党が大統領選挙で文大統領を選び、今でも文大統領を支持しているが、チョ・グク長官任命に批判的な支持層に対抗していることが今回の事態の本質だ。
チョ・グク氏の任命を強行した瞬間、「チョ・グク・イシュー」が「文在寅イシュー」に転換されたため、秋夕(チュソク、中秋)連休以降の調査で大統領職務遂行評価支持率が40%以下になるかどうかを見極めなければならない。検察の捜査で致命的なスモーキングガンが出てくれば、‘連帯保証人’の文大統領と民主党は大きな打撃を受けるかもしれない。支持率が35%以下に急落することもありうる。
歴史的に政権の危機は「選挙連合」よりも「統治連合」の範囲が縮小される時に始まった。金泳三(キム・ヨンサム、YS)政権は金鍾泌(キム・ジョンピル、JP)元首相の離党と全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)の拘束で3党合同の2本軸が崩壊しながら危機がもたらされた。
DJP連合で執権した金大中(キム・デジュン、DJ)政権は金鍾泌と決別しながら危機が始まった。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は湖南(ホナム)と決別しながら任期初年度にレームダックに陥った。李明博(イ・ミョンバク)政権は朴槿恵(パク・クネ)が「国民もだまされ、私もだまされた」と話した時、朴槿恵政権は「保守同盟」を解体する瞬間に危機が始まった。反面、軍事クーデターの主役であり、36.6%という低い支持率で当選して正統性の弱かった盧泰愚政権は3党合同を通じて選挙連合よりもはるかに広い統治連合に成功したことから多くの業績を残すことができた。統治連合に成功した唯一の事例だ。
◆統治連合へ拡大してこそ国政成功
アイデンティティを越えて外縁拡大の選挙連合をしてこそ選挙で勝つことができ、選挙連合を越えて考えが異なる勢力とも手を取る統治連合をしてこそ国政に成功することができる。文在寅政権は選挙連合よりもはるかに広い統治連合を作る機会があったがそのようにしなかった。チョ・グク事態によってはじめて選挙連合に亀裂の前兆が見え始めた。
文大統領と民主党が核心支持層の離脱を恐れて任命強行を決めたのなら、歴史的経験から見る時、それも誤判断になりうる。軍事クーデター勢力と3党合党した時も金泳三の支持層は動揺しなかった。理念が異なる金鍾泌と連合をするとき、金大中の支持層も支持を撤回しなかった。盧武鉉大統領が財閥出身の鄭夢準(チョン・モンジュン)候補と単一化した時も支持者は離脱しなかった。朴槿恵大統領が進歩の議題である「経済民主化」を宣言した時も支持者は離れなかった。指導者に対する信頼が戦術的逸脱を圧倒したためだ。文大統領も決断して理解を求めたら支持者は受け入れただろう。
◆選挙勝利のカギは中道層支持
今はすべての政党が陣営論理に陥って極端支持層だけを頼みにする分裂の時代だ。しかし、選挙勝利のカギは両極端の50%ではなくいつでも支持を撤回できる50%中道層の手の中にある。コメントで応援したり、SMS爆弾を送ったり、ポータルサイトのリアルタイム検索語ランキングを引き上げる極端支持層が選挙勝利をもたらすわけではない。政権が間違った方向に向かっている時に支持を撤回する中道スイング・ボーター(swing voter)の支持を失わないことがはるかに重要だ。政治は単純だ。支持基盤を広げれば生き長らえ、狭めれば死ぬ。例外がない。保守でも進歩でも中道を失えば政権を失う。
1990年3党合党で結ばれた「保守同盟」は自由主義勢力と保守勢力が「改革」と「保守」で衝突しながら作り出した緊張が党を強くした。アイデンティティか外縁拡大かの激しい論争は党の健康性を示すバロメーターだ。反面、朴槿恵政権は歴史国定教科書の採択、統合進歩党解散など従北左派の清算にエネルギーを消耗して執権初期の改革ゴールデンタイムを逃した。自由韓国党の2016年総選挙、2017年大統領選挙、2018年地方選挙の惨敗は‘革新’対‘既得権’、‘未来’対‘過去’、‘新’対‘旧’、‘統合’対‘分裂’の戦いで、既得権、過去、旧、分裂を軸に据えたからだ。
民主党が警戒しなければならない部分だ。他の声に耳を塞いだ瞬間、政党は死ぬ。党内の異見に対する支持者の攻撃は没落の前兆だ。チョ・グク事態がこれを克明に示している。理念的鮮明性と進歩というフレームに閉じ込められている一つの垣根を離れた中道保守は戻ってこない。そして彼らが戻ってこなければ総選挙の勝利は期待できない。思うように現実を変える力がないなら、現実に合わせて考えを変えなければならない。
【コラム】「支持層の離脱が怖くてチョ・グク任命を強行したのなら誤った判断」=韓国(1)
チョ・グク事態は青瓦台と民主党がこの戦いから退くことはできない「陣営戦争」として規定する戦略的な誤判断を犯し、むしろ自らを危険を陥れる危機へと拡大している。危険な戦略だ。現在の局面は保守陣営、自由韓国党、検察との戦いではない。青瓦台と民主党が大統領選挙で文大統領を選び、今でも文大統領を支持しているが、チョ・グク長官任命に批判的な支持層に対抗していることが今回の事態の本質だ。
チョ・グク氏の任命を強行した瞬間、「チョ・グク・イシュー」が「文在寅イシュー」に転換されたため、秋夕(チュソク、中秋)連休以降の調査で大統領職務遂行評価支持率が40%以下になるかどうかを見極めなければならない。検察の捜査で致命的なスモーキングガンが出てくれば、‘連帯保証人’の文大統領と民主党は大きな打撃を受けるかもしれない。支持率が35%以下に急落することもありうる。
歴史的に政権の危機は「選挙連合」よりも「統治連合」の範囲が縮小される時に始まった。金泳三(キム・ヨンサム、YS)政権は金鍾泌(キム・ジョンピル、JP)元首相の離党と全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)の拘束で3党合同の2本軸が崩壊しながら危機がもたらされた。
DJP連合で執権した金大中(キム・デジュン、DJ)政権は金鍾泌と決別しながら危機が始まった。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は湖南(ホナム)と決別しながら任期初年度にレームダックに陥った。李明博(イ・ミョンバク)政権は朴槿恵(パク・クネ)が「国民もだまされ、私もだまされた」と話した時、朴槿恵政権は「保守同盟」を解体する瞬間に危機が始まった。反面、軍事クーデターの主役であり、36.6%という低い支持率で当選して正統性の弱かった盧泰愚政権は3党合同を通じて選挙連合よりもはるかに広い統治連合に成功したことから多くの業績を残すことができた。統治連合に成功した唯一の事例だ。
◆統治連合へ拡大してこそ国政成功
アイデンティティを越えて外縁拡大の選挙連合をしてこそ選挙で勝つことができ、選挙連合を越えて考えが異なる勢力とも手を取る統治連合をしてこそ国政に成功することができる。文在寅政権は選挙連合よりもはるかに広い統治連合を作る機会があったがそのようにしなかった。チョ・グク事態によってはじめて選挙連合に亀裂の前兆が見え始めた。
文大統領と民主党が核心支持層の離脱を恐れて任命強行を決めたのなら、歴史的経験から見る時、それも誤判断になりうる。軍事クーデター勢力と3党合党した時も金泳三の支持層は動揺しなかった。理念が異なる金鍾泌と連合をするとき、金大中の支持層も支持を撤回しなかった。盧武鉉大統領が財閥出身の鄭夢準(チョン・モンジュン)候補と単一化した時も支持者は離脱しなかった。朴槿恵大統領が進歩の議題である「経済民主化」を宣言した時も支持者は離れなかった。指導者に対する信頼が戦術的逸脱を圧倒したためだ。文大統領も決断して理解を求めたら支持者は受け入れただろう。
◆選挙勝利のカギは中道層支持
今はすべての政党が陣営論理に陥って極端支持層だけを頼みにする分裂の時代だ。しかし、選挙勝利のカギは両極端の50%ではなくいつでも支持を撤回できる50%中道層の手の中にある。コメントで応援したり、SMS爆弾を送ったり、ポータルサイトのリアルタイム検索語ランキングを引き上げる極端支持層が選挙勝利をもたらすわけではない。政権が間違った方向に向かっている時に支持を撤回する中道スイング・ボーター(swing voter)の支持を失わないことがはるかに重要だ。政治は単純だ。支持基盤を広げれば生き長らえ、狭めれば死ぬ。例外がない。保守でも進歩でも中道を失えば政権を失う。
1990年3党合党で結ばれた「保守同盟」は自由主義勢力と保守勢力が「改革」と「保守」で衝突しながら作り出した緊張が党を強くした。アイデンティティか外縁拡大かの激しい論争は党の健康性を示すバロメーターだ。反面、朴槿恵政権は歴史国定教科書の採択、統合進歩党解散など従北左派の清算にエネルギーを消耗して執権初期の改革ゴールデンタイムを逃した。自由韓国党の2016年総選挙、2017年大統領選挙、2018年地方選挙の惨敗は‘革新’対‘既得権’、‘未来’対‘過去’、‘新’対‘旧’、‘統合’対‘分裂’の戦いで、既得権、過去、旧、分裂を軸に据えたからだ。
民主党が警戒しなければならない部分だ。他の声に耳を塞いだ瞬間、政党は死ぬ。党内の異見に対する支持者の攻撃は没落の前兆だ。チョ・グク事態がこれを克明に示している。理念的鮮明性と進歩というフレームに閉じ込められている一つの垣根を離れた中道保守は戻ってこない。そして彼らが戻ってこなければ総選挙の勝利は期待できない。思うように現実を変える力がないなら、現実に合わせて考えを変えなければならない。
【コラム】「支持層の離脱が怖くてチョ・グク任命を強行したのなら誤った判断」=韓国(1)
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