北朝鮮が米国に今月下旬の対話再開を提案し、「新たな計算法」を再び強調した。事実上の核保有国の地位を保障し、国連の対北朝鮮制裁を解除してほしいというこれまでの主張をさらに強く押し出してくるものと予想される。一部では北朝鮮が2月末のハノイ会談決裂を教訓に電撃的に核査察を受け入れることもあるだろうとの観測が出ている。
◇北朝鮮、核査察受け入れの可能性提起
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は9日夜に発表した談話で、「米国側が朝米双方の利害関係にともにこたえわれわれに受け入れ可能な計算法に基づいた対案を持って出てくるものと信じたい」と明らかにした。4月に金正恩(キム・ジョンウン)委員長が最高人民会議での施政演説で言及した「新しい道」を取り上げたものだ。当時金正恩委員長は「今年末までは忍耐心を持って米国の勇断を待ってみるだろう」と期限を定めた。また「米国がいまの政治的計算法に固執するならば問題解決の見通しは暗くなり、とても危険だろう」と主張した。
専門家らは北朝鮮が掲げる「新しい計算法」が事実上の核保有国地位認定、対北朝鮮制裁緩和または解除とみている。国際社会で正式に核保有国と認められた国は国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(米国、中国、英国、フランス、ロシア)だけだ。その他事実上の核保有国と非公式に認められる国はインドとパキスタン、イスラエルなどだ。北朝鮮はハノイ会談当時、寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄を米国に条件として出したが、トランプ大統領はテーブルを蹴って出てきた後「北朝鮮が公開していない追加施設を知っている」と話した。
康仁徳(カン・インドク)元統一部長官は「金正恩が事実上の核保有国の地位を認めてもらうために電撃的に国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れたり、核拡散防止条約(NPT)に再加入する代わりに核凍結からしようという『思い切った戦略』を差し出す可能性がある」と話した。また、「トランプ大統領にこの程度の条件は提示しなければ米国との交渉で対北朝鮮制裁を解くという目標を達成できないだろうと考えるだろう」と付け加えた。
◇米朝実務会談は長期戦予想
米朝実務交渉が今月中に開かれるものと既定事実化され双方がいつどこで会うのかに関心が集まる。米国務省は9日、「この時点で発表するいかなる会合も持っていない」としたが、実務交渉開催自体を否定してはいない。トランプ大統領も米朝が「会えば良いだろう」と話した。
米国側からは国務省のビーガン対北朝鮮政策特別代表、北朝鮮からは金明吉(キム・ミョンギル)前駐ベトナム大使がそれぞれ出ると予想される。金明吉氏はハノイ会談の際にビーガン代表のカウンターパートだった金革哲(キム・ヒョクチョル)対米特別代表の後任という。2人はひとまず欧州などの第三国で会う可能性が高いと伝えられた。
1回目と2回目の実務交渉がトランプ大統領と金正恩委員長の首脳会談を準備する次元の性格が強かったとすれば、今回は具体的な議題を議論するものとみられる。匿名の対北朝鮮政策専門家は、「米国とロシアの中距離核戦力廃棄条約(INF)が破棄され、米国が中国を牽制するためアジア地域にミサイルを配備する可能性が高まった。北朝鮮がこれを口実に韓米合同軍事演習の中断、在韓米軍撤収などを促すだろう」と話した。ビーガン代表が最近韓日核武装論に言及した背景もこうした北東アジア安保情勢の変化を取り上げ米国のアジア政策はいつでも変えられると北朝鮮に警告したものとこの専門家は付け加えた。
◇「通米封南」は続く
米朝交渉再開は南北関係改善につながりはしないと予想される。北朝鮮は最近公式談話と宣伝メディアなどを通じ、米朝対話と南北関係は別として通米封南(韓国を排除したまま米国と交渉)戦略を守っている。
北朝鮮の対南組織である祖国平和統一委員会は先月16日に報道官談話を通じ「(南側は)今後の朝米対話で漁夫の利を得ようとする未練はあらかじめ引っ込めた方が良いだろう」と断言した。9・19平壌(ピョンヤン)首脳会談共同宣言合意など昨年行われた大型の南北関係成果が1周年を迎えるが、共同記念行事は行われない予定だ。西江(ソガン)大学国際大学院のキム・ジェチョン教授は「北朝鮮が文在寅政権に多く失望した状態。今後南北関係と関連し韓国政府の役割はこれ以上ないとのシグナルを与えたものとみる」と話した。
◇北朝鮮、核査察受け入れの可能性提起
北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は9日夜に発表した談話で、「米国側が朝米双方の利害関係にともにこたえわれわれに受け入れ可能な計算法に基づいた対案を持って出てくるものと信じたい」と明らかにした。4月に金正恩(キム・ジョンウン)委員長が最高人民会議での施政演説で言及した「新しい道」を取り上げたものだ。当時金正恩委員長は「今年末までは忍耐心を持って米国の勇断を待ってみるだろう」と期限を定めた。また「米国がいまの政治的計算法に固執するならば問題解決の見通しは暗くなり、とても危険だろう」と主張した。
専門家らは北朝鮮が掲げる「新しい計算法」が事実上の核保有国地位認定、対北朝鮮制裁緩和または解除とみている。国際社会で正式に核保有国と認められた国は国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(米国、中国、英国、フランス、ロシア)だけだ。その他事実上の核保有国と非公式に認められる国はインドとパキスタン、イスラエルなどだ。北朝鮮はハノイ会談当時、寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄を米国に条件として出したが、トランプ大統領はテーブルを蹴って出てきた後「北朝鮮が公開していない追加施設を知っている」と話した。
康仁徳(カン・インドク)元統一部長官は「金正恩が事実上の核保有国の地位を認めてもらうために電撃的に国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れたり、核拡散防止条約(NPT)に再加入する代わりに核凍結からしようという『思い切った戦略』を差し出す可能性がある」と話した。また、「トランプ大統領にこの程度の条件は提示しなければ米国との交渉で対北朝鮮制裁を解くという目標を達成できないだろうと考えるだろう」と付け加えた。
◇米朝実務会談は長期戦予想
米朝実務交渉が今月中に開かれるものと既定事実化され双方がいつどこで会うのかに関心が集まる。米国務省は9日、「この時点で発表するいかなる会合も持っていない」としたが、実務交渉開催自体を否定してはいない。トランプ大統領も米朝が「会えば良いだろう」と話した。
米国側からは国務省のビーガン対北朝鮮政策特別代表、北朝鮮からは金明吉(キム・ミョンギル)前駐ベトナム大使がそれぞれ出ると予想される。金明吉氏はハノイ会談の際にビーガン代表のカウンターパートだった金革哲(キム・ヒョクチョル)対米特別代表の後任という。2人はひとまず欧州などの第三国で会う可能性が高いと伝えられた。
1回目と2回目の実務交渉がトランプ大統領と金正恩委員長の首脳会談を準備する次元の性格が強かったとすれば、今回は具体的な議題を議論するものとみられる。匿名の対北朝鮮政策専門家は、「米国とロシアの中距離核戦力廃棄条約(INF)が破棄され、米国が中国を牽制するためアジア地域にミサイルを配備する可能性が高まった。北朝鮮がこれを口実に韓米合同軍事演習の中断、在韓米軍撤収などを促すだろう」と話した。ビーガン代表が最近韓日核武装論に言及した背景もこうした北東アジア安保情勢の変化を取り上げ米国のアジア政策はいつでも変えられると北朝鮮に警告したものとこの専門家は付け加えた。
◇「通米封南」は続く
米朝交渉再開は南北関係改善につながりはしないと予想される。北朝鮮は最近公式談話と宣伝メディアなどを通じ、米朝対話と南北関係は別として通米封南(韓国を排除したまま米国と交渉)戦略を守っている。
北朝鮮の対南組織である祖国平和統一委員会は先月16日に報道官談話を通じ「(南側は)今後の朝米対話で漁夫の利を得ようとする未練はあらかじめ引っ込めた方が良いだろう」と断言した。9・19平壌(ピョンヤン)首脳会談共同宣言合意など昨年行われた大型の南北関係成果が1周年を迎えるが、共同記念行事は行われない予定だ。西江(ソガン)大学国際大学院のキム・ジェチョン教授は「北朝鮮が文在寅政権に多く失望した状態。今後南北関係と関連し韓国政府の役割はこれ以上ないとのシグナルを与えたものとみる」と話した。
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