2004年2月、ソウル行政法院は韓日請求権協定の関連文書57冊のうち5冊を公開すべきという判決を出した。政府を相手取り韓日協定の具体的内容の確認を求めた日帝強制動員犠牲者遺族団体の主張を認めたのだ。韓日請求権をめぐる第2ラウンドの始まりだ。
2005年1月の請求権協定関連文書の公開で、当時の政府が日本から受けた無償3億ドルのうち10%だけが補償金として支払われたことが確認された。これを受け、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は追加補償が避けられないとみて後続措置のための官民共同委員会を組織した。法務法人ファウのヤン・サムスン顧問など民間委員10人と李海チャン(イ・ヘチャン)首相など政府関係者11人で構成された。
◆「請求権資金10%だけ被害補償」文書公開
官民共同委員会は2005年8月26日、論議の結果をこのように発表した。(1)旧日本軍慰安婦など国家権力が関与した反人道的不法行為とサハリン同胞、原爆被害者は韓日請求権協定の対象に含まれない(2)日本の無償借款3億ドルには個人の財産権、対日債権など韓国政府が国家として保有する請求権、強制動員被害補償問題解決性格の資金などが包括的に反映された(3)日本から受領した無償資金のうち相当の金額を強制動員被害者の救済に使う道義的責任がある。
当時の首相室韓日修交文書公開対策企画副団長だったオ・ギュン氏は「当時の最大争点は以前の政府の不十分な補償をどう現実化するか、いくらの予算を準備してどう説得するかだった」とし「韓国戦争(朝鮮戦争)やベトナム戦争の被害者も追加の補償を要求する可能性があるという点を勘案した」と説明した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も当時、民情首席秘書官として会議に何度か出席した。オ氏は「意見を述べるよりも傾聴する立場だったと記憶している」と話した。官民共同委員会は2006年3月、強制動員被害者遺族に2000万ウォンを支払うなど計7000億ウォンの予算を投入した。
しかし韓日請求権協定の未解決対象を旧日本軍慰安婦、サハリン同胞、原爆被害者に限定した点はさらなる争点となった。「(3つケース以外は)韓国政府が国家として保有する請求権、強制動員被害補償問題解決性格の資金などが包括的に反映された」という部分が解釈の余地を残した。これに対し当時官民共同委員長だったヤン・サムスン氏は「外交文書で国家間の条約と約束を解釈するものだった。1965年の協定当時、強制動員の私的請求権まで解決されたと見るのが正しいというのが、委員らの支配的な考えだった」とし「異見・論争は特になかった」と振り返った。実際、2009年に徴用被害者の家族が政府を相手取り起こした行政訴訟で、外交通商部は「日本政府に対して請求権を行使するのは難しい」という立場を伝えた。
◆慰安婦など「協定の例外」を残してまた火種
学界では当時の盧武鉉政権が実利と現実を考慮した政治的決定をしたとみている。李元徳(イ・ウォンドク)国民大国際学部教授は「当時は強制動員被害者が日本の裁判所に訴訟を起こして敗訴が続くなど請求権の勝訴は難しいと見なした。そのような枠組みで補償作業に着手した」と説明した。続いて「被害者が韓国の裁判所で勝訴して日本企業の財産差し押さえに動くというのは、当時の政府の構想から外れた展開」とも話した。共同委に参加した元外交官も「日本の裁判所ではなく韓国裁判所の判決を前に出せば、結局、国家対国家の葛藤に飛び火するしかない」と語った。
<韓日を揺るがした3つの局面(3)>1965年の韓日協定、交流の道は開いたが葛藤の種をまいた
<韓日を揺るがした3つの局面(1)>2018年の最高裁強制徴用判決「個人請求権は消滅していない」
2005年1月の請求権協定関連文書の公開で、当時の政府が日本から受けた無償3億ドルのうち10%だけが補償金として支払われたことが確認された。これを受け、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は追加補償が避けられないとみて後続措置のための官民共同委員会を組織した。法務法人ファウのヤン・サムスン顧問など民間委員10人と李海チャン(イ・ヘチャン)首相など政府関係者11人で構成された。
◆「請求権資金10%だけ被害補償」文書公開
官民共同委員会は2005年8月26日、論議の結果をこのように発表した。(1)旧日本軍慰安婦など国家権力が関与した反人道的不法行為とサハリン同胞、原爆被害者は韓日請求権協定の対象に含まれない(2)日本の無償借款3億ドルには個人の財産権、対日債権など韓国政府が国家として保有する請求権、強制動員被害補償問題解決性格の資金などが包括的に反映された(3)日本から受領した無償資金のうち相当の金額を強制動員被害者の救済に使う道義的責任がある。
当時の首相室韓日修交文書公開対策企画副団長だったオ・ギュン氏は「当時の最大争点は以前の政府の不十分な補償をどう現実化するか、いくらの予算を準備してどう説得するかだった」とし「韓国戦争(朝鮮戦争)やベトナム戦争の被害者も追加の補償を要求する可能性があるという点を勘案した」と説明した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も当時、民情首席秘書官として会議に何度か出席した。オ氏は「意見を述べるよりも傾聴する立場だったと記憶している」と話した。官民共同委員会は2006年3月、強制動員被害者遺族に2000万ウォンを支払うなど計7000億ウォンの予算を投入した。
しかし韓日請求権協定の未解決対象を旧日本軍慰安婦、サハリン同胞、原爆被害者に限定した点はさらなる争点となった。「(3つケース以外は)韓国政府が国家として保有する請求権、強制動員被害補償問題解決性格の資金などが包括的に反映された」という部分が解釈の余地を残した。これに対し当時官民共同委員長だったヤン・サムスン氏は「外交文書で国家間の条約と約束を解釈するものだった。1965年の協定当時、強制動員の私的請求権まで解決されたと見るのが正しいというのが、委員らの支配的な考えだった」とし「異見・論争は特になかった」と振り返った。実際、2009年に徴用被害者の家族が政府を相手取り起こした行政訴訟で、外交通商部は「日本政府に対して請求権を行使するのは難しい」という立場を伝えた。
◆慰安婦など「協定の例外」を残してまた火種
学界では当時の盧武鉉政権が実利と現実を考慮した政治的決定をしたとみている。李元徳(イ・ウォンドク)国民大国際学部教授は「当時は強制動員被害者が日本の裁判所に訴訟を起こして敗訴が続くなど請求権の勝訴は難しいと見なした。そのような枠組みで補償作業に着手した」と説明した。続いて「被害者が韓国の裁判所で勝訴して日本企業の財産差し押さえに動くというのは、当時の政府の構想から外れた展開」とも話した。共同委に参加した元外交官も「日本の裁判所ではなく韓国裁判所の判決を前に出せば、結局、国家対国家の葛藤に飛び火するしかない」と語った。
<韓日を揺るがした3つの局面(3)>1965年の韓日協定、交流の道は開いたが葛藤の種をまいた
<韓日を揺るがした3つの局面(1)>2018年の最高裁強制徴用判決「個人請求権は消滅していない」
この記事を読んで…