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【コラム】素材国産化できないのは大企業の責任?=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
論争が少しおかしな方向に飛んでいる。韓国政府と与党核心関係者らの間から流れ出る「大企業責任論」の話だ。韓国が半導体、ディスプレー、携帯電話大国になる間、後方産業はおろそかにし、大企業が部品素材中小企業育成を軽視して韓国の代表産業が日本に致命的弱点を突かれたという認識だ。

これは半分は合っていて半分は間違っている。素材国産化をあらかじめしていたならもっと良かっただろう。だがこれをできなかったことはサムスン電子、SKハイニックスなど韓国大企業の誤りではない。いま備えられた半導体・ディスプレー産業体制はグローバル分業化の結果だ。企業ごとに最もうまく作れる素材部品を調達し、これを最適化して生産可能な最高水準の製品を作るシステムだった。

日本の輸出規制対象3品目のひとつである高純度フッ化水素だけ見てみよう。フッ化水素は半導体素材であるウエハーに回路を描いた後に削り出すエッチング工程で使われる。半導体やディスプレーの不純物除去工程にも利用される。DRAMとNAND型フラッシュに使われるのは高純度製品だ。有機ELディスプレーに使われるのはそれよりやや落ちるが依然として高純度で、液晶ディスプレーに使われるものはさらにそれより品質が低くても構わない。日本の輸出規制が近づき、液晶ディスプレー用フッ化水素はLGディスプレーがすでに国産製品を工程でテストする作業をしている。LGディスプレーが他の企業より余裕がある理由は工程特性によるもので、これまで国産化に努力を傾けたためではないという話だ。


韓国貿易協会の数値基準でフッ化水素の今年1~5月の対日輸入依存度は43.9%だ。年間に日本から輸入する高純度フッ化水素は1000億ウォンに満たないが、世界最高品質を持つ。直接開発するのにコストをかけるよりは希望のスペックにぴったり合わせた世界最高品質を購入することがこれまでは当然効率的だった。これは韓国だけでなく海外の主要半導体メーカーも同じだ。

サムスン電子やSKハイニックスの300余りの半導体製造工程を合わせた製造競争力は世界最高水準だ。だが300余りの工程に必須の素材と装備は日本をはじめとする他の国が最高技術力を持つケースが多い。一例として、サムスン電子が心血を注いでいる極端紫外線(EUV)工程に必須で、1台当たり1500億ウォン前後の超高額露光装備はオランダのASMLが世界最強企業だ。こうしたそれぞれの素材装備を組み合わせて世界最高水準の半導体をいち早く作り出すことがこれまで韓国大企業の競争力で、これは引き下げてはならない。こうしたあらゆることを直接やりながら10年前から世界最高に上がってくることは不可能だっただろう。

業界の話を聞いてみれば韓国の大企業は高純度フッ化水素をはじめフォトレジスト、フッ化ポリイミドなど日本の3大輸出規制品目の代替にある程度成功したようだ。歩留まりが問題だが数カ月以内にラインを止めるほどの深刻な被害は避けられそうだ。

問題はその次だ。明らかになった3品目は企業の努力で解決していけるだろうが、韓国がホワイト国から排除されれば追加規制の可能性がある品目はどうするだろうか。集積回路(IC)、電力半導体(PMIC)、リソグラフィ装備、イオン注入機、ウエハー、ブランクマスクのようなものが規制品目に確定するたびにすべて国産化したり代替輸入国を求めるのは現在のグローバル分業体制で不可能に近い。

「国産化で長期化に備えよう」というスローガンのほかに、状況を収拾する両国政府の「出口戦略」が切実に必要なのはそのためだ。企業は韓国政府の次の動きが何か息を殺して見守っている。

チェ・ジヨン/産業2チーム長



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