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【時論】革新成長に寄与するためには日本から入ってきた「特許」用語から変えよう

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1909年8月、チョン・インホの「馬尾毛帽子」が韓国人特許1号に登録された。日帝の韓国特許令の施行に従ったものだった。特許という用語から制度まで日本から渡ってきたということだ。これに先立ち1882年〔高宗(コジョン)19年〕、池錫永(チ・ソギョン)先生が専売という用語で知識財産権の導入を上訴した記録があるが、日本式の用語を使った点は残念だ。日本制度による1号特許が逆説的にも民族企業を成長させて独立運動の隠れた資金源になったという。特許が国の危機を克服する燃えくさの役割を果たした点がせめてもの幸いだ。

特許のような知識財産は危機を克服して第4次産業革命時代の勝者になることができる革新の鍵だ。世界は未来の勝者になるために革新中で、多くの国がその答えを知識財産から見出そうとしている。米国・中国は勿論ではあるが、ポストオイル時代を準備しているサウジアラビアなど中東国家までも。

大韓民国はどうだろうか。量的には世界で4番目に特許を多く出願し、国民1人当たりの特許は世界1位の国になった。米国・中国などと共に「知識財産先進5カ国(IP5)」の仲間に入り、グローバル知識財産制度形成に主導的に寄与してもいる。


ここで満足することはできない。グローバル化で国境の意味がなくなった資本や土地など限定された消耗性資源、これ以上我々の競争力とすることができない労働力を考えるなら、我々が選択しなければならない革新的要素は、事実上、知識財産しかない。知識財産こそ人間の知的・創意的活動の所産であり革新の産物だ。

ところが筆者が会った多くの人々は、特許という言葉が難しくて直観的ではないらしい。特許が革新技術と創意的アイデアを想起することができないということだ。特許を文字通り「特別に許可してやる」と解釈すれば受動的で権威的だ。「免税店特許」のような行政法上の特許も混乱を大きくしている。革新それ自体になるべき特許という言葉が全く革新的でないわけだ。知識財産で革新の火を起こすには、特許という名称を変えることから始めなければならないようだ。

「以前になかった新しいものを発明して公開するようにする権利」を「特許」と呼ぶ国は日本以外に韓国と北朝鮮しかない。個人の創意的・革新的思考を国家から許可を受けなければならないという権威的な思考が国民の革新まで閉じ込めているのではないのか心配だ。中国は専利といって独占的権利を強調する。欧州・英米圏では革新情報の開放性を象徴する「patent」を使う。韓国よりははるかに本来の趣旨に合っていて、国民感情に符合する言葉だ。

「特許庁」も同じだ。特許庁は特許だけでなく、商標・デザイン・営業秘密など知識財産を創出・保護・活用する業務を担当する。これから業務範囲がさらに広くなるだろう。特許という用語も不適切だが、特許庁という名前の“服”は図体に比べてとても小さく見える。ところで、特許庁英文名称はKIPO(Korean Intellectual Property Office)だ。それなりにぴったりとした服のように思う。なぜ海外ではぴったりの服を着て、韓国では小さい服を羽織っているのか分からない。

機関の名前と特許という権利に対する名称を別にする案を個人意見を前提に提案してみたい。たとえば機関の名前は「知識財産革新庁」で、特許という名称は新しいものを発明することを強調した「発明権」または「革新権」とするのはどうだろうか。

昨年6月19日ドナルド・トランプ米国大統領は米国の1000万番目の特許に自ら署名した。米国が知識財産権をどれほど重く認識しているかを確認する場面だった。韓国人特許1号誕生110周年を迎えた今年、我々200万番目の特許登録を控えている。知識財産が韓国経済の革新成長に寄与するようにするには正しい用語の確立と使用が必要だ。今がその議論を始める適正な時期だと考える。

パク・ウォンジュ/特許庁長



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