半導体業界で非メモリー事業に対する懸念が強まっている。日本の素材輸出が長期化すれば、2030年までにシステム半導体部門で世界1位を目指すサムスン電子が意欲的に推進中の「半導体ビジョン2030」がスタート段階からつまずくかもしれないからだ。
半導体業界の関係者は「現在では非メモリーで1位どころか、事業を持続できるかさえも分からない状況」と伝えた。また「(半導体研究・開発者)100人が1兆ウォン(約915億円)を稼げる分野がメモリーなら、非メモリーは1000人が100億ウォンも稼げないこともある分野」と説明した。サムスン電子がメモリーでの成功方程式をそのまま非メモリーに適用して1位になるのは容易でないということだ。こうした状況で素材供給制限が浮上し、事業の将来に暗雲が広がったということだ。
◆非メモリーは信頼ビジネス、素材なしに拡張は不可能
業界では非メモリー事業の核心競争力に「信頼」を挙げる。情報を処理する装置の非メモリーは完成品によって要求される製品の仕様が千差万別だ。非メモリー製品の特性が「多品種少量生産」である理由もここにある。非メモリー分野は多品種を生産するため、設計を専門にする会社(ファブレス)と、工場を運営して設計に基づいて生産をするファウンドリー(委託生産)に分かれて発展してきた。
このうちサムスン電子はファウンドリー事業に目を向けてきた。望む時間に望むスペックの製品を生産する場合、顧客との信頼が築かれてこそ再注文が集まり、市場シェアを拡大できる。半導体業界の関係者は「非メモリー製品は注文した顧客の製品の重要部品として入る」とし「エンジンが納品されなければば自動車を生産できないのと同じ」と説明した。顧客の立場では納期日程が不確実な企業に核心部品を任せることはできないということだ。信頼が重要となる理由だ。納期遵守は素材の円滑な供給なしには不可能だが、日本が韓国を「ホワイト国」から除外し、素材一つが入ってくるのに90日もかかれば、グローバル企業の注文が中断するおそれがある。
◆李在鎔副会長の「本当の実力」はファウンドリー装備
今回の日本の輸出規制がサムスン電子のファウンドリー事業に致命的であるもう一つの理由は、この分野で業界トップの台湾TSMCとの競争を見ると分かる。2007年までサムスン電子はファウンドリー分野で世界4位だった。しかし昨年末基準で19.1%と、2位にまで急成長した。台湾のTSMC(48.1%)とシェアの差を縮めた。両社は最近、工程微細化(7ナノ以下)で一種の「メジャーリーグ」を形成した。ライバル企業だった米国のグローバルファウンドリーが莫大な投資額負担のため後退し、7ナノ以下の非メモリーはサムスンとTSMCの2社のライバル市場になった。この市場ではオランダ産の極端紫外線(EUV)設備の確保が必須となる。昨年、オランダのASMLはEUV装備を30台生産したが、TSMCが18台を確保したことが分かった。サムスン電子は外部に公開しなかったが、残りの装備をほとんど購入したと業界は推定している。1台あたり1500億ウォン(約137億円)の装備であるため12台を購入した場合、投資額だけで1兆8000億ウォンにのぼる。
問題は、この装備を活用した製造の工程に必要なフォトレジストを日本が輸出制限措置品目に含めたという点だ。年初、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が財界人との青瓦台(チョンワデ、大統領府)昼食会で「半導体市場は厳しいか」と尋ねると、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は「これから本当の実力が出てくる」と答えた。半導体業界の関係者は「当時の李副会長の答弁はこの装備の確保を念頭に置いていた可能性が高い」とし「先制的な投資で施設を確保しても、予想外の素材が足かせになった」と分析した。素材供給制限が続けば、1兆ウォン台の装備が稼働しないということだ。
現在、サムスン電子はEUV用レジストの供給を日本のJSRやTOKなどから受けている。グローバル化学企業のダウ・ケミカルなども一部生産しているが、この分野では日本企業の技術力が絶対的と評価されている。
◆非メモリーがメモリーより雇用創出効果が大きい
非メモリーは半導体産業の生態系形成にもメモリーに比べてメリットがある。メモリーは自動化された装備が少ない品種を大量生産するため、多数の企業が協業する生態系を形成するのが容易でない。雇用創出効果も大きくない。小規模な研究陣でもウェハーに集積度を高める技術の開発にさえ成功すれば莫大な収益をもたらす。一方、非メモリーは製品群が多様で小規模な設計会社が登場する余地が大きい。米国ではインテル、クアルコム、AMDなどを中心に小規模な設計企業が巨大な生態系を形成している。
半導体業界では3大輸出制限品目のうちフッ化水素(エッチングガス)の国産化の可能性が最も高いと見込んでいる。業界関係者は「フッ化水素は国内技術陣が力を合わせれば1年から1年半ほどである程度の国産化が可能」とし「今後フォトレジストの輸入が再開されるかどうかがファウンドリー産業の行方を決める可能性が高い」と話した。
半導体業界の関係者は「現在では非メモリーで1位どころか、事業を持続できるかさえも分からない状況」と伝えた。また「(半導体研究・開発者)100人が1兆ウォン(約915億円)を稼げる分野がメモリーなら、非メモリーは1000人が100億ウォンも稼げないこともある分野」と説明した。サムスン電子がメモリーでの成功方程式をそのまま非メモリーに適用して1位になるのは容易でないということだ。こうした状況で素材供給制限が浮上し、事業の将来に暗雲が広がったということだ。
◆非メモリーは信頼ビジネス、素材なしに拡張は不可能
業界では非メモリー事業の核心競争力に「信頼」を挙げる。情報を処理する装置の非メモリーは完成品によって要求される製品の仕様が千差万別だ。非メモリー製品の特性が「多品種少量生産」である理由もここにある。非メモリー分野は多品種を生産するため、設計を専門にする会社(ファブレス)と、工場を運営して設計に基づいて生産をするファウンドリー(委託生産)に分かれて発展してきた。
このうちサムスン電子はファウンドリー事業に目を向けてきた。望む時間に望むスペックの製品を生産する場合、顧客との信頼が築かれてこそ再注文が集まり、市場シェアを拡大できる。半導体業界の関係者は「非メモリー製品は注文した顧客の製品の重要部品として入る」とし「エンジンが納品されなければば自動車を生産できないのと同じ」と説明した。顧客の立場では納期日程が不確実な企業に核心部品を任せることはできないということだ。信頼が重要となる理由だ。納期遵守は素材の円滑な供給なしには不可能だが、日本が韓国を「ホワイト国」から除外し、素材一つが入ってくるのに90日もかかれば、グローバル企業の注文が中断するおそれがある。
◆李在鎔副会長の「本当の実力」はファウンドリー装備
今回の日本の輸出規制がサムスン電子のファウンドリー事業に致命的であるもう一つの理由は、この分野で業界トップの台湾TSMCとの競争を見ると分かる。2007年までサムスン電子はファウンドリー分野で世界4位だった。しかし昨年末基準で19.1%と、2位にまで急成長した。台湾のTSMC(48.1%)とシェアの差を縮めた。両社は最近、工程微細化(7ナノ以下)で一種の「メジャーリーグ」を形成した。ライバル企業だった米国のグローバルファウンドリーが莫大な投資額負担のため後退し、7ナノ以下の非メモリーはサムスンとTSMCの2社のライバル市場になった。この市場ではオランダ産の極端紫外線(EUV)設備の確保が必須となる。昨年、オランダのASMLはEUV装備を30台生産したが、TSMCが18台を確保したことが分かった。サムスン電子は外部に公開しなかったが、残りの装備をほとんど購入したと業界は推定している。1台あたり1500億ウォン(約137億円)の装備であるため12台を購入した場合、投資額だけで1兆8000億ウォンにのぼる。
問題は、この装備を活用した製造の工程に必要なフォトレジストを日本が輸出制限措置品目に含めたという点だ。年初、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が財界人との青瓦台(チョンワデ、大統領府)昼食会で「半導体市場は厳しいか」と尋ねると、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は「これから本当の実力が出てくる」と答えた。半導体業界の関係者は「当時の李副会長の答弁はこの装備の確保を念頭に置いていた可能性が高い」とし「先制的な投資で施設を確保しても、予想外の素材が足かせになった」と分析した。素材供給制限が続けば、1兆ウォン台の装備が稼働しないということだ。
現在、サムスン電子はEUV用レジストの供給を日本のJSRやTOKなどから受けている。グローバル化学企業のダウ・ケミカルなども一部生産しているが、この分野では日本企業の技術力が絶対的と評価されている。
◆非メモリーがメモリーより雇用創出効果が大きい
非メモリーは半導体産業の生態系形成にもメモリーに比べてメリットがある。メモリーは自動化された装備が少ない品種を大量生産するため、多数の企業が協業する生態系を形成するのが容易でない。雇用創出効果も大きくない。小規模な研究陣でもウェハーに集積度を高める技術の開発にさえ成功すれば莫大な収益をもたらす。一方、非メモリーは製品群が多様で小規模な設計会社が登場する余地が大きい。米国ではインテル、クアルコム、AMDなどを中心に小規模な設計企業が巨大な生態系を形成している。
半導体業界では3大輸出制限品目のうちフッ化水素(エッチングガス)の国産化の可能性が最も高いと見込んでいる。業界関係者は「フッ化水素は国内技術陣が力を合わせれば1年から1年半ほどである程度の国産化が可能」とし「今後フォトレジストの輸入が再開されるかどうかがファウンドリー産業の行方を決める可能性が高い」と話した。
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