韓国企業が気の毒だ。容赦のない経済戦争、貿易報復の砲弾を全身に浴びている。
1週間前、トランプ米大統領のハイアットホテル懇談会に大企業の総帥は約束時間の2時間前に到着した。誰がスーパーパワー米国大統領の呼び出しを断ることができるだろうか。LGは総帥の具光謨(ク・グァンモ)LG代表の代わりに権暎寿(クォン・ヨンス)副会長が代わりに出席した。トランプ大統領がLGユープラスが使用しているファーウェイ(華為技術)の装備を問題にする場合、同社の最高経営責任者を務めた権副会長がやむを得ない事情を説明するためだった。
その数日前、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長など5大グループの総帥は、訪韓したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に深夜に承志園(スンジウォン、サムスングループの迎賓館)で会った。当初予定されていた大企業総帥と皇太子の夕食会の日程が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と皇太子の親交夕食会に変更されたからだ。慌てたのは夕食会を待っていた総師たちだった。サウジアラビアの実権者である皇太子を迎えてこそ第2の中東特需の機会が開かれるという切実な思いが「深夜茶談会」に向かわせた。
こうした中で出てきた安倍政権の輸出規制は企業をさらに追い込んでいる。韓国の産業の急所を狙った安倍政権の攻勢は、危機が迫るとここぞとばかりに資金を回収して韓国経済に致命傷を負わせた通貨危機当時の態度を思い出させる。直ちに日本に駆けつけた李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長の動きは総師の切迫感を表している。
緊急な課題がある。韓国政府の実力と意志を高めることだ。日本に対する政府の最初の対応は、1日の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官の「世界貿易機関(WTO)提訴」だった。政府が日本側に2国間協議を公式要請したのはその翌日だった。形式的にでも2国間協議を前に出して日本の真意を確認し、それに基づいてWTO提訴を含む順次対応計画を明らかにすればどうだったのか。相手が偏屈だからといって我々まで一緒に興奮することではない。
政府の一部で、日本の貿易報復が参議院選挙を控えた安倍政権の挑発という見方が出ているのも懸念される。安倍政権の底意がそうだとしても、それを指摘すればその瞬間を狙って刀を研いできた日本の右翼を刺激する可能性がある。相手のカードを把握しながらも知らないふりをしてこそ戦争の勝機をつかむことができる。
政府の経済運用も信用できないものが少なくない。その一つが景気診断と見通しだ。政府は下半期の経済政策方向で今年の成長率予測値を2.4-2.5%と、当初より0.2%下方修正した。経済コントロールタワーの洪楠基(ホン・ナムギ)副首相は会見で、日本の輸出規制措置について「我々の経済成長率を修正するほどの事案でないと判断する」と述べた。経済分析が精巧でないことを自ら認める姿だ。
週52時間制の衝撃をまともに把握しているのかも疑問だ。週52時間制拡大施行で来年の成長率が0.3%落ちると分析したのは政府でなく投資銀行のゴールドマンサックスだった。今のように内需が振るわず不確実性が高い状況で、企業は追加の人件費負担に耐える余力がない。分析力が落ちるため正確な予測も出てこない。1-3月期の成長率は-0.4%だったが、青瓦台と経済部処が統計確認前まで共有していた成長率予測値はプラス0.3%だった。こうした状況であるため、2%台半ばの成長に自信を持つ政府よりも、2%達成は難しいという民間専門家の声に耳が傾く。
今年上半期、日本通貨当局の関係者は韓国側に対し、日本の資金が抜けても韓国金融市場には問題がないのかという点をそれとなく打診してきた。日本が韓国経済に打撃を加える報復措置を多角的に検討してきたことは複数のチャンネルで確認されている。しかし政府の対策にはこれというものがない。いま国民が不安なのは日本の攻勢のためではなく、政府の危機感不在と実力不足のためだ。
日本の輸出規制で打撃を受ける情報通信(IT)企業の関係者は匿名を前提にこのように語った。「状況を把握してみると、日本は我々を殺すことはないが、最後まで苦しめるのは確かだ。その時までどのように持ちこたえるかがカギとなる」。
政府は今からでも韓国企業を、産業基盤を守るという意志を高めて実力を向上させる必要がある。国民をこれ以上失望させてはいけない。
イ・サンリョル/経済エディター
1週間前、トランプ米大統領のハイアットホテル懇談会に大企業の総帥は約束時間の2時間前に到着した。誰がスーパーパワー米国大統領の呼び出しを断ることができるだろうか。LGは総帥の具光謨(ク・グァンモ)LG代表の代わりに権暎寿(クォン・ヨンス)副会長が代わりに出席した。トランプ大統領がLGユープラスが使用しているファーウェイ(華為技術)の装備を問題にする場合、同社の最高経営責任者を務めた権副会長がやむを得ない事情を説明するためだった。
その数日前、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長など5大グループの総帥は、訪韓したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に深夜に承志園(スンジウォン、サムスングループの迎賓館)で会った。当初予定されていた大企業総帥と皇太子の夕食会の日程が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と皇太子の親交夕食会に変更されたからだ。慌てたのは夕食会を待っていた総師たちだった。サウジアラビアの実権者である皇太子を迎えてこそ第2の中東特需の機会が開かれるという切実な思いが「深夜茶談会」に向かわせた。
こうした中で出てきた安倍政権の輸出規制は企業をさらに追い込んでいる。韓国の産業の急所を狙った安倍政権の攻勢は、危機が迫るとここぞとばかりに資金を回収して韓国経済に致命傷を負わせた通貨危機当時の態度を思い出させる。直ちに日本に駆けつけた李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長の動きは総師の切迫感を表している。
緊急な課題がある。韓国政府の実力と意志を高めることだ。日本に対する政府の最初の対応は、1日の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官の「世界貿易機関(WTO)提訴」だった。政府が日本側に2国間協議を公式要請したのはその翌日だった。形式的にでも2国間協議を前に出して日本の真意を確認し、それに基づいてWTO提訴を含む順次対応計画を明らかにすればどうだったのか。相手が偏屈だからといって我々まで一緒に興奮することではない。
政府の一部で、日本の貿易報復が参議院選挙を控えた安倍政権の挑発という見方が出ているのも懸念される。安倍政権の底意がそうだとしても、それを指摘すればその瞬間を狙って刀を研いできた日本の右翼を刺激する可能性がある。相手のカードを把握しながらも知らないふりをしてこそ戦争の勝機をつかむことができる。
政府の経済運用も信用できないものが少なくない。その一つが景気診断と見通しだ。政府は下半期の経済政策方向で今年の成長率予測値を2.4-2.5%と、当初より0.2%下方修正した。経済コントロールタワーの洪楠基(ホン・ナムギ)副首相は会見で、日本の輸出規制措置について「我々の経済成長率を修正するほどの事案でないと判断する」と述べた。経済分析が精巧でないことを自ら認める姿だ。
週52時間制の衝撃をまともに把握しているのかも疑問だ。週52時間制拡大施行で来年の成長率が0.3%落ちると分析したのは政府でなく投資銀行のゴールドマンサックスだった。今のように内需が振るわず不確実性が高い状況で、企業は追加の人件費負担に耐える余力がない。分析力が落ちるため正確な予測も出てこない。1-3月期の成長率は-0.4%だったが、青瓦台と経済部処が統計確認前まで共有していた成長率予測値はプラス0.3%だった。こうした状況であるため、2%台半ばの成長に自信を持つ政府よりも、2%達成は難しいという民間専門家の声に耳が傾く。
今年上半期、日本通貨当局の関係者は韓国側に対し、日本の資金が抜けても韓国金融市場には問題がないのかという点をそれとなく打診してきた。日本が韓国経済に打撃を加える報復措置を多角的に検討してきたことは複数のチャンネルで確認されている。しかし政府の対策にはこれというものがない。いま国民が不安なのは日本の攻勢のためではなく、政府の危機感不在と実力不足のためだ。
日本の輸出規制で打撃を受ける情報通信(IT)企業の関係者は匿名を前提にこのように語った。「状況を把握してみると、日本は我々を殺すことはないが、最後まで苦しめるのは確かだ。その時までどのように持ちこたえるかがカギとなる」。
政府は今からでも韓国企業を、産業基盤を守るという意志を高めて実力を向上させる必要がある。国民をこれ以上失望させてはいけない。
イ・サンリョル/経済エディター
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