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【取材日記】日本製品不買運動が見落としているもの

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ネットユーザーがオンラインでシェアしている日本不買運動関連の写真。(写真=インスタグラム)

日本政府が「憎々しいまね」を続けている。日本は韓国に対する輸出規制措置の過程でその意図を隠そうとさえしていない。韓国消費者の反応は反射的だった。不買バナーを作ってシェアし、日本製筆記具や化粧品などを1カ所に集めてごみ箱に入れる認証写真が次々とネット上に投稿されている。「日本製品はプレゼントだろうと受け取らない」という宣言、「慰安婦おばあさんの時から憎く思っていたが、どこまでも憎たらしい日本」のような字幕をつけた映像も目に入る。不買運動に積極的に参加しなくても、メッセンジャーアプリのプロフィール写真を「NO JAPAN」に変えなくても、このような社会的雰囲気には影響を受けざるをえない。

では「日本製品を使わない」という実践は果たしてどこまで可能だろうか。これは思っているより難しい。まるで外来語を使わない会話に挑戦することと似ている。何より長く続けることが難しい。それだけ韓国と日本は経済・産業的に密接に関連している。製品名が日本語になっている製品を国産に変えるだけでは不買運動が期待した効果を得にくい。

冷蔵庫からアサヒやキリンビールを取り出して流し台に流してしまうとしよう。ではECサイトのCoupang(クーパン)は使ってもいいだろうか。広く知られているようにCoupangは孫正義ソフトバンク会長の代表的な投資会社だ。日本資本が兆単位で投入された電子商取引企業を通じて物を買うことは大丈夫なのだろうか。


日本メーカーが独占している半導体核心材料を日本政府が政治的道具で活用しようとしたのが今回の葛藤の実体だ。言葉を変えると、日本が供給する材料なくして韓国の代表商品である半導体を作ることができないのが現実だということだ。使用中のスマートフォンとノートブックを今すぐ取り出して捨てることなどできないではないか。

ユニクロ不買運動は日本ユニクロに向かう刃になるかもしれない。しかしこの過程で韓国もけがをする。ユニクロが韓国で昨年上げた売り上げ約1兆3000億ウォン(約1200億円)の相当部分は韓国約180カ所の店舗運営費と雇用職員の給与などへの支出だ。すぐにそうなるとは思えないが、もし韓国ユニクロの売り上げが急減して韓国で潰れていけば、一緒に被害をかぶることになる。

不買運動の飛び火はとんでもないところに飛んだりもする。数日間、「私たちは日本製品でない」という解明があふれた。コカコーラが作るジョージアコーヒー、生活用品店ダイソー、コンビニエンスストアCUが日本との関連性を否定した。産業チェーンがさまざまな地域にまたがることが当然の状況で、罪ではないのに烙印を押されるのではないかと戦々恐々とする姿が残念だ。ロッテは改めて「ロッテは日本企業」というコメントに苦しめられている。セブンイレブンなどに行かないというハッシュタグ(#)が「自分の考えを持っている」という称賛につながる。ついに映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の配給会社がソニー・ピクチャーズであることをめぐり広がっている論争は疲れを覚えるほどだ。

ソニー・ピクチャーズが実は米国企業(あるいは多国籍企業)であることは論外にして、たとえ韓国で『スパイダーマン』が興行に惨敗しても、消費者がねらった安倍晋三政府に加えられる打撃はない。そのため、5日に韓国中小商人自営業者総連合会が「地域のマート店主は日本製品の販売を中止して返品することにした」とした時に、痛快だという感情よりは、返品を受けて処理する企業担当者の苦労が真っ先に脳裏をかすめた。

消費者運動にはさまざまな意味がある。意識ある消費は企業に警告となり、経営方針に影響を与えることがある。残念なことに、感情だけが先走りする不買運動は退行的だ。政治と外交が異常作動する時、企業と消費者の被害は予想できなかったところに拡散するという点だけは確かだ。淑明(スンミョン)女子大学経営学科のソ・ヨング教授は「韓日経済関係は切り離すことができない状況にある」とし「政治論理によって経済論理を無視すれば、双方に打撃を与えることになる」と話した。緻密な分析と冷静な対応が望まれる。

チョン・ヨンソン/産業第1チーム記者



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