強制徴用賠償判決に関連した日本の半導体部品輸出規制で韓国経済が危機を迎えている。過去の問題をめぐり経済報復カードを取り出した安倍晋三首相の措置は撤回されるのが正しい。しかし直ちに対応に追われるのは我々だ。たとえ世界貿易機関(WTO)に提訴して数年後に勝訴するとしても、その間に韓国企業が受ける被害は致命的となる。
事態がこうした状況になるまで放置した政府の外交・安保陣容の責任を問わざるを得ない。日本政府が何度も報復を予告し、「単なる脅迫ではないようだ」という警告が国内のメディアや専門家から提起されていたにもかかわらず、政府は傾聴しなかった。情勢判断を誤り、昨年の韓国最高裁判決から8カ月間にわたり対応しなかった政府の無能と無対策の結果が今回、現実として表れた。
先月、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の安保室関係者は「韓日関係が最悪ということに同意しない。歴代政権でも常に順調ではなかった」と述べた。大阪G20(主要20カ国・地域)サミット期間に韓日首脳会談が行われない可能性についても、政府当局者は「開催国が自ら体面を損なうことをするだろうか」と語った。現実として迫ってくるとあたふたと対応したが、すでに機会は逃した後だった。与党内部からも「(判決尊重という)名分と原則に執着してタイミングを逃した」(姜昌一議員)という批判が出てきた。傍観者の態度で一貫してきた康京和(カン・ギョンファ)外交長官の発言はもっと情けない。康長官は日本の報復措置発表の翌日、「今後(対策を)研究しなければいけないようだ」と語った。企業にこのような政府を信じて経済活動に専念すべきというのはコメディに近い。
対日外交だけでなく外交安保領域全般に総体的問題が広がっている。中国の習近平国家主席は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と大阪で会談し、「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題」を解決すべきだと圧力を加えた。主権侵害という批判にもかかわらず「THAAD追加配備、米国のミサイル防衛網(MD)参加、韓日米同盟」をしないという「3不約束」をしたが、中国は1年9カ月間も同じ要求を繰り返している。習主席は「来年の桜の咲く頃お迎えしたい」という安倍首相の要請に「良いアイデア」と答えたが、文大統領の訪韓要請には返答しなかった。
あえて4月のワシントン「2分単独会談」事例を挙げなくても、韓米関係は疎遠になった状態だ。米国が情報提供をためらうほど韓国政府に不信感を抱いているという話はかなり以前から外交関係者の間に広まっている。韓米朝首脳の板門店(パンムンジョム)会談が実現したとはいえ、非核化の実質的成果はなく、非核化の解決策と対北朝鮮政策をめぐる韓米間の認識の違いも相変わらずだ。
政府が南北関係改善にオールインする間に安全保障態勢が緩んでいることは、三陟(サムチョク)木造船亡命事件で赤裸々に表れた。多くの国民は三陟の警戒失敗が偶然でなく軍の弛緩から始まったと見ている。9・19軍事合意であたかも平和が我々のそばに定着したような幻想に陥った結果であるなら問題は深刻だ。政府は鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防長官の謝罪と青瓦台安保室第1次長に対する厳重警告で今回の事件を終えようとしているが、国民はさらに厳重な問責と一点の疑惑もない真相調査を要求している。
こうした総体的な問題は外交安保ラインの人事失敗と無関係でない。コントロールタワーの役割をする鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台安保室長を含む現在の外交安保ラインには、国際情勢の中での戦略と専門性、均衡感覚を幅広く持つ人物がいないという指摘が政権初期から絶えなかった。ちょうど青瓦台と与党では内閣改造説が出ている。来年の総選挙に向けた布石が内閣改造の背景かもしれないが、無能と戦略不在が表れた外交安保ラインの全面刷新こそが最も緊急な要因であることを青瓦台は直視する必要がある。
事態がこうした状況になるまで放置した政府の外交・安保陣容の責任を問わざるを得ない。日本政府が何度も報復を予告し、「単なる脅迫ではないようだ」という警告が国内のメディアや専門家から提起されていたにもかかわらず、政府は傾聴しなかった。情勢判断を誤り、昨年の韓国最高裁判決から8カ月間にわたり対応しなかった政府の無能と無対策の結果が今回、現実として表れた。
先月、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の安保室関係者は「韓日関係が最悪ということに同意しない。歴代政権でも常に順調ではなかった」と述べた。大阪G20(主要20カ国・地域)サミット期間に韓日首脳会談が行われない可能性についても、政府当局者は「開催国が自ら体面を損なうことをするだろうか」と語った。現実として迫ってくるとあたふたと対応したが、すでに機会は逃した後だった。与党内部からも「(判決尊重という)名分と原則に執着してタイミングを逃した」(姜昌一議員)という批判が出てきた。傍観者の態度で一貫してきた康京和(カン・ギョンファ)外交長官の発言はもっと情けない。康長官は日本の報復措置発表の翌日、「今後(対策を)研究しなければいけないようだ」と語った。企業にこのような政府を信じて経済活動に専念すべきというのはコメディに近い。
対日外交だけでなく外交安保領域全般に総体的問題が広がっている。中国の習近平国家主席は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と大阪で会談し、「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題」を解決すべきだと圧力を加えた。主権侵害という批判にもかかわらず「THAAD追加配備、米国のミサイル防衛網(MD)参加、韓日米同盟」をしないという「3不約束」をしたが、中国は1年9カ月間も同じ要求を繰り返している。習主席は「来年の桜の咲く頃お迎えしたい」という安倍首相の要請に「良いアイデア」と答えたが、文大統領の訪韓要請には返答しなかった。
あえて4月のワシントン「2分単独会談」事例を挙げなくても、韓米関係は疎遠になった状態だ。米国が情報提供をためらうほど韓国政府に不信感を抱いているという話はかなり以前から外交関係者の間に広まっている。韓米朝首脳の板門店(パンムンジョム)会談が実現したとはいえ、非核化の実質的成果はなく、非核化の解決策と対北朝鮮政策をめぐる韓米間の認識の違いも相変わらずだ。
政府が南北関係改善にオールインする間に安全保障態勢が緩んでいることは、三陟(サムチョク)木造船亡命事件で赤裸々に表れた。多くの国民は三陟の警戒失敗が偶然でなく軍の弛緩から始まったと見ている。9・19軍事合意であたかも平和が我々のそばに定着したような幻想に陥った結果であるなら問題は深刻だ。政府は鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防長官の謝罪と青瓦台安保室第1次長に対する厳重警告で今回の事件を終えようとしているが、国民はさらに厳重な問責と一点の疑惑もない真相調査を要求している。
こうした総体的な問題は外交安保ラインの人事失敗と無関係でない。コントロールタワーの役割をする鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台安保室長を含む現在の外交安保ラインには、国際情勢の中での戦略と専門性、均衡感覚を幅広く持つ人物がいないという指摘が政権初期から絶えなかった。ちょうど青瓦台と与党では内閣改造説が出ている。来年の総選挙に向けた布石が内閣改造の背景かもしれないが、無能と戦略不在が表れた外交安保ラインの全面刷新こそが最も緊急な要因であることを青瓦台は直視する必要がある。
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