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【コラム】大韓民国、このままではバナナ共和国になる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
『最後の一葉』の作家オー・ヘンリーは1904年に短編小説集『キャベツと王様』でバナナ共和国という言葉を初めて使った。彼は当時バナナを主要輸出品とする中南米ホンジュラスなどが政権と結託した多国籍企業に経済が左右され、表向きは輝いていたが中身は腐ったバナナのようだと比喩した。この言葉は政府運営がめちゃくちゃな国を軽蔑する意味でも使われる。

バナナ共和国で起きるようなことが大韓民国で発生している。鉄鋼メーカーに対する高炉(溶鉱炉)操業停止行政処分が代表的だ。忠清南道(チュンチョンナムド)、全羅南道(チョンラナムド)、慶尚北道(キョンサンブクド)の各道庁は地域内の現代(ヒョンデ)製鉄の唐津(タンジン)工場、ポスコの光陽(クァンヤン)工場と浦項(ポハン)工場に対し有害物質を排出したという理由で10日間の操業停止とする行政処分を下したり予告した。鉄鋼メーカーが汚染防止装置なく高炉の圧力を抜く役割をする安全バルブ(ブリーダー)を開き大気を汚染させたという環境団体の請願を受け入れたのだ。

高炉を4~5日止めれば溶解した鉄が固まるため高炉に亀裂が発生する。韓国鉄鋼協会は「1基の高炉が10日間停止し復旧に3カ月かかると仮定すると、この期間に約120万トンの製品減産が発生し8000億ウォンの損失が予想される」と明らかにした。協会によると、高炉の安全バルブ開放は世界の製鉄所で100年以上使われてきた方式だ。現在の技術では安全バルブを使わずに高炉を稼動する方法がないという。安全バルブを開放した時に排出されるガスは中型乗用車1台が1日8時間ずつ10日間運行して排出する程度というのが協会の説明だ。操業停止処分は一貫製鉄所の閉めろというのも同じだ。鉄鋼生産が中断されれば造船、自動車、家電など主要産業が致命傷を受ける。環境団体と自治体は「環境原理主義」に捕われ操業停止を強行している。ポスコ労組はこれに対し「操業停止処分はポスコと現代製鉄だけでなく、そこで働く労働者を殺す行為」と非難した。


文在寅(ムン・ジェイン)政権のエネルギー転換(脱原発)政策も理解し難い。原発が韓国の電力供給で占める割合は昨年末基準で30%に達する。韓国政府は2017年基準で24基ある原発を、2031年に18基、2038年に14基に減らす計画だ。代わりに現在7.6%である再生可能エネルギー発電の割合を2040年までに30~35%まで高める方針だ。

専門家らは「現実を無視した理念政策の標本」と批判する。国土が狭く四季が明確な大韓民国で太陽光や風力などの生産は限界がある。再生可能エネルギーは生産原価も高い。1キロワット時当たりの発電単価は昨年末基準で新再生可能エネルギーが173.38ウォンで原子力の60.85ウォンの3倍だ。政府の脱原発政策などにより数兆ウォンの純利益を出した韓国電力は昨年1兆ウォン台の赤字を出したのに続き今年も5000億ウォン以上の赤字が予想される。韓国電力の赤字累積は電気料金引き上げにつながるだろう。

脱原発は世界的な流れからも外れている。世界は温室効果ガス縮小と値段が安い電力のために原発を拡大している。国際エネルギー機関(IEA)によると昨年経済協力開発機構(OECD)加盟国の原発発電量は前年より0.6%増加した。特に日本は昨年原発4基を再稼働し原発発電量を71%増やした。

理念に偏って現実から目を背けた最低賃金引き上げと週52時間制は経済に途轍もない負担になっている。「このまま行けば国が大変なことになる」という声があちこちから出ている。孔子は「誤りがあるならば改めることをはばかるな(過則勿憚改)」と話した。韓国がバナナ共和国に転落しないようにするには失敗した政策に固執せず、事実に基づいて真実を求めなければならない。

チョン・ジェホン/コンテンツ製作エディター・論説委員





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