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「30年後の韓半島、水量・水質ともに悪化した水不足国に」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「雨が降らないのではないが、水が不足しています。ソウルはそれでも状況は良いが最近大邱(テグ)と太白(テベク)などでは給水車を待つ市民が列を作っています。飲み水が不足しているのに、栽培する水はどうしますか。田植えをしなければならない水田は亀の甲羅のように割れています。八堂(パルタン)ダムや昭陽江(ソヤンガン)ダムの水位はダムに近い一部を除いては底をついています。昨年の晩夏には梅雨と台風で水田が水に浸り、ソウルの漢江(ハンガン)市民公園が泥水だらけになったが、気まぐれな天候が本当に恨めしいです。雨が1度降れば豪雨のようにあふれるが、雨が降らない日は年を追うごとに増えています」。

国会未来研究院と中央日報の共同企画「2050年から来た警告」の食糧・水資源部門予測のうち30年後に起きる可能性が最も大きいシナリオだ。事実「水不足国家大韓民国」はいまも現在進行形だ。現在と2050年の異なる点は、日照りと豪雨が繰り返される現在の現象は時間が経つほどさらに激しくなるということだ。総降水量は今後も増え続けるとみられるが、降水量の季節的偏差、蒸発量増加などにより実際に利用できる淡水量は多少減ると予想される。特に地域間格差が深刻化し、淡水量不足に陥る地方はさらに多くなると予測される。

原因は韓半島(朝鮮半島)での激しい地球温暖化とそれによる気候変動だ。昨年気象庁が出した報告書「韓半島100年の気候変動」によると、韓国の年間降水量は10年ごとに16.3ミリ増加している。1973年1014.7ミリにすぎなかった年間降水量は1980年に1436.1ミリ、1998年に1738.9ミリまで増えた。その後も降水量は増加傾向を見せている。深刻なのは降水量の偏差だ。1981年から2010年までの過去30年間の年間平均降水量1307.7ミリを基準として見ると降水量の変動幅もまた起伏があるが徐々に増加する傾向だ。2011年の場合、平年より315ミリほど多い降水量を示し、2015年の場合は反対に平年より降水量が358ミリ少なかった。年間降水量は6~9月の洪水期に偏り、地域別の降水量偏差も激しかった。地域別の1986年から2016年までの30年間の年間平均降水量は済州島(チェジュド)と鬱陵島(ウルルンド)が1729ミリで最も多く、錦江(クムガン)地域は1240ミリで最も少なかった。


国土交通部によると、気候変動による日照りの危険も増加している。2015年の場合、ソウルと京畿道(キョンギド)、江原道(カンウォンド)、忠清北道(チュンチョンブクド)は過去最低の降水量を記録した。1990年代以降日照りの際に3回以上水不足を経験した常習的な日照り被害地域は49市郡に達した。

国会未来研究院のミン・ボギョン研究委員は「未来には気候変動による気温上昇、降水量変動幅増加などにより水不足だけでなく水質管理にも困難が増すものと予測される。突発変数として考慮している点ではあるが、こうした状況で日照り対応力を上回るミレニアム日照り、すなわち3年以上の深刻な日照りが発生すれば、ダムや貯水池など韓国の水資源基盤は永久的に損傷を受けることになるだろう」と話す。ミン委員はまた「結局食糧の対外依存度が急激に増加し食糧安保にも大きな打撃を受けかねない」と付け加えた。

過去にも韓半島には深刻な日照りによる大飢饉があった。代表的なケースが17世紀の「庚辛大飢饉」だ。朝鮮顕宗(ヒョンジョン)の時代である1670年と1671年に起きたこの大飢饉は、当時の朝鮮八道全体に凶作を招いた。当時の記録によると朝鮮の人口約1300万人のうち90万人以上が死亡する被害を出した。

国会未来研究院は「ダム-貯水池-取水場-浄水場-配水池-給水」と続く現在の広域水資源管理体系は洪水や日照りが発生すると適時対応力が落ちると分析した。政策対案としては豪雨の際に降る雨をしっかりと貯めておく受け皿の確保に向けた多重水源の開発と活用、分散型用水供給システム構築、自立型用水供給体系構築などのパラダイム転換を提示した。

国土研究院のチョ・マンソク責任研究員は「多重水源の具体的例は釜山(プサン)・機張(キジャン)に建設したのと同じ海水淡水化施設、地域特性に合う地下水開発のようなもの。これを通じて水消費地と浄水池間の距離短縮、既存水資源施設の改善を通じた長寿命化推進などが必要だ」と話した。

一方、国会未来研究院はこうした気候変動とこれによる水不足現象にもかかわらず、30年後の韓国社会で食糧に大きな問題はないと予想した。農業人口と耕作面積が減り続けているが、主食であるコメの需給に大きな問題はなく、技術発展と大規模営農、海外供給網の多角化などさまざまな対案が存在するためだ。

チョ研究員は「現在の韓国では企業の農業生産参加に対する反対が激しく否定的な世論が強いが、リタイアした農家から農地を収容できる農地銀行制度を活性化し節度ある営農ができるよう基盤作りが優先的に推進されなければならない」と話した。





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