韓国でいわゆる名門大学SKY(ソウル大学、高麗大学、延世大学)を卒業してタクシー会社の運転手として就職すると言ったら? 大学の時に適当にしか勉強をしないか、卒業さえできなかったのではないかと間違いなく疑うだろう。あるいは「タクシー会社社長の息子さんですか?」と聞いてしまうかもしれない。反面、東京ではタクシーに乗ると20代のフレッシュな運転手にしばしば出会う。
日本タクシー業界2位のKMタクシーには昨年146人の大卒新入社員が入社した。2012年初めて10人を採用して以来、最近では毎年100人以上の新入社員が途切れることなく入ってくる。これより遅く大卒採用を始めたタクシー業界1位の日本交通にも昨年157人が入社した。この中には早稲田、慶応、法政など有名私立大はもちろん、東京大卒業生もいる。
彼らが有名大企業でもなくタクシー会社を選んだ理由は何か。まず勤務条件が悪くない。KMタクシーの場合、隔日制勤務で月11~12日(1日15時間)勤めて、入社初年度月平均27万円(約294万ウォン)もらえる。2017年厚生労働省が調査した大卒初任給(平均20万6000円)よりも待遇が良い。
しかし会社採用ホームページで目につくのが「自分の手で変化を作り出したい」という新入社員の入社理由だ。AI(人工知能)が導入されてUberのようなライドシェアサービスが進出した状況でタクシー業界の未来を変えてみようという、しっかりした抱負だ。
若手人材を先に探し始めたのはタクシー会社のほうだった。運転手の平均年齢は59.4歳(2017年国土交通省)で、次第に高齢化が進んでいるところに、Uberのような新技術が広がってタクシー業界は危機を感じるようになった。「若い人がいなければ未来はない」という考えで人材の迎え入れに懸命に取り組んだ。
会社は就職博覧会に出動して「思う存分、夢を広げてほしい」と学生たちに手を差し出した。初めは「追い詰められた職業」と考えていた学生たちも「新入の話にも耳を傾けてくれるところなら、やって見る価値はあるかもしれない」と関心を持ち始めた。会社は大企業に劣らない研修プログラムで社員を励ました。
業界も研究投資を怠らなかった。タクシー会社共同でAI開発会社を設立して、自動運転技術を開発するベンチャー会社とも提携した。おかげで新入社員の3年内の離職率(KMタクシー)は20%以下だ。
日本は韓国とともにUberが進出できない国だ。既存タクシー業界の声が強い。ただし、日本タクシー業界は絶えず研究して新しいサービスを開発している。変化する市場でスピーディに変わらなければ淘汰されるという切迫感で生きる道を探したところ、若者たちが自分の足でやってくる会社になった。自ら変えようと努力する姿、韓国のタクシー業界でもぜひ見てみたい風景だ。
ユン・ソルヨン/東京特派員
日本タクシー業界2位のKMタクシーには昨年146人の大卒新入社員が入社した。2012年初めて10人を採用して以来、最近では毎年100人以上の新入社員が途切れることなく入ってくる。これより遅く大卒採用を始めたタクシー業界1位の日本交通にも昨年157人が入社した。この中には早稲田、慶応、法政など有名私立大はもちろん、東京大卒業生もいる。
彼らが有名大企業でもなくタクシー会社を選んだ理由は何か。まず勤務条件が悪くない。KMタクシーの場合、隔日制勤務で月11~12日(1日15時間)勤めて、入社初年度月平均27万円(約294万ウォン)もらえる。2017年厚生労働省が調査した大卒初任給(平均20万6000円)よりも待遇が良い。
しかし会社採用ホームページで目につくのが「自分の手で変化を作り出したい」という新入社員の入社理由だ。AI(人工知能)が導入されてUberのようなライドシェアサービスが進出した状況でタクシー業界の未来を変えてみようという、しっかりした抱負だ。
若手人材を先に探し始めたのはタクシー会社のほうだった。運転手の平均年齢は59.4歳(2017年国土交通省)で、次第に高齢化が進んでいるところに、Uberのような新技術が広がってタクシー業界は危機を感じるようになった。「若い人がいなければ未来はない」という考えで人材の迎え入れに懸命に取り組んだ。
会社は就職博覧会に出動して「思う存分、夢を広げてほしい」と学生たちに手を差し出した。初めは「追い詰められた職業」と考えていた学生たちも「新入の話にも耳を傾けてくれるところなら、やって見る価値はあるかもしれない」と関心を持ち始めた。会社は大企業に劣らない研修プログラムで社員を励ました。
業界も研究投資を怠らなかった。タクシー会社共同でAI開発会社を設立して、自動運転技術を開発するベンチャー会社とも提携した。おかげで新入社員の3年内の離職率(KMタクシー)は20%以下だ。
日本は韓国とともにUberが進出できない国だ。既存タクシー業界の声が強い。ただし、日本タクシー業界は絶えず研究して新しいサービスを開発している。変化する市場でスピーディに変わらなければ淘汰されるという切迫感で生きる道を探したところ、若者たちが自分の足でやってくる会社になった。自ら変えようと努力する姿、韓国のタクシー業界でもぜひ見てみたい風景だ。
ユン・ソルヨン/東京特派員
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