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【社説】「ファーウェイ事態」対応、韓国の国益を最優先に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国情報技術(IT)企業ファーウェイ(華為技術)をめぐる米国と中国の対立が激化している。米国は先週からファーウェイの米国産製品購買を禁止し、同盟国にも同じ措置を取るよう要求している。これを受け、米国のグーグル、インテル、クアルコム、英国のARM、日本のパナソニックのような企業が相次いでファーウェイとの取引停止を宣言した。米国は韓国に対してもLGユープラスなどの事例を具体的に挙げながら同じ措置を要求したという。

ファーウェイに対する米国の制裁は一見、決裂した米中貿易交渉の報復措置に見える。ファーウェイは中国を代表するIT企業だ。売上高はサムスン電子の半分(2018年1070億ドル)水準だが、携帯電話からネットワーク装備まで幅広く生産している。このような中国を代表する企業に圧力を加えて中国の大幅な譲歩を引き出そうとしているという分析が出ている。もちろん正しいが、そのような見方だけをするのはあまりにも短見だ。

現代経済と国家運営でITは神経網のような存在だ。これを掌握することは、経済はもちろん国家システムの独立性を維持するのに必須だ。そして第2次世界大戦以降、この市場を掌握してきたのは米国だった。IBMからアップルにいたる先端情報通信企業がその先頭に立った。ところが最近はファーウェイなど中国IT産業の競争力が大きく高まった。ファーウェイの装備を多く使用する移動体通信業界では「ファーウェイの製品は他社より価格は30%安く性能は30%良い」という評価がある。ファーウェイが「米国が要請しても5G装備を米国に売らない」と強気を見せているのもこうした理由からだ。ファーウェイをはじめとする中国IT産業をこのまま放置すれば、結局、米国の経済と安全保障独占権を揺さぶる危険要因になりかねないというのがトランプ大統領の心配だろう。


世界覇権をめぐるこうしたクジラの争いを韓国はどうすることもできない。しかし韓国経済への悪影響だけは最小限に抑える必要がある。「ファーウェイ事態」について経済専門家は短期的にはプラス要因とマイナス要因が存在するが、長期的には悪材料になるしかないという。短期的には、ファーウェイ製品と競争する企業には大きな好材料になるだろうが、他の製品を購入するしかない企業としては経済的負担と競争力弱化を心配せざるを得ない。事態が長引けば米中間関税・非関税障壁が高まり、自由貿易が縮小して貿易が減少する。そうでなくとも米中貿易紛争のため6カ月連続で輸出が減少している韓国としては考えたくもないシナリオだ。しかも韓国内部の状況も良くない。生産・投資・消費が一斉に悪化し、1-3月期の10大グループ上場企業の業績が40%以上も落ちるなど景気が良くない。

小規模開放経済の韓国の賢明な対応が求められる時だ。韓国経済は貿易で暮らしながら成長してきた。しかし米中貿易紛争に続く覇権競争が大きな暗礁として迫っている。このような状況でどちらか一方に安易に近づくのは危険な選択になるしかない。できる限り双方に合わせながら韓国の国益を守ることが重要だ。シナリオ別の政策的準備と対応論理も徹底的に用意する必要がある。そうしてこそファーウェイ問題がTHAAD(高高度防衛ミサイル)韓国配備への報復のような事態を招かずに済むだろう。



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