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【コラム】無実の人を罪に陥れる「最低賃金1万ウォン」、ごみ箱にぶち込め=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

最低賃金の引き上げを掲げた旗

公約「1時間当たりの最低賃金1万ウォン(約921円)」のために韓国経済が深いどん底に陥った。たった2年の間に30%近く引き上げて8350ウォンになると、零細自営業者や小商工人は次々と廃業に追い込まれ、低賃金労働者たちが働き口を失った。経済的弱者のためだという政策が逆に彼らを死地に追いやった。経済活力は地に落ちた。怨念の声が天を突き刺すと、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「2020年1万ウォン」にこだわらないと退いた。

日本は韓国よりも経済体質がはるかに丈夫だ。だが、今年の全国平均最低賃金引上げ率は3.1%だ。これが史上最高値だ。2020年までに最低賃金を1000円まで引き上げようとしたが、経済成長率が目標に達しないためあきらめた。好況にわく米国も、連邦政府の最低賃金を10年間7.25ドル(約800円)で凍結している。最終的には地域別に決まるが、今年の分は20州と40都市が上げた。両国はこのように最低賃金を極度に慎重に扱っている。

韓国は正反対だ。週休手当てまで含めれば2年間でほぼ50%上昇し、今年の最低賃金は1万30ウォン(韓国経済研究院発表)だ。賃金支払能力が脆弱な自営業者の比率が25.4%で、日本10.4%、米国6.3%に比べて圧倒的に高いのに、無鉄砲に問題を引き起こした。1円引き上げるかどうかについて夜を徹して激論を交わす日本とは、違うといってもあまりにも違いすぎる。


国際通貨基金(IMF)の韓国ミッション団長は「最低賃金が2年間で30%ほど引き上げられれば、どんな経済も耐えることはできない」とし「引き上げ率を労働生産性内で決めなければならない」と助言した。国際信用格付け機関のムーディーズも「韓国の雇用不振は最低賃金引き上げのためが大きい」とした。

経済学徒は「経済(Economy)」が「世の中を治めて民を救済する」という経世済民から始まったという事実から学ぶ。数学科統計学を活用する洗練された「社会科学の女王」と思っていたが、東学創始者である水雲(スウン)・崔済愚(チェ・ジェウ)の救世済民精神と通じる切実さが込められていたのだ。東学は「人すなわち天(人乃天)」という教義で古い朝鮮を改革しようとしていた悲壮な実践の道あり、宗教家ではなかったか。それなら経済官僚と学者は抽象的理念の城砦に自らを閉じ込めた勢力に対抗して具体的な現実の世界にしっかりと根ざした実用について、命をかけて説明するべきだ。



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