「北朝鮮が短距離ミサイルを発射した９日、北朝鮮の貿易駐在員が私をはじめとする貿易関係者数人を招いてにぎやかな祝賀パーティーを開いた」。

中国・丹東のある貿易業者が米政府系ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）とのインタビューでした話だ。中国国内の北朝鮮貿易駐在員が、北朝鮮が短距離ミサイルを発射した９日に「ミサイル発射祝賀パーティー」を開いたとＲＦＡが１３日に報道した。

消息筋によると、北朝鮮駐在員はこのパーティーがミサイル発射を祝うためのものだと直接明らかにした。消息筋は「われわれが何を祝うための宴席かと尋ねると、『新たに開発したミサイルの成功的な試験発射を祝うための宴席』と大げさに騒ぎとてもいぶかしかった」とＲＦＡに話した。


消息筋は「貿易駐在員は今回祖国（北朝鮮）で米国の奴らにすがすがしく見せしめてやったと拍手し歓呼した。米国の圧殺政策で祖国の事情は少々厳しいがわれわれは米国に絶対屈服しないと大声を上げた」と伝えた。

消息筋は続けて「一緒に食事でもしようとかと参加したがその場には顔も知らない駐在員らと彼らが招いた中国人も何人かいた。貿易労働者が金正恩（キム・ジョンウン）の大胆な勇気を称賛する発言を先を争ってしたために参加した中国の人たちが眉をひそめ不快なそぶりを見せたが貿易駐在員は構わずに騒ぎ続けた」と話した。この消息筋によるとミサイル発射祝賀パーティーは短距離ミサイル発射次の日である１０日明け方まで続いた。

現地関係者らはこうした祝賀パーティーが北朝鮮指導部の指針によって開かれたとみられると口をそろえた。消息筋は「ミサイル発射祝賀の宴席は貿易駐在員が自発的に用意したものではなく北朝鮮指導部から下された指針によるものと疑われる」と話した。

丹東の別の消息筋もＲＦＡに「北朝鮮の貿易駐在員は普段中国側の取引先に食事もおごらないほどけちな方だが、中国の取引先を夕食に招き多額をかけて宴席を開くというのはとても異例。これまで政治色の濃い言動をしないよう注意していた駐在員がこのように破格な行動をしているのは本国の指針に従ったものであることは明らかだ」と付け加えた。

北朝鮮の海外駐在員がミサイル発射後に祝賀パーティーを開いたのは今回が初めてではない。同消息筋は「２０１６年２月７日に光明星４号ロケット発射に成功した当時、北朝鮮の在瀋陽領事館丹東支部のヨム・チョルジュン領事が祝賀パーティーを終え泥酔状態でベンツを運転し中国人３人をひいて死亡させた交通事故を起こしたことがある」と明らかにした。